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トリックされるまえにトリートする……ハロウィンだ!

考えてみたら、けっこ―久々でした。


 朝の冷気も本格的になってきて、ベッドから出たくない季節になってきましたね。街ではこの時期、収穫祭が行われます。私たちの言葉で言うなら、ハロウィンというやつですね。

 といっても、こちらで行われる収穫祭は本当に収穫祭なわけで、イタズラとかお菓子をあげるなどといったものはなく、普通に街総出での飲んでや食えの宴会というだけなんですけどね。


 「まてまてー!」

 「そっちにげたぞー!」


 そんな風に考えていると、二人の子供たちが頭に顔のような穴を開けた被り物をした何かを追っていますね。なんでしょう、どっかでみたような、そう、ほらカボチャ的な。あ、ちなみにマントも引っ付いてますけど、中に誰もいませんよ? ええ、被り物とマントだけです。


 「いやーん」

 「きゃぁー」


 そして他所では、カラカラと音を鳴らして女性を追いかけているガイコツの姿が。これももちろん、生身の人がタイツとか着てるんじゃなくてマジな骨です。


 「Triiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiick!!!」

「うるさいです」

 「treatt!!」


後ろから現れたゾンビっぽいのがきたんでぶん殴っただけです。お気になさらず。


 「はぁ。どうしてこうなったんですかねぇ……」


 空は暗く、されど子供も大人も元気に、街に跋扈する魑魅魍魎。

 追いかける方もいれば、追いかけられてる方もおり。

 皆一様に殴って撃退。やられた人は服が脱げて男性の目の保養になったりとなにこれカオス状態。

 そんな光景。

 どうしてこうなった?

 いえ、まぁ原因はわかってるんですけどね。ええ、もちろん――


 「今回は私のせいですよねぇ」


 っていっても、私はこの状況を引き起こすきっかけなだけで、実行犯じゃないですからね! ちょーとあることないこと盛ったりなんたりしただけなんですよー。しんじてくださいよー。ぶっちゃけちゃいますとね、私がウィリーに吹き込みました。実際、収穫祭が行われるって時についついハロウィンなんて彼の前で話したのが原因なんですけど。そんなわけで、瞳の奥をキラッキラさせたウィリーにハロウィンのことを教えましてね。それでまぁ、そこで確信はあったんですよ。なにかするって。


 「それがこれですからねぇ」


 なんだかんだでお祭り好きな彼。収穫祭の日にそんなことが行われてるなんて耳にすればそりゃぁやってみたいとか思うでしょうよ。朝なのに街全体に結界張って疑似的な夜にして自信作の疑似モンスター撒き散らして、「トリックされる前にトリートし返せ! ドキドキハロウィィィィィン!!」だなんてゲーム開催ですからね。もう、なんていうか、あいつが魔法使いなのを忘れてました。てへっ。


 「trick(目からビーム)!」

 「う、うわぁあああ」

 「いやぁあああああああ」

 「ふ、ふくがあああああ!?」

 「なんて眼福なんだ……」

 「素晴らしい。トリック万歳だな」

 「ふぅ……」


 まぁみなさんなんだかんだでなんだかんだな感じで楽しんでるみたいですし、別段きにすることもないですかね? 気にしろって? いやぁ遅いでしょう、もう取り返しきかないですし。


 「ま、午前中の催しものですし楽しんだもの勝ちなんでしょうね」


 結構前にもありましたけど、彼の行うゲームは基本的にポイント制です。強いモンスターもいれば、弱いモンスターもいますし、子供サイズだったりめっちゃデカかったり。様々です。そんで私はまた参加者さんです。


 「Triiiiiiiiick!?」

 「Treaaaaaaaaaaaaaaaaaaat!!」

 「のーせんきゅー」

 「Oh...」

 「So bad...」


 おい、どっかの人工ゾンビに蝙蝠野郎。それでいいのかそのテンションで。特に、ゾンビの方。めっちゃ笑顔ですやん。なんていうか、それあかんでしょう。

 まぁ、私が教えたハロウィンのキャラは一通りいるようですが、見事に彼オリジナルのモンスターもいますねぇ。難易度設定的に大したことはないですけど、そのぶん私になんかマーカーでもつけてんのか集団なうえに死角からの攻撃が多い。これいじめですか?


 「こうなったら私から仕掛けるしかないですかね?」

 「Trick or――」

 「Destroy!」


 ふぅ。いやぁでもいいですよね。ぶっ壊してもなんも言われないんですから。本気で殴った結果こう、ジャックなランタンだったらもうスイカ割りを想起させてストレス解消にはもってこいですよね。瓜つながりですし、割れ方似てますし。

 そんかじゃまとりあえず、人間時間があれば慣れるというわけで、物騒な釘バットを振り回していくことにしましょう。そりゃあもうブンブンと。


 「ひゃっはー、モンスターは出荷よー」

 「LanLan!?」

 「Son na!」

 「意外と皆さん感情豊かですね……」


 攻めに転じて襲っていく中、モンスターさんたちやられる瞬間に意外とセリフを吐いているうえにこっちのセリフにまで合わせる時があるとは……さすがウィリーというべきでしょうか。


 「Twice counter!」

 「こっちは百倍返しだ!」





 さてさて、そうしてやってきましたわけですが。時間ももうすぐ本当に夜に差し掛かるあたりでしょうか。そうなると……


 「Merry Halloweeeeeenn!!」

 「メリーちゃう、ハッピーや」

 「Don't mind!」

 「うぜぇこのランタンやろう」

 「HAHAHA!」


 もはや定番。超巨大モンスターがラスボスです。それに加え今回、会話機能を入れているらしく見事にうざいです。なんていうか、人を馬鹿にした喋り方が癪に障りますね。わかります、あの感じ? わからない? なら一回考えてみたらいいと思います。こう、目の前で身長の高い人が笑いながらバカにしてくるやつを。


 「よし、ぶっ潰す」

 「Come! Come here!!」


 スクラップにしてやろう。


 「Trick!(口からバズーカ)」

 「ほっ!」

 「「「きゃぁああああああああ」」」

 「「「ひゃっほおおおおおおおおお!!!」」」


 極大ビームが飛来すると同時に横へと回避。

 同時に、後ろにいた参加者という名の観客勢に被弾。で、あのビームは見事に脱衣ビームですので、当たった方たちは悲鳴と大歓声が入り混じる、と。

 ふむ。さてさてどうしたものか。


 「とりあえず跳びますか。≪跳躍ジャンプ≫!」

 「Woo! great!」

 「いちいちうるさいですっ!」


 長距離跳躍による移動方法。足もとらへんから行くぐらいは、こっちの方が楽ですし。このまま、ど頭かち割らせてもらいましょうかねェ!


 「はぁ!」

 「Non Non It's bad action!」

 「なぁ!?」

 「Treat!(拳をプレゼントだ)」

 「ぐっ」


 まさか、横から自立型のパンチが飛んでくるのは予想してなかった……。ダメージはないけど、吹っ飛ばされたのがイタイ。もぉ、仕方がない。


 「≪超過移動オーバー・クロック! 全力全壊絶対必中痛打一倒フルスイング≫!」

 「What!?」


 勝負は一瞬。

 吹っ飛ばされた位置からコンマ経たずで彼奴のてっぺんへ到着。同時に、そこまでに本来起こりうるはずの全てのエネルギーを力へと変換し、そのまま――


 「せいやぁ!」

 「Oh Nooooooooooooooooooooooooo!!」


 釘バットが衝突すると同時に、頭が割れ、モンスターは断末魔?をあげて消えていくのでした。


 「はぁ。疲れた」


 全身が軋んでおります。なぜって? お察しの通り、先ほどの魔法二連発は結構クルんですよね。体に。多大な負荷を掛けて超超人的な移動などを使用するわけですが、これに関しては肉体をいくら魔法で強化しても意味がないわけでして、いわゆる割合ダメージの代わりにその分の効力を発揮する系です。うわ、なんかバトルものっぽい。

 なんにしても、今のボスを斃したことでこのゲームも終わりでしょう。時間もちょうどいいでしょうしね。


 「皆さんゲームは楽しんでいただけたかな!? 今のボスが斃されたということで今回のゲームもこれにて終わりだ。そしてここからは皆さんお楽しみの……」

 「「「宴会だぁああ!!!」」」


 やれやれ、みなさん元気ですねェ。ま、お祭りはここからですしね。


 「私も疲れましたし、その分の報酬は受け取りますか」


 そんなわけで、私はおなかが減ったので行ってきます。

 最後に一言。


 「Trick or Treat?」


 あなたはイタズラするのが好き? お菓子をもらうのが好き?



ちなみにどっかの半けtじゃなくて半何とかさんとか、リーガルでハイなやつはちょっとぐらいしか見てません。

あと、スペルとかそこらへんはまぁ気にしないでください。

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