チョコもらえるとかそんな空想妄想幻想は不燃物の日にまとめてポイしちゃいましょう
会話多めの短い小話
「ん~ふふ、ん~♪」
『何しているんだい、アヤメ? 鼻歌なんてしてさ』
「ふ~♪ はい?」
『聞いてた?』
「ええ、まぁ。何をしていたのかにお答えするなら、お菓子作りですね」
『なんでまた?』
「ちょっとした気まぐれですよ」
「こんにちわ~」
「「「こんちわすっ!!! 姐さん!!!」」」
相変わらず、慣れませんね~この人たち。
まぁ、嫌ではないです。ただ、ちょっと苦手なだけです。
「どうしました、姐さん?」
「ええ、ちょっと。皆さんにお渡しする物がありまして」
「ま、まさか、引導!?」
「そんな、姉貴! 見捨てないでくだせぇ!!」
「はぁはぁ、アヤメちゃん、踏んでくださいお願いします。我々の業界ではご褒美ですそれだけ渡してくださいふひ。」
「おめぇら! ちゃんと姐さんの話をきかねぇかっ!! それで、本当にオレらに見切りをつけちますんですか?」
「いや違いますよ何言ってるんですか。純粋に物々ですよ」
「な、なんだ……びっくりしたぜぇ~」
「おりゃぁ姉貴に見捨てられるなんてことになったら生きていく希望が持てねぇよ」
「あ、あああアヤメちゃんからのプレゼント!? なんなんですかもしかしていらなくなった服ですか下着ですか下着ならぜひぃ!!」
「おい、どうして変態まだいんだ?」
「いや、一応コイツ姉貴がいなければうちでは上位の実力者ですから……ほんと、姉貴が関わらなければ」
「あの~そろそろいいですか?」
時間が無いんです。あまりないんです。実際問題カツカツです。
「「「す、すいやせん!!!」」」
「いえ、いいですから。それじゃあ、皆さんにはこちらを」
「これは?」
「クッキーです。皆さんが分け合えるように多く作っておきましたので、食べてください」
とりあえず、一番大きな箱に包まれた、箱を置く。まぁ、これでいいでしょう。
「あ、姐さん……」
「一応、日頃のお返しです」
「「「………………」」」
「あ、足りませんでしたか?」
「「「ありがとうございます!!!」」」
「姐さん……すまねぇな。いつも助けられてるのによぉ。ありがとうなぁ」
「な、泣かないでくださいよ!? こういうのは、持ちつ持たれつの関係です。だから、皆さんや、皆さんの所属するこの場所が無ければ、私も困っていたことになっているんですから、お互い様ですよ」
「ありがとうございます……ありがとうございます……!」
「お、オレ家宝にします! 一生大事にします!」
「いや、食い物ですから粗末にしないでください。いいですか、ちゃんと食べてくださいよ?」
「「「はい!!」」」
「それでは」
「ふむ。それで、なんのようだい?」
「ええ。ちょっとお菓子を作り過ぎたので、おすそ分けですよ」
「君の家はここと結構離れているのに?」
「ちょっとギルドによる予定もありましたからその流れで」
「わざわざこのような梱包までして?」
「たまたまですよ」
「結構な値打ちのリボンまで巻いて?」
「ありあわせですよ」
「色々な型のお菓子が入っているようだが?」
「たまたま……って、なんでも開けてんですか!?」
「いや、頂いたものはすぐに開けて確認する主義なんだ。もし爆弾かと思うと気が気でなくてね」
「私の渡す物は危険物ですか……」
「そういうわけじゃない。これは癖さ。ふむ。甘いな」
「そりゃお菓子ですからね」
「僕はどちらかといえば甘すぎない方が好きだよ。うん」
「……さいですか」
「ま、時には甘いものを食べるというのもいいね。脳が活性化してきている」
「へー」
「いやなに、甘いものとしてはよかったよ。うん。おいしかった。ありがとう。ところでこれは外装だ。きちんとたたんでおいたから、軽くて持ち帰りやすくしておいたよ」
「…………ウィリー?」
「どうした、アヤメ?」
「星を観てこいっ!」
「なんでっ!?」
駄目だコイツは。どうしようもない。
帰るとしよう。
「ただいまもどりましたよ~」
『やぁ、お帰りアヤメ。……どうしたんだい、不機嫌そうな暗い顔して?』
「いえ。まぁ、ちょっとね」
『そうかい? 元気だしなよ』
「味方はポメちゃんだけよ~!」
『うわぁ!?』
「はぁはぁ、もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ」
『こ、これは相当長くなるな……あ、ダメだ、気が遠くなってきた……』
「ひゃっはー! 最高にハイだー!」
朴念仁には殴ってもわからない。
それが今日学んだことでしたとさ。
引きこもりの人に今日という日は関係ないですね。ええ、ええ。