第二十七章:約束の地
「最後の1%への挑戦」から、3年後。
タイシは、47歳になっていた。
戦争終結から、25年が経過していた。
リベラ王宮の大広間。
再び、世界各国の代表が集まっていた。
帝国皇帝。
ノーザン国王。
サウザン連邦議長。
イースタン商業同盟議長。
魔王ゼノビア。
そして、リベラ国王とタイシ。
これは、「最後の1%への挑戦」の最終報告会だった。
タイシが立ち上がり、発表を始めた。
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**【最後の1%への挑戦・最終報告】**
タイシは、大きなボードに数字を書いた。
「皆さん」
「3年前、私たちは『最後の1%への挑戦』を開始しました」
「当時の世界貧困率は、6.0%でした」
「そして、今」
タイシは、大きく数字を書いた。
**世界貧困率:0.8%**
会場に、どよめきが起きた。
帝国皇帝が、立ち上がった。
「0.8%!?」
「目標の1%を、下回った!?」
タイシは、頷いた。
「はい」
「3年間の努力の結果です」
タイシは、詳細を説明し始めた。
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**【3年間の成果】**
**世界人口:9,000万人**
**貧困人口:72万人(0.8%)**
**3年前:528万人(6.0%)**
**減少:456万人**
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**【各国の貧困率の変化】**
**帝国:**
- 3年前:234万人(9%)
- 現在:18万人(0.7%)
- 減少:216万人
**施策:**
- 農業技術革命完了
- 新品種種子の普及率:100%
- 農業用ゴーレム:10,000台配備
- 食料生産性:50%向上
- 食料自給率:82%→130%
**ノーザン:**
- 3年前:85万人(10%)
- 現在:9万人(1.0%)
- 減少:76万人
**施策:**
- 獣人差別撲滅プログラム完了
- 差別的発言・行動:ほぼゼロ
- 獣人の平均年収:人族と同等
- 暴行事件:年間5,000件→50件(99%減)
**サウザン:**
- 3年前:44万人(3.4%)
- 現在:13万人(1.0%)
- 減少:31万人
**施策:**
- 年金制度確立
- 高齢者(65歳以上)に月30金貨支給
- 高齢者貧困率:20%→3%
**イースタン:**
- 3年前:112万人(7%)
- 現在:16万人(1.0%)
- 減少:96万人
**施策:**
- 経済格差是正プログラム完了
- ジニ係数:0.48→0.32
- 最低賃金法の完全施行
- 都市スラム:全て再開発完了
**魔族領:**
- 3年前:46万人(7%)
- 現在:5万人(0.7%)
- 減少:41万人
**施策:**
- 農業技術支援完了
- インフラ整備完了
- 食料自給率:83%→115%
**リベラ:**
- 3年前:7万人(0.3%)
- 現在:11万人(0.5%)
- 増加:4万人
**理由:**
- 人口増加による新規貧困層の発生
- 高齢化の進行
- しかし、社会保障で全てカバー
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**【3年間の投資総額】**
**リベラの支援:**
- 最後の1%への挑戦:50億金貨
- その他継続支援:15億金貨
- **合計:65億金貨**
**各国の負担:**
- 10億金貨
**総投資額:75億金貨**
**リベラの累計支援(25年間):**
- 戦争終結後の支援総額:**230.6億金貨**
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タイシは、説明を終えた。
各国代表が、立ち上がって拍手した。
帝国皇帝が、涙を流しながら言った。
「タイシ様」
「25年前、私の国は絶望の中にありました」
「奴隷720万人、貧困率70%」
「しかし、今」
「貧困率は0.7%です」
「これは、奇跡です」
「タイシ様のおかげです」
ノーザン国王が、言った。
「私の国も、同じです」
「獣人差別は、ほぼ無くなりました」
「獣人と人族が、共に暮らしています」
「これも、タイシ様のおかげです」
イースタン議長が、言った。
「経済格差も、是正されました」
「上位1%と下位50%の年収格差は」
「1,750倍から、10倍になりました」
ゼノビアが、涙を流しながら言った。
「魔族への偏見も、無くなりました」
「1,000年の偏見が、消えたのです」
「タイシ様」
「あなたは、本当に世界を変えました」
タイシは、首を横に振った。
「いいえ」
「これは、皆さん全員の努力の結果です」
「私は、ただきっかけを作っただけです」
「実際に変えたのは、皆さんです」
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会議の後。
タイシは、一人で王宮の屋上に立っていた。
夕暮れ。
空が、赤く染まっていた。
タイシは、空を見上げた。
「ついに、やり遂げたか…」
「25年間の戦いが、終わった…」
その時、背後から声がした。
「父さん」
タイシは、振り返った。
5人の子供たちが、立っていた。
エリア(18歳)、レオ(17歳)、グレイス(16歳)、シェイド(15歳)、マリナ(19歳)。
全員、大人になっていた。
エリアが、タイシに言った。
「父さん、お疲れ様」
「25年間、本当によく頑張ったね」
レオが、言った。
「父さんは、世界を変えた」
「すごいよ」
グレイスが、言った。
「父さんのおかげで、世界中の人が幸せになった」
シェイドが、言った。
「父さんは、歴史に残る英雄だ」
マリナが、言った。
「父さん、ありがとう」
「私たちに、こんな世界を残してくれて」
タイシは、涙を流した。
「みんな…」
「ありがとう…」
タイシは、5人を抱きしめた。
「お前たちがいてくれて、本当に良かった」
「お前たちが、私の誇りだ」
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その夜。
タイシは、5人の妻と話していた。
エレノア、ルナ、グレタ、シャドウ、マリア。
エレノアが、言った。
「タイシ」
「25年間、本当にお疲れ様」
「あなたは、素晴らしい仕事をしたわ」
ルナが、言った。
「ええ」
「世界中の人が、あなたに感謝しているわ」
グレタが、言った。
「お前は、本当にすごいな」
「私は、お前と結婚して良かった」
シャドウが、言った。
「私も」
「あなたは、世界一の男よ」
マリアが、言った。
「私も、あなたと一緒になれて幸せよ」
タイシは、微笑んだ。
「みんな、ありがとう」
「でも、私の戦いは、まだ完全には終わっていない」
5人は、驚いた。
「え?」
タイシは、説明した。
「まだ、72万人が貧困だ」
「0.8%とはいえ、72万人だ」
「この72万人も、救わなければならない」
エレノアが、言った。
「でも、タイシ」
「0.8%は、もう十分じゃない?」
タイシは、首を横に振った。
「いや」
「私の目標は、0%だ」
「全ての人が、幸せに暮らせる世界」
「それが、私の夢だ」
グレタが、言った。
「でも、0%は、現実的に不可能だろう」
「必ず、何らかの理由で貧困になる人がいる」
タイシは、頷いた。
「そうだね」
「でも、限りなく0に近づけることはできる」
「0.1%、0.01%、0.001%」
「そして、いつか、0%に」
タイシは、続けた。
「でも、私がそこまでやる必要はない」
「もう、システムは完成した」
「社会保障、教育、医療、インフラ」
「全て整った」
「後は、次世代に任せる」
タイシは、5人を見た。
「私は、もう引退する」
5人は、驚いた。
「引退!?」
タイシは、頷いた。
「ああ」
「私は、47歳だ」
「26年間、国のために働いた」
「もう、十分だろう」
「これからは、次世代の時代だ」
エレノアが、言った。
「じゃあ、タイシ」
「これからどうするの?」
タイシは、微笑んだ。
「ゆっくり休む」
「そして、お前たちと、もっと時間を過ごす」
「26年間、仕事ばかりだったからな」
マリアが、涙を流した。
「タイシ…」
「嬉しい…」
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翌日。
タイシは、国王と会談した。
「陛下」
「私は、宰相を辞任します」
国王は、驚いた。
「タイシ!?」
「なぜだ!?」
タイシは、答えた。
「26年間、働きました」
「もう、十分だと思います」
「そして、次世代に任せる時です」
国王は、悲しそうな顔をした。
「そうか…」
「残念だが、仕方ないな」
「タイシ、26年間、本当にありがとう」
「お前のおかげで、リベラは世界最強の国になった」
「そして、世界は平和になった」
国王は、タイシに勲章を授けた。
「これは、『世界平和勲章』だ」
「お前に贈る」
タイシは、勲章を受け取った。
「ありがとうございます」
国王は、尋ねた。
「で、後任は?」
タイシは、答えた。
「私の長女、エリアを推薦します」
国王は、驚いた。
「エリア!?」
「まだ18歳だぞ!?」
タイシは、微笑んだ。
「私が宰相になったのも、21歳でした」
「エリアは、十分に優秀です」
「この3年間、帝国で教育支援を指揮しました」
「その結果、帝国の貧困率は9%から0.7%になりました」
「彼女には、能力があります」
国王は、考えた。
「そうか…」
「分かった」
「エリアを、次期宰相に任命しよう」
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1週間後。
リベラ王宮の大広間。
エリアの宰相就任式が行われた。
5万人の国民が集まった。
国王が、エリアに宰相の証である杖を授けた。
「エリア」
「お前を、リベラ共和国の宰相に任命する」
エリアは、杖を受け取った。
「ありがとうございます」
「私は、父の意志を受け継ぎます」
「そして、より良い世界を作ります」
国民が、拍手した。
タイシは、観客席からエリアを見ていた。
そして、涙を流した。
「エリア…」
「お前なら、きっとできる…」
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その夜。
タイシの引退パーティーが開かれた。
王宮の大広間。
1万人が集まった。
各国の代表も来ていた。
帝国皇帝が、スピーチした。
「タイシ様」
「25年前、あなたは私の国を救いました」
「そして、今日まで支援し続けてくれました」
「私の国の貧困率は、70%から0.7%になりました」
「これは、全てあなたのおかげです」
「ありがとうございました」
ノーザン国王が、スピーチした。
「タイシ様」
「あなたは、獣人差別を無くしてくれました」
「私の国は、今、平和です」
「ありがとうございました」
イースタン議長が、スピーチした。
「タイシ様」
「あなたは、経済格差を是正してくれました」
「私の国の人々は、今、幸せに暮らしています」
「ありがとうございました」
ゼノビアが、涙を流しながらスピーチした。
「タイシ様」
「あなたは、魔族への偏見を無くしてくれました」
「1,000年の偏見が、消えました」
「そして、あなたは…」
ゼノビアは、言葉に詰まった。
「あなたは、私の初恋の人でした…」
会場に、どよめきが起きた。
ゼノビアは、続けた。
「25年前、あなたに会った時」
「私は、恋をしました」
「でも、あなたには5人の妻がいました」
「だから、私は何も言えませんでした」
「でも、今日、言わせてください」
「タイシ様、愛しています」
「そして、ありがとうございました」
会場が、静まり返った。
タイシは、立ち上がった。
そして、ゼノビアに歩み寄った。
「ゼノビア」
「ありがとう」
「あなたの気持ち、嬉しいです」
「でも、私には5人の妻がいます」
「だから、あなたの気持ちには応えられません」
「ごめんなさい」
ゼノビアは、涙を流しながら微笑んだ。
「いいえ」
「分かっています」
「ただ、一度だけ言いたかったんです」
タイシは、ゼノビアを抱きしめた。
「ゼノビア」
「あなたは、素晴らしい魔王です」
「これからも、魔族領を頼みます」
ゼノビアは、頷いた。
「はい」
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パーティーが終わった後。
タイシは、5人の妻と子供たちと一緒に、王宮の庭を歩いていた。
夜空には、満天の星。
タイシは、空を見上げた。
「美しいな…」
エレノアが、言った。
「ええ」
「本当に美しいわ」
タイシは、みんなを見た。
「みんな、26年間、ありがとう」
「みんながいたから、私はここまで来られた」
「本当に、ありがとう」
5人の妻が、タイシを抱きしめた。
5人の子供たちも、加わった。
10人で、抱き合った。
タイシは、涙を流した。
「幸せだ…」
「本当に、幸せだ…」
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**【リベラ共和国・最新データ(戦争終結25年後)】**
**総人口:2,200万人**
**経済:**
- GDP:125億金貨/年
- 一人当たりGDP:568金貨/年
**タイシの家族:**
- 年齢:47歳
- 妻:5人
- 子供:5人(15-19歳)
**子供たちの現状:**
- エリア(18歳):新宰相に就任
- レオ(17歳):軍のリーダー候補
- グレイス(16歳):ゴーレム技術の第一人者
- シェイド(15歳):魔法研究の天才
- マリナ(19歳):外交官として各国で活躍
**世界の現状:**
- 世界人口:9,000万人
- 貧困人口:72万人
- 貧困率:0.8%
**タイシの功績(25年間):**
- 世界支援:230.6億金貨
- 救った命:1,672万人
- 世界貧困率:21.8%→0.8%
- 世界奴隷:720万→0人
- 次世代育成:5人の子供たち全員が各分野のリーダーに
**タイシの引退:**
- 宰相を辞任
- 26年間の勤務を終える
- 次世代に継承
**世界の評価:**
- 「世界平和の父」
- 「史上最高の宰相」
- 「全ての人の恩人」
**タイシの次の人生:**
- 家族との時間を大切に
- ゆっくり休む
- でも、必要な時は助言する
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**【本章のテーマ:完成と継承】**
**目標達成:**
- 世界貧困率:6.0%→0.8%
- 25年間で21.8%→0.8%
- 目標の1%を下回った
**完全な引退:**
- タイシ、宰相辞任
- 26年間の勤務終了
- 長女エリア(18歳)が新宰相に
**次世代の時代:**
- 5人の子供たち、全員が各分野のリーダー
- エリア:政治
- レオ:軍事
- グレイス:技術
- シェイド:学術
- マリナ:外交
**ゼノビアの告白:**
- 25年間の片思い
- タイシへの愛の告白
- でも、断られる
- それでも、友情は続く
**タイシの幸せ:**
- 目標達成
- 家族との時間
- 次世代への継承
- 「幸せだ…本当に、幸せだ…」
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