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王国簒奪物語  作者: 慈架太子


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第八章:出会い

タイシは商人一行の前に降り立った。


「大丈夫ですか? 怪我はありませんか? 何があったんですか?」


商人の代表が挨拶する。


「私は、マイケル・スミスという商人です。危ない所を助けていただきありがとうございました」


「森の中でいきなりファングリザードの群れに遭遇し、大急ぎで逃げたら、アースドラゴンにも遭遇してしまい、必死で逃げていたところなのです」


「それは災難でしたね。私の家で休憩をしていかれたらどうですか?」


「それは大変ありがたい。お邪魔してもよろしいのですか?」


「困ったときはお互い様です。どうぞどうぞ」


「お言葉に甘えさせていただきます」


タイシは戦闘型ゴーレムを退避させ、門番ゴーレムに開閉橋を開けさせる。


門が開き、堀の上に橋が架かる。商人の馬車が村に入っていく。


商人一行は馬車を降りて自己紹介をする。


「改めて屋敷の中でご挨拶させてください」


タイシは屋敷に案内する。大きなテーブルに20脚ほど椅子が付いている。


「ご自由にお座りください」


綺麗どころのメイド10人ほどが「マスター、おかえりなさいませ」と挨拶をする。


もちろんゴーレムだが、見た目は人間と区別がつかない。


「サラ、このドラゴンをパウエルのところで解体してステーキにしてくれ」


タイシはサラの前に15メートルのアースドラゴンを出す。


タコ殴りだったので出血はあまりしていないが、念のため浄化魔法「クリーン」をかけておく。


「かしこまりました」


10トンくらいありそうなアースドラゴンを、見た目がきれいなサラは軽々と運んでいく。


驚く商人一行。

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