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王国簒奪物語  作者: 慈架太子


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第十一章:改革の加速


王都。


王宮の改革委員会室。


タイシ、国王、宰相、マイケル、エドガー、そして改革派貴族たちが集まっていた。


国王が、会議を開いた。


「帝国の侵略を退けてから、1週間が経過した」


「この1週間で、王国は大きく変わった」


国王は、資料を見た。


「無料診療所、3箇所が開設された」


「すでに、5000人以上の平民が診察を受けた」


「無料学校も、3箇所が開校した」


「生徒数は、合計1200名」


「行政官採用試験も、3日後に実施される」


「応募者は、3000名を超えた」


宰相が報告した。


「陛下、民衆の反応は非常に良好です」


「改革への支持率は、80%を超えています」


「タイシ様への支持率は、90%以上です」


タイシは、満足した。


「順調ですね」


だが


国王は、深刻な表情を見せた。


「だが、問題もある」


「保守派貴族たちが、まだ抵抗している」


「決戦で敗れたマルクス伯爵は、失脚した」


「だが、他の保守派貴族たちは、まだ健在だ」


「約50名」


エドガーが報告した。


「保守派貴族たちは、密かに集会を開いています」


「改革を遅らせようと、画策しています」


「具体的には?」


タイシが尋ねた。


「行政官採用試験の妨害です」


エドガーが説明した。


「試験会場に、圧力をかけています」


「平民の応募者を、脅迫しています」


「『試験を受けたら、後で報復する』と」


「すでに、500名以上が応募を取り下げました」


タイシの目が、冷たくなった。


「妨害か」


「許せないな」


マイケルも言った。


「スミス商会にも、嫌がらせがあります」


「取引先が、突然契約を破棄してきます」


「保守派貴族の圧力です」


ダリウスが報告した。


「財務省でも、改革派の役人が左遷されています」


「保守派貴族の息のかかった役人が、まだ多数います」


「彼らが、改革を妨害しています」


タイシは、拳を握った。


「保守派貴族…」


「決戦で負けても、まだ諦めていないのか」


国王が言った。


「タイシ、どうすればいい?」


「強硬手段をとるべきか?」


タイシは、少し考えた。


そして


答えた。


「いえ、陛下」


「強硬手段は、まだ早い」


「まずは、合法的な手段で対処します」


「合法的な手段?」


国王が尋ねた。


タイシは、説明した。


「保守派貴族の妨害を、全て記録します」


「脅迫、圧力、嫌がらせ」


「全ての証拠を集めます」


「そして」


タイシは続けた。


「公開します」


「民衆の前で、全てを明らかにします」


「保守派貴族たちが、どれだけ悪いことをしているか」


「民衆に、知らせます」


「そうすれば」


タイシは微笑んだ。


「民衆が、保守派貴族を許さないでしょう」


「民衆の力で、保守派貴族を追い込みます」


国王は、頷いた。


「なるほど」


「それなら、合法的だ」


「民衆の意思だから、誰も文句は言えない」


宰相も賛同した。


「良い案です」


「では、証拠収集を開始しましょう」


タイシは、エドガーに指示した。


「エドガー、『自由の翼』のメンバーを動員してください」


「保守派貴族の動きを、全て監視します」


「脅迫の現場を、記録します」


「はい!」


エドガーが答えた。


タイシは、ダリウスに指示した。


「ダリウス、財務省内の改革派役人と協力してください」


「保守派役人の不正を、調査します」


「賄賂、横領、全てを暴きます」


「分かりました!」


ダリウスが答えた。


タイシは、マイケルに指示した。


「マイケルさん、商人ネットワークを使ってください」


「保守派貴族の商取引を、調査します」


「不正な取引、脱税、全てを記録します」


「了解です!」


マイケルが答えた。


タイシは、全員を見渡した。


「2週間後」


「全ての証拠を集めて」


「中央広場で、公開します」


「民衆に、真実を伝えます」


「そして」


タイシは宣言した。


「保守派貴族を、完全に終わらせます」


全員が、頷いた。


「はい!」


---


会議の後。


タイシは、一人で王宮の庭を歩いていた。


*保守派貴族*


*まだ、抵抗している*


*決戦で負けても、諦めない*


*しぶといな*


タイシは、考えた。


*前回の会議で、私は粛清を提案した*


*国王は、拒否した*


*正しい判断だった*


*だが*


タイシは、拳を握った。


*もし、今回も妨害が続くなら*


*次は、容赦しない*


*合法的に、保守派貴族を追い詰める*


*それでも抵抗するなら*


タイシの目が、冷たく光った。


*その時は、粛清だ*


---


その夜。


タイシは、偵察型ゴーレムを大量に派遣した。


50体。


全て、保守派貴族の屋敷に配置。


24時間、監視を続ける。


脅迫の現場。


賄賂の授受。


密談。


全てを、記録する。


タイシは、統括型ゴーレムに指示した。


「全ての記録を、映像として残せ」


「音声も、鮮明に」


「証拠として、完璧なものを作れ」


「イエス、マスター」


---


3日後。


行政官採用試験当日。


王都の試験会場。


応募者2500名が集まっていた。


(脅迫で500名が辞退)


タイシも、会場に来ていた。


国王と宰相も、視察に来ている。


試験が始まった。


筆記試験。


読み書き。


計算。


法律の知識。


行政の基礎。


応募者たちは、真剣に問題を解いていた。


平民が、ほとんど。


だが、一部の改革派貴族の子弟も参加していた。


タイシは、満足した。


*貴族も平民も、同じ試験を受ける*


*これが、真の平等だ*


試験は、3時間続いた。


終了後。


採点が始まった。


タイシ、国王、宰相、改革派貴族たちが、採点に立ち会った。


公平性を保つため。


採点は、翌日まで続いた。


---


翌日。


結果発表。


合格者、100名。


内訳は


平民:85名


改革派貴族:15名


保守派貴族:0名


(そもそも、保守派貴族は誰も応募していなかった)


タイシは、満足した。


「平民が、85名も合格した」


「これで、行政に新しい風が吹く」


国王も喜んだ。


「素晴らしい」


「能力のある人材が、集まった」


「彼らを、しっかり育てよう」


合格者たちは、喜びに震えていた。


「合格した!」


「私たち平民が、役人になれる!」


「タイシ様のおかげだ!」


だが


その時。


保守派貴族の一人が、会場に現れた。


フェルディナンド子爵。


60代の、頑固そうな貴族。


フェルディナンド子爵が、叫んだ。


「待て!」


「この試験は、無効だ!」


全員が、振り向いた。


「何だと?」


国王が、怒った。


「フェルディナンド、何を言っている!?」


フェルディナンド子爵が、資料を掲げた。


「この試験は、不正だ!」


「平民に、事前に問題を教えていたはずだ!」


「だから、平民が85名も合格した!」


「証拠はあるのか!?」


宰相が詰め寄った。


「証拠など、ない!」


フェルディナンド子爵が開き直った。


「だが、常識的に考えれば分かる!」


「平民が、貴族と同じ試験で勝てるはずがない!」


「これは、不正だ!」


会場が、ざわついた。


合格者の平民たちが、怒った。


「ふざけるな!」


「私たちは、真面目に勉強した!」


「不正など、していない!」


フェルディナンド子爵が、冷笑した。


「平民が、勉強?」


「笑わせるな」


「お前たちには、教育など必要ない」


「畑を耕していればいいのだ」


タイシは、静かに立ち上がった。


会場が、静まり返った。


タイシは、フェルディナンド子爵を見つめた。


「フェルディナンド子爵」


「あなたは、今、何と言いましたか?」


フェルディナンド子爵は、タイシを睨んだ。


「平民には、教育など必要ないと言ったのだ」


「それが、何か?」


タイシは、一歩前に出た。


「では、あなたは」


タイシの声が、冷たくなった。


「この王国の改革を、否定するのですか?」


「当然だ!」


フェルディナンド子爵が叫んだ。


「改革など、必要ない!」


「王国は、今のままでいい!」


「貴族が支配し、平民が従う!」


「それが、正しい秩序だ!」


タイシは、フェルディナンド子爵に近づいた。


そして


静かに、だが明確に、言った。


「あなたのような考えの貴族が」


「この王国を、腐らせてきたのです」


「もう、終わりです」


タイシは、国王を見た。


「陛下」


「フェルディナンド子爵を、公務執行妨害で逮捕してください」


国王は、頷いた。


「エドガー」


エドガーが、前に出た。


「フェルディナンド子爵を、逮捕せよ」


「はい!」


エドガーと騎士たちが、フェルディナンド子爵を取り囲んだ。


フェルディナンド子爵は、抵抗した。


「離せ!」


「私は、貴族だぞ!」


「平民ごときに、触れるな!」


だが


エドガーは、冷静に言った。


「子爵閣下」


「あなたは、公務を妨害しました」


「国王陛下の命令により、逮捕します」


フェルディナンド子爵は、連行された。


会場は、静まり返っていた。


そして


一人の平民が、拍手をした。


次に、別の平民が拍手した。


そして、全員が拍手した。


拍手は、会場全体に広がった。


「タイシ様!」


「ありがとうございます!」


タイシは、全員に向かって頭を下げた。


「合格者の皆さん」


「おめでとうございます」


「皆さんは、自分の力で勝ち取りました」


「誇りを持ってください」


「そして」


タイシは、顔を上げた。


「この王国を、一緒に変えていきましょう」


合格者たちは、涙を流しながら答えた。


「はい!」


---


その夜。


タイシは、偵察型ゴーレムから報告を受けた。


「マスター、保守派貴族たちが緊急会議を開いています」


映像が映し出された。


保守派貴族30名が、集まっている。


フェルディナンド子爵の屋敷。


(フェルディナンド自身は、牢獄にいる)


貴族たちが、怒っていた。


「タイシめ!」


「フェルディナンドを逮捕するとは!」


「許せない!」


別の貴族が言った。


「このままでは、我々全員が終わる」


「改革を、止めなければ」


「だが、どうやって?」


「決戦では、負けた」


「帝国も、撤退した」


「もう、手段がない」


沈黙。


そして


一人の貴族が、提案した。


「…暗殺だ」


全員が、その貴族を見た。


「タイシを、暗殺する」


「それしか、方法はない」


別の貴族が反対した。


「無理だ!」


「タイシは、レベル680以上だ!」


「『影の刃』30名でも、倒せなかった!」


「誰が、暗殺できる!?」


最初の貴族が言った。


「いや、方法はある」


「毒だ」


「戦闘ではなく、毒で殺す」


「食事に、毒を盛る」


「それなら、どんなに強くても死ぬ」


貴族たちが、考え込んだ。


「確かに…」


「毒なら、レベルは関係ない」


「だが、どうやって食事に毒を?」


「タイシの食事は、厳重に管理されているはずだ」


最初の貴族が、微笑んだ。


「私には、コネがある」


「王宮の料理人の一人が、私の遠縁だ」


「金を払えば、動いてくれる」


貴族たちが、頷いた。


「では、それで行こう」


「タイシを、毒殺する」


「1週間以内に、実行だ」


映像が、終わった。


タイシは、冷たく微笑んだ。


「暗殺か」


「毒殺か」


「やはり、保守派貴族は諦めないな」


タイシは、統括型ゴーレムに指示した。


「王宮の料理人を、全員調査しろ」


「保守派貴族と繋がりのある者を、特定しろ」


「そして、監視を強化しろ」


「イエス、マスター」


タイシは、窓の外を見た。


*毒殺か*


*愚かな*


*私には、ピュリフィケーションがある*


*どんな毒も、浄化できる*


*だが*


タイシは、考えた。


*わざと、毒を飲んでみるか*


*そして、その場で浄化する*


*保守派貴族たちの計画が失敗したことを*


*見せつける*


*それで、彼らの最後の希望を*


*完全に打ち砕く*


タイシは、決意した。


「面白い」


「保守派貴族の、最後の悪あがきを」


「全て、叩き潰してやる」


夜が、静かに更けていった。


---


**第三部 第十一章 了**


---


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