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王国簒奪物語  作者: 慈架太子


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第七章:影の刃殲滅


帝国大使館の地下。


タイシと『影の刃』残り20名の戦いが続いていた。


タイシは、瞬間連続移動を連発していた。


残り20名の『影の刃』が、必死に攻撃を仕掛けるが


全て空振り。


タイシは、常に彼らの背後、側面、上空に出現し


一撃で倒していく。


7人目。


テレキネシスで武器を奪い、その武器で貫く。


8人目。


ヒーリングを逆用して、細胞を暴走させる。


9人目。


クエイクで足元を崩し、地面に叩きつける。


10人目。


パイロキネシスで体内から発火させる。


わずか20秒で、さらに4人が倒れた。


残り16名。


『影の刃』たちは、完全に混乱していた。


「見えない!」


「どこから来るか分からない!」


「逃げられない!」


ヴァレリウスは、歯ぎしりした。


「くそっ…!」


「このままでは、全滅する!」


ヴァレリウスは、決断した。


「全員、私の周囲に集まれ!」


「防御陣形を組む!」


残り16名が、ヴァレリウスの周囲に密集した。


全方向を警戒する。


ヴァレリウスが、魔法を発動した。


「防御結界!」


強固な魔法障壁が、17名全員を包んだ。


「これで、お前のテレポーテーションも無意味だ!」


ヴァレリウスが叫んだ。


「この結界内には、お前は侵入できない!」


「そして、我々は結界の中から攻撃できる!」


確かに、強力な結界だった。


タイシは、結界を見つめた。


「なるほど」


「レベル720の魔力による結界か」


「確かに、強固だ」


タイシは、テレポーテーションを試みた。


結界の内側に出現しようとするが


弾かれた。


「見たか!」


ヴァレリウスが笑った。


「お前の機動力も、これで封じた!」


「さあ、攻撃しろ!」


『影の刃』16名が、結界の中から魔法攻撃を放った。


火炎弾。


氷槍。


雷撃。


闇の刃。


全ての属性魔法が、タイシに向かって飛んでくる。


だが


タイシは、冷静だった。


「結界か」


「確かに、テレポーテーションでは侵入できない」


「だが」


タイシは、微笑んだ。


「結界を壊せばいい」


タイシは、魔力を集中させた。


全属性魔法Lv12。


その全ての力を、一点に集中する。


「全属性融合魔法」


タイシの両手に、七色に輝く魔力の球体が出現した。


火、水、風、土、雷、光、闇。


全ての属性が、融合している。


ヴァレリウスの顔が、青ざめた。


「まさか…!」


「全属性融合魔法だと!?」


「そんなもの、伝説でしか聞いたことがない!」


タイシは、魔力の球体を放った。


「破壊せよ」


七色の光が、結界に激突した。


瞬間


結界が、ガラスのように砕け散った。


「な、何だと!?」


ヴァレリウスが驚愕した。


「私の結界が、一撃で!?」


タイシは、結界が消えた瞬間


瞬間連続移動を再開した。


結界内に侵入。


11人目を、テレキネシスで首を折る。


結界外に脱出。


また結界内に侵入。


12人目を、パイロキネシスで焼く。


また脱出。


また侵入。


13人目。


14人目。


15人目。


わずか5秒で、さらに5人が倒れた。


残り11名。


『影の刃』たちは、完全に戦意を失っていた。


「化け物だ…!」


「人間じゃない…!」


「逃げろ!」


数名が、逃げ出そうとした。


だが


タイシは、空間掌握の範囲を拡大した。


周囲200メートル。


この範囲内では、誰も逃げられない。


タイシが、テレポーテーションで逃亡者の前に出現した。


「逃がさない」


16人目。


17人目。


18人目。


逃げようとした3人が、一瞬で倒れた。


残り8名。


ヴァレリウスと、最後の7名だけが残った。


ヴァレリウスは、剣を抜いた。


「タイシ…!」


「お前は…本当に化け物だ!」


「レベル665のくせに!」


「なぜ、ここまで強い!?」


タイシは、静かに答えた。


「レベルだけが、強さではない」


「魔法のレベル」


「スキルの組み合わせ」


「戦術」


「そして」


タイシは、ヴァレリウスを見つめた。


「覚悟だ」


「私は、王国を守ると決めた」


「そのためなら、どんな敵でも倒す」


「それが、私の強さだ」


ヴァレリウスは、笑った。


「覚悟か…」


「いい言葉だ」


「だが」


ヴァレリウスの目が、鋭くなった。


「私も、負けられない」


「私は、帝国の『影の刃』幹部」


「ここで死ぬわけにはいかない!」


ヴァレリウスが、魔力を解放した。


レベル720の、圧倒的な魔力。


部屋全体が、震えた。


「タイシ!」


「本気で行くぞ!」


ヴァレリウスが、最強の魔法を発動した。


「暗黒領域展開!」


部屋全体が、闇に包まれた。


完全な暗闇。


光が、一切入らない。


視界がゼロ。


タイシは、何も見えなくなった。


ヴァレリウスの声が、闇の中から響いた。


「この闇の中では、お前の超能力も意味がない!」


「透視も、遠隔透視も、使えない!」


「そして」


闇の中から、無数の攻撃が飛んできた。


闇の刃。


ヴァレリウスと、残り7名からの攻撃。


全方向から、同時に。


タイシは、攻撃を受けた。


だが


タイシは、ダメージを受けなかった。


なぜなら


タイシは、空間掌握を発動していたからだ。


視界がなくても、空間掌握で全てを感知できる。


敵の位置。


攻撃の軌道。


全てが、手に取るように分かる。


タイシは、全ての攻撃を回避した。


そして


反撃に転じた。


「暗闇の中でも、私には見える」


タイシが、テレポーテーションで闇の中を移動した。


19人目の背後に出現。


テレキネシスで心臓を掴み、止める。


20人目の横に出現。


ヒーリングを逆用して、脳を破壊する。


21人目の上に出現。


クエイクで天井を崩し、押し潰す。


わずか3秒で、さらに3人が倒れた。


残り5名。


ヴァレリウスと、最後の4名。


ヴァレリウスは、驚愕していた。


「見えている…だと!?」


「暗闇の中で、どうやって!?」


タイシは、答えた。


「空間掌握だ」


「視覚に頼らず、空間そのものを感知している」


「お前の闇など、意味がない」


ヴァレリウスは、絶望した。


「くそっ…!」


だが、諦めなかった。


「ならば!」


ヴァレリウスが、最後の手段を使った。


「時間停止!」


瞬間


時間が、止まった。


タイシの動きが、止まる。


空間掌握も、止まる。


全てが、静止した。


ヴァレリウスだけが、動ける。


「これが、私の最強のスキル!」


「時間停止!」


「わずか5秒間だが」


「お前を殺すには十分だ!」


ヴァレリウスが、剣を構えた。


タイシの心臓に向けて、突き刺そうとした。


だが


その時。


タイシの目が、動いた。


「…!?」


ヴァレリウスが、驚愕した。


「動いた!?」


「時間停止の中で!?」


タイシは、微笑んだ。


「忘れたか?」


「私は、時間魔法Lv10を持っている」


「時間停止など」


タイシが、時間停止を解除した。


「効かない」


時間が、再び動き出した。


タイシは、ヴァレリウスの剣を、テレキネシスで止めた。


「お前の切り札は、見せてもらった」


「では」


タイシは、ヴァレリウスの目を見つめた。


「私の切り札を見せよう」


タイシが、新しいスキルを発動した。


「時間加速」


タイシの動きが、10倍速になった。


ヴァレリウスには、タイシの動きが見えない。


タイシは、瞬間連続移動と時間加速を組み合わせた。


残り4名を、一瞬で倒した。


22人目。


23人目。


24人目。


25人目。


0.5秒で、4人が倒れた。


残るは


ヴァレリウス、ただ一人。


タイシは、時間加速を解除した。


そして、ヴァレリウスの目の前に立った。


「終わりだ」


ヴァレリウスは、剣を構えたままだった。


だが、もう力が入らない。


「くそっ…!」


「レベル720の私が…!」


「レベル665のお前に…!」


「負けるのか…!」


タイシは、静かに答えた。


「ああ」


「お前は、負けた」


タイシが、手をかざした。


「最後に聞く」


「お前は、なぜ帝国のために戦う?」


ヴァレリウスは、笑った。


「愚問だな」


「私は、帝国で生まれ育った」


「帝国のために生き、帝国のために死ぬ」


「それが、私の人生だ」


「そうか」


タイシは頷いた。


「ならば、敬意を払おう」


「お前は、立派な戦士だった」


タイシは、全属性融合魔法を放った。


七色の光が、ヴァレリウスを包んだ。


ヴァレリウスは、最後に笑った。


「タイシ…」


「お前は、強い…」


「だが」


ヴァレリウスの声が、消えた。


光が、ヴァレリウスを飲み込んだ。


そして


ヴァレリウスは、消えた。


『影の刃』30名。


全滅。


---


暗闇が、晴れた。


部屋に、光が戻った。


タイシは、一人で立っていた。


周囲には、倒れた『影の刃』29名。


ヴァレリウスだけが、完全に消滅していた。


タイシは、深く息を吐いた。


「終わった…」


その時


タイシの体が、光に包まれた。


**【レベルアップ!】**


**レベル665 → 680**


**【大量経験値獲得!】**


**レベル500以上の敵30名を撃破!**


**【スキルレベルアップ!】**

- 全属性魔法:Lv12 → Lv15

- テレポーテーション:Lv11 → Lv13

- 空間掌握:Lv3 → Lv6

- 時間魔法:Lv10 → Lv12

- 瞬間連続移動:Lv1 → Lv4


**【新規スキル習得!】**

- 時間加速:Lv5

- 全属性融合魔法:Lv3


タイシは、驚いた。


「一気にレベルが15も上がった!」


「そして、全てのスキルがレベルアップ!」


「新しいスキルも2つ!」


タイシは、自分の力を感じた。


*今の私なら*


*レベル700の敵でも、倒せる*


タイシは、リモート・ビューイングを発動した。


国境の戦場を見る。


ゴーレム軍500体が、帝国軍5000名と互角に戦っていた。


だが、膠着状態だ。


*もう、終わらせよう*


タイシは、テレパシーで統括型ゴーレムに指示を出した。


*《統括型ゴーレム、飛行型ゴーレム3体を投入しろ》*


*《帝国軍の指揮官を、上空から狙え》*


統括型ゴーレムが応答した。


*《イエス、マスター》*


国境の上空。


飛行型ゴーレム3体が、急降下した。


帝国軍の本陣。


指揮官のテントに、爆撃。


ドカン!


指揮官が、倒れた。


帝国軍は、指揮系統を失った。


「指揮官が!」


「どうする!?」


「撤退だ!」


「撤退しろ!」


帝国軍5000名が、混乱して撤退し始めた。


ゴーレム軍が、追撃した。


帝国軍は、ボロボロになって国境を越えて逃げていった。


国境での戦いも、終わった。


---


タイシは、テレポーテーションで王宮に戻った。


謁見の間。


国王と宰相が、待っていた。


タイシが現れると、国王が立ち上がった。


「タイシ!」


「戦いは!?」


タイシは、跪いた。


「陛下」


「全ての戦いが、終わりました」


「『影の刃』30名、全滅」


「帝国軍5000名、撤退」


「保守派貴族の私兵1000名、降伏」


「我々の、完全勝利です」


国王は、深く息を吐いた。


「そうか…」


「勝ったのか…」


宰相も、涙を流した。


「王国が…救われた…」


国王は、タイシに近づいた。


「タイシ、立て」


タイシは、立ち上がった。


国王は、タイシを抱きしめた。


「ありがとう」


「お前が、王国を救ってくれた」


「本当に、ありがとう」


タイシは、微笑んだ。


「陛下のお役に立てて、光栄です」


---


その夜。


王都は、祝祭に沸いた。


中央広場に、民衆が集まった。


数万人。


全員が、喜びに叫んでいた。


「勝った!」


「タイシ様が、勝った!」


「王国は救われた!」


エドガーが、演壇に立った。


「皆さん!」


「今日、我々は歴史的勝利を収めました!」


「帝国の侵略を、退けました!」


「保守派貴族の陰謀を、打ち砕きました!」


「全ては」


エドガーが、タイシを指さした。


「タイシ様のおかげです!」


民衆が、タイシの名を叫んだ。


「タイシ様!」


「タイシ様!」


「タイシ様!」


タイシは、演壇に立った。


数万人が、タイシを見つめている。


タイシは、深く息を吸った。


そして


宣言した。


「皆さん!」


「今日、我々は勝ちました!」


「だが、これは終わりではありません!」


「これは、始まりです!」


「新しい王国の、始まりです!」


「貴族も平民も、平等な王国!」


「全ての人が、幸せに暮らせる王国!」


「それを、今から作ります!」


民衆が、歓声を上げた。


「おお!」


タイシは、拳を掲げた。


「共に、新しい時代を作りましょう!」


民衆も、拳を掲げた。


「おお!」


その夜、王都は眠らなかった。


祝祭は、夜明けまで続いた。


---


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