第三章:修練と成長
第三章:修練と成長
超能力魔法の開発から3日後。
タイシの村の訓練場。
タイシは、一人で魔法の修練をしていた。
テレポーテーションの魔力消費を減らすため、何度も繰り返し練習している。
10メートル先へ移動。
また戻る。
20メートル先へ移動。
また戻る。
50メートル先へ
タイシの体が光に包まれ、瞬間移動した。
「まだ…魔力消費が大きい」
タイシは額の汗を拭った。
*もっと効率的な魔力の使い方が必要だ*
*空間を歪めるのではなく*
*空間そのものを繋げる…*
タイシは新しいイメージを試みた。
*2つの地点を、一瞬だけ重ね合わせる*
*そこを通り抜ける*
魔力が、異なる形で流れた。
タイシの体が光に包まれる。
次の瞬間
100メートル先に移動していた。
「これだ!」
「魔力消費が半分以下になった!」
タイシは嬉しそうに笑った。
そして、ふと思い出した。
「そういえば…ステータスを確認していなかった」
「新しい魔法を開発したから、何か変化があるかもしれない」
タイシは「ステータスオープン」と念じた。
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**【ステータス】**
**名前:タイシ**
**年齢:15歳**
**種族:人間(転生者)**
**レベル:642** ←(前回630から+12)
**HP:19,260 / 19,260**
**MP:26,300 / 26,300**
**基本能力値**
- 筋力:458 (+8)
- 敏捷:532 (+12)
- 体力:488 (+8)
- 知力:875 (+25)
- 精神力:948 (+28)
- 魔力:1,005 (+25)
**所持スキル**
*魔法系*
- 全属性魔法:Lv10
- 回復魔法:Lv10
- 付与魔法:Lv10
- 空間魔法:Lv10 ←(Lv9から上昇!)
- 時間魔法:Lv8 ←(Lv7から上昇!)
- 創造魔法:Lv10
*超能力系*
- テレキネシス:Lv9 ←(Lv8から上昇!)
- テレパシー:Lv10 ←(Lv9から上昇!)
- クレアボヤンス:Lv9 ←(Lv8から上昇!)
- クレアオーディエンス:Lv9 ←(Lv8から上昇!)
- リモート・ビューイング:Lv8 ←(Lv7から上昇!)
- フォアサイト:Lv6 ←(Lv5から上昇!)
- プレコグニション:Lv7 ←(Lv6から上昇!)
- サイコメトリー:Lv8 ←(Lv7から上昇!)
- ポストコグニション:Lv8 ←(Lv7から上昇!)
- レビテーション:Lv9 ←(Lv8から上昇!)
- ソートグラフィー:Lv8 ←(Lv7から上昇!)
- ヒーリング:Lv10 ←(Lv9から上昇!)
- パイロキネシス:Lv8 ←(Lv7から上昇!)
- テレポーテーション:Lv7 ←(Lv5から+2上昇!)
- アポート:Lv7 ←(Lv6から上昇!)
- アスポート:Lv7 ←(Lv6から上昇!)
- ピュリフィケーション:Lv9 ←(Lv8から上昇!)
- ピュリファイ:Lv9 ←(Lv8から上昇!)
- クエイク:Lv7 ←(Lv6から上昇!)
*生産系*
- ゴーレム作成:Lv10
- 錬金術:Lv9
- 鍛冶:Lv8
- 魔道具作成:Lv9
- 建築:Lv8
*戦闘系*
- 剣術:Lv7
- 体術:Lv8
- 戦術指揮:Lv9
- 危険察知:Lv10
*その他*
- 鑑定:Lv10
- 言語理解:Lv10
- カリスマ:Lv9
- 交渉術:Lv8
- 経営:Lv7
**【新規スキル習得!】**
- **空間連結術:Lv3** ←(NEW!)
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「おお!」
タイシは驚いた。
「レベルが12も上がっている!」
「それに、超能力魔法が軒並みレベルアップしている!」
「特に、テレポーテーションがLv5からLv7に!」
「そして」
タイシは新しいスキルに目を向けた。
「空間連結術…これが、さっき開発した技術か」
「2つの空間を繋げる魔法」
「これで、長距離のテレポーテーションも可能になる」
タイシは満足した。
*3日間の修練で、これだけ成長した*
*魔法の開発は、経験値を大量に得られるようだ*
*このペースで成長すれば*
*レベル700も、そう遠くない*
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その時。
統括型ゴーレムが報告に来た。
「マスター、王都からマイケル殿が到着しました」
「緊急の報告があるとのことです」
「分かった」
タイシは訓練場を後にした。
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村の応接室。
マイケルが、緊張した面持ちで待っていた。
「マイケルさん、どうしました?」
タイシが尋ねた。
マイケルは深刻な表情で答えた。
「タイシ様…」
「保守派貴族が、動き始めました」
「もう?」
タイシは驚いた。
「予知では、2週間後のはずでしたが…」
「ええ」
マイケルが説明した。
「昨日、マルクス伯爵の屋敷に」
「帝国の使者が訪れました」
「ダリウスの情報網が察知しました」
「使者は、深夜に密かに入り、朝には出て行きました」
「内容は不明ですが」
マイケルは続けた。
「間違いなく、何か密約を結んだはずです」
タイシは考え込んだ。
「予知が外れた…」
「いや、違う」
「予知は『2週間後に動く』と見えた」
「だが、実際には準備はもっと早く始まっていた」
「未来視は、まだ完全ではない」
「もっと精度を上げる必要がある」
タイシはマイケルに尋ねた。
「帝国の使者について、何か分かりましたか?」
「はい」
マイケルが報告した。
「使者は、帝国の外交官を装っていました」
「だが、実際には帝国の秘密警察『影の刃』の幹部です」
「名前は、ヴァレリウス」
「帝国皇帝の側近です」
タイシの表情が厳しくなった。
「帝国の秘密警察…」
「それが直接動いてきたということは」
「帝国は、本気で我が国の改革を潰しにかかっている」
「そうです」
マイケルが頷いた。
「そして」
マイケルはさらに重大な情報を伝えた。
「エドガーからも報告がありました」
「王国騎士団の一部の貴族騎士が」
「密かに武器を集めているそうです」
「クーデターの準備かもしれません」
タイシは立ち上がった。
「状況が、急速に悪化している」
「すぐに対策を立てなければ」
タイシは統括型ゴーレムに指示した。
「偵察型ゴーレムを全て王都に派遣しろ」
「マルクス伯爵の屋敷」
「帝国大使館」
「貴族騎士たちの動き」
「全てを監視する」
「イエス、マスター」
タイシはマイケルに言った。
「マイケルさん、すぐに王都に戻ってください」
「エドガーとダリウスに伝えてください」
「『自由の翼』の全メンバーを、警戒態勢に」
「そして」
タイシは決断した。
「明日、私も王都へ向かいます」
「直接、状況を確認します」
「分かりました」
マイケルが頷いた。
「それと、タイシ様」
「何でしょう?」
「今回の訓練で、タイシ様はさらに強くなられたのでは?」
マイケルが尋ねた。
タイシは微笑んだ。
「ええ」
「レベルが642になりました」
「超能力魔法も、ほとんどがレベルアップしました」
「特に、テレポーテーションは大幅に改善しました」
「それは心強い!」
マイケルは安堵した。
「これなら、どんな敵が来ても」
「いえ」
タイシは真剣な表情で遮った。
「油断はできません」
「帝国の秘密警察は、精鋭揃いです」
「おそらく、レベル500以上の強者ばかり」
「ヴァレリウスに至っては、レベル700を超えているかもしれません」
「そんなに!?」
マイケルが驚いた。
「ええ」
タイシは頷いた。
「だからこそ、準備が必要です」
「今のうちに、できるだけ戦力を整えます」
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その夜。
タイシは、再び訓練場に戻った。
*レベル642では、まだ足りない*
*帝国の強者に対抗するには*
*レベル700…いや、800は必要だ*
タイシは、超能力魔法を次々と発動した。
テレポーテーション。
リモート・ビューイング。
テレキネシス。
クエイク。
全ての魔法を、限界まで使い続ける。
1時間。
2時間。
3時間。
深夜になっても、タイシは修練を続けた。
MPが尽きそうになると、回復薬を飲む。
そして、また修練。
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夜明け。
タイシは、訓練場で倒れそうになっていた。
「もう…限界か…」
だが、その時
タイシの体が、光に包まれた。
**【レベルアップ!】**
**レベル642 → 650**
**【スキルレベルアップ!】**
- テレポーテーション:Lv7 → Lv8
- 空間連結術:Lv3 → Lv5
- リモート・ビューイング:Lv8 → Lv9
タイシは立ち上がった。
「レベル650…」
「まだ足りない」
「だが」
タイシは拳を握った。
「必ず、間に合わせる」
「王国を守るため」
「新しい時代を作るため」
「私は、もっと強くなる」
太陽が昇り始めた。
新しい一日が始まる。
タイシの戦いは、まだ始まったばかりだった。
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