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王国簒奪物語  作者: 慈架太子


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第三十章:新たな始まり


数週間後。


タイシの村。


タイシは、村の中央の建物の屋上に立っていた。


眼下には、活気に満ちた村。


ゴーレムたちが働き、生産が続いている。


統括型ゴーレムが報告に来た。


「マスター、王都からの報告です」


「『自由の翼』のメンバーは、300名を超えました」


「騎士団からは80名」


「商人からは150名」


「元役人や冒険者など、その他が70名です」


「そうか」


タイシは満足そうに頷いた。


「順調だな」


「はい。マイケル様の報告によれば」


「民衆の支持も高まっています」


「『自由の翼』は、希望の象徴として見られています」


タイシは遠くの王都を見つめた。


「まだ、道は長い」


タイシは呟いた。


「保守派貴族たちは、必ず反撃してくる」


「それに、王国の体制そのものを変えるには」


「もっと力が必要だ」


「ですが」


タイシの目に、決意が宿った。


「俺たちは、諦めない」


「必ず、王国を変える」


「民のための国を作る」


「それが」


タイシは拳を握った。


「俺の、王国簒奪だ」


風が吹き、タイシのマントが揺れた。


15歳の少年。


だが、その背中には、王国の未来を背負う覚悟があった。


*これから、本当の戦いが始まる*


*保守派貴族との戦い*


*王国の体制との戦い*


*そして*


*新しい国を作るための戦い*


タイシは、未来を見つめた。


まだ見ぬ、理想の国。


民が自由に生き、誰もが平等に扱われる国。


その国を作るために。


タイシは、これからも戦い続ける。


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