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王国簒奪物語  作者: 慈架太子


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第二十六章:民衆の力


3日後。


王宮前の広場。


朝から、大勢の民衆が集まり始めていた。


『自由の翼』のメンバーたちが、王都中に呼びかけた結果だ。


「腐敗した貴族を許すな!」


「民のための王国を!」


「『自由の翼』を支持しよう!」


看板を持った人々。


旗を振る人々。


子供を連れた家族。


老人たち。


あらゆる階層の民衆が集まっていた。


午前10時。


集まった民衆は、すでに5万人を超えていた。


そして


正午。


タイシが、広場の演壇に立った。


民衆が、一斉にタイシを見つめた。


15歳の少年。


だが、その目には、強い決意が宿っていた。


「王都の皆さん!」


タイシが大声で叫んだ。


「私は、タイシといいます!」


「『自由の翼』のリーダーです!」


民衆が歓声を上げた。


「タイシ様!」


「『自由の翼』!」


タイシは続けた。


「今日、皆さんに伝えたいことがあります」


「保守派貴族たちが、また陰謀を企てています」


「彼らは、『自由の翼』を非合法組織だと偽り」


「軍を使って、我々を潰そうとしています」


民衆がざわついた。


「なんだと!?」


「また、嘘か!」


「ですが」


タイシは力強く言った。


「我々は、屈しません!」


「『自由の翼』は、民のために戦っています!」


「腐敗した貴族を倒し」


「平等な王国を作るために!」


民衆が、拳を上げた。


「その通りだ!」


「タイシ様を支持する!」


「我々も戦う!」


タイシは、王宮を見上げた。


「国王陛下!」


タイシが叫んだ。


「どうか、民の声を聞いてください!」


「我々は、反乱を企てているのではありません!」


「ただ、正義を求めているだけです!」


「腐敗した貴族から、民を守りたいだけです!」


民衆も、一斉に叫んだ。


「陛下!」


「民の声を聞いてください!」


「我々を守ってください!」


10万人を超える民衆の声が、王宮に響いた。


---


王宮の中。


国王の執務室。


国王アルバート三世は、窓から広場の様子を見ていた。


10万人の民衆。


タイシの演説。


民の叫び。


宰相が、国王の隣に立った。


「陛下、いかがなさいますか?」


国王は、長い沈黙の後、口を開いた。


「彼らに会おう」


「タイシという少年に、直接会って話を聞く」


宰相は驚いた。


「陛下、ご自身で!?」


「そうだ」


国王は頷いた。


「保守派貴族たちの報告は、もう信用できない」


「彼らは、何度も嘘をついてきた」


「今度は、直接民の声を聞く」


「それが、王の務めだ」


宰相は深々と頭を下げた。


「賢明なご判断です、陛下」


国王は、側近に命じた。


「タイシを、謁見の間に招け」


「すぐにだ」


---


30分後。


王宮の謁見の間。


タイシは、マイケル、エドガー、ダリウスたちと共に、国王の前に立っていた。


豪華な玉座。


厳粛な雰囲気。


だが、タイシは臆することなく、国王を見つめた。


「国王陛下」


タイシが頭を下げた。


「お招きいただき、ありがとうございます」


国王は、タイシを見つめた。


*まだ少年だ…*


*だが、その目には、並外れた意志が宿っている*


「タイシ殿」


国王が口を開いた。


「『自由の翼』について、話を聞きたい」


「保守派貴族たちは、そなたたちが反乱を企てていると言っている」


「だが、私は直接聞きたい」


「そなたの目的は何だ?」


タイシは、真っ直ぐに国王を見つめて答えた。


「陛下、私の目的は」


「この王国を、民のための国にすることです」


「貴族だけが富と権力を独占する国ではなく」


「全ての民が、平等に扱われる国を作ることです」


国王は、じっと聞いていた。


「そして」


タイシは続けた。


「腐敗した貴族を、権力の座から引きずり下ろすことです」


「デュランド公爵のような者が、二度と現れないように」


国王は、深くうなずいた。


「そなたの言葉、心に響いた」


「だが」


国王は尋ねた。


「そなたは、王国を転覆させるつもりなのか?」


「いいえ」


タイシは即答した。


「私は、王制を否定しているわけではありません」


「ただ、王国の体制を改革したいのです」


「貴族の特権を見直し」


「平民の権利を保護し」


「法の下に、全ての民が平等になる国を作りたいのです」


国王は、少し考えてから言った。


「分かった」


「そなたの目的は、理解した」


「では、協力しよう」


タイシは驚いた。


「陛下…?」


「私も、王国の改革を望んでいる」


国王が宣言した。


「保守派貴族の腐敗は、もう見過ごせない」


「民の声を、無視することはできない」


「そなたたち『自由の翼』を、正式な組織として認める」


「そして、改革委員会に参加してもらう」


タイシは、深々と頭を下げた。


「ありがとうございます、陛下」


「民のため、王国のため、全力を尽くします」


国王は微笑んだ。


「期待しているぞ、タイシ殿」


こうして


『自由の翼』は、国王の承認を得た。


正式な改革組織として、王国の歴史に刻まれることになった。


---


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