第二十章:タイシの決断
同じ夜。
タイシの村。
タイシは、偵察型ゴーレムからの報告を受けていた。
「デュランド公爵が、明日の深夜、スミス商会を襲撃する」
「私兵を使って、証拠の映像を奪い取るつもりです」
統括型ゴーレムが報告した。
「そうか…」
タイシは冷静に頷いた。
「予想通りだ」
「マスター、どうされますか?」
「今こそ、動くべき時だ」
タイシは立ち上がった。
「戦闘型ゴーレムを100体、王都へ送れ」
「人型戦闘ゴーレムも、追加で20体」
「全軍で、スミス商会を守る」
「イエス、マスター」
統括型ゴーレムが工房へ向かった。
タイシは、窓の外を見た。
「ついに、王国と直接対決するときが来た」
タイシは呟いた。
「デュランド公爵…保守派貴族たち…」
「お前たちが、先に仕掛けてきた」
「ならば、容赦はしない」
タイシの目に、冷たい決意が宿った。
「マイケルさんを守る」
「そして」
タイシは拳を握った。
「王国の腐敗を、民衆の前に晒す」
「これが、俺の王国簒奪の第一歩だ」
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翌日の昼。
スミス商会の事務所。
マイケルは、タイシからの通信を受けていた。
『マイケルさん、今夜、デュランド公爵の私兵が襲撃してきます』
「分かっています」
マイケルは冷静に答えた。
「準備はできています」
『私も、王都へ向かいます』
タイシの言葉に、マイケルは驚いた。
「タイシ様が!?」
『はい。今回は、直接戦います』
タイシは続けた。
『デュランド公爵たちを、完全に叩き潰します』
『そして、民衆に真実を伝えます』
『王国の腐敗を』
マイケルは、タイシの決意を感じ取った。
「承知しました」
「私たちも、全力で戦います」
『お願いします』
『今夜、午前2時』
『それが、襲撃の時刻です』
『それまでに、私が到着します』
通信が切れた。
マイケルは、全員を集めた。
マーガレット、レイチェル、ブライアンたち『獅子の牙』、ダリウスたち3人、見習いたち、そしてアルファたち人型戦闘ゴーレム。
「みんな、聞いてくれ」
マイケルが言った。
「今夜、デュランド公爵の私兵が、この店を襲撃してくる」
全員が緊張した。
「だが、恐れることはない」
マイケルは続けた。
「タイシ様が、援軍を送ってくれる」
「それに、タイシ様ご自身も来てくれる」
「タイシ様が!?」
ブライアンが驚いた。
「ああ」
マイケルは頷いた。
「今夜が、決戦だ」
「俺たちは、この店を守り抜く」
「そして」
マイケルの目が光った。
「デュランド公爵たちの不正を、民衆の前に暴露する」
「王国を変える、第一歩だ」
全員が、拳を握った。
「分かりました!」
「全力で戦います!」
準備が始まった。
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**第二部 第二十章 了**
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