表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王国簒奪物語  作者: 慈架太子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/98

第十八章:暴露


翌朝。


夜明け前。


スミス商会の周辺に、王国騎士団の姿が集結していた。


黒と銀の鎧を着た騎士たち、50人以上。


完全武装で、店を包囲している。


エドガーが前に立った。


「全員、配置につけ!」


「はい!」


騎士たちが一斉に動く。


店の前、裏口、屋根の上あらゆる場所を封鎖する。


ヴィクター・グレイソンも、現場に来ていた。


「エドガー分隊長」


ヴィクターが冷たく微笑んだ。


「準備はいいか?」


「はい」


エドガーは無表情で答えた。


「いつでも」


「では」


ヴィクターが合図した。


「突入しろ!」


---


スミス商会の中。


マイケルたちは、全員集まっていた。


アルファをはじめとする人型戦闘ゴーレム5体。


ブライアンたち『獅子の牙』4人。


ダリウス、レオン、マルコの3人。


マーガレット、レイチェル。


見習いのクリス、ヒューズ、アマンダ。


「来るぞ」


ブライアンが剣を抜いた。


その時


店の扉が、蹴破られた!


騎士たちが一斉に突入してくる!


「王国騎士団だ!」


「スミス商会を制圧する!」


「全員、武器を捨てろ!」


だが


アルファたちが前に立った。


「侵入者を確認」


アルファが言った。


「防衛プロトコル、起動」


5体の人型ゴーレムが、一斉に動いた。


驚異的な速度で、騎士たちに突進する!


「なっ!?」


騎士たちが驚いた。


アルファが、一人の騎士の剣を掴み、ひねり上げた。


ベキッ!


剣が折れる。


ベータが、別の騎士を投げ飛ばした。


騎士は、店の外まで吹っ飛ぶ。


ガンマ、デルタ、イプシロンも、次々と騎士たちを無力化していく。


「強い!」


「こいつら、何者だ!?」


騎士たちが混乱している。


エドガーが前に出た。


「下がれ!」


エドガーは剣を抜き、アルファに斬りかかった。


キィン!


アルファが素手で、剣を受け止めた。


「A級騎士…」


アルファが言った。


「だが、私の敵ではない」


アルファは、エドガーの剣を弾き飛ばした。


そして


エドガーの首元に、手を当てた。


「動くな」


アルファが冷たく言った。


エドガーは動けなくなった。


*こいつ…人間じゃない*


*ゴーレムか!?*


*こんな精巧なゴーレムが存在するのか!?*


その時


店の外から、ヴィクターの声が響いた。


「何をしている! 早く制圧しろ!」


「こいつらは、王国に歯向かう反逆者だ!」


「殺してもいい! 全員殺せ!」


騎士たちが、ざわついた。


「殺せって…」


「そこまでしていいのか?」


だが


ヴィクターは叫び続けた。


「命令だ! 全員殺せ!」


その瞬間


店の周辺に、大勢の民衆が集まってきた。


騒ぎを聞きつけて、見物に来たのだ。


「何が起こってるんだ?」


「騎士団が、商人を襲撃してる!」


「スミス商会だ! あの有名な商会が!」


民衆たちが、状況を見守っている。


エドガーは、これがチャンスだと悟った。


*今だ*


*民衆の前で、真実を暴く*


エドガーは、アルファに小声で言った。


「離してくれ」


「味方だ」


アルファは、エドガーの目を見た。


そして


手を離した。


「信じます」


エドガーは立ち上がり、民衆の方を向いた。


そして


大声で叫んだ。


「皆さん! 聞いてください!」


「この襲撃は、不正です!」


民衆がざわめいた。


「え? 騎士が何を言ってる?」


「不正って…」


「スミス商会は、何も悪いことをしていません!」


エドガーが続けた。


「ヴィクター・グレイソンとデュランド公爵が、でっち上げの理由で襲撃したのです!」


「黙れ、エドガー!」


ヴィクターが叫んだ。


「貴様、何を言っている!」


「証拠があります!」


エドガーは、懐から書類を取り出した。


「これは、ヴィクター・グレイソンの秘密の銀行口座の記録です!」


「デュランド公爵から、金貨50万枚以上の賄賂を受け取っていた証拠です!」


民衆が、どよめいた。


「50万枚!?」


「賄賂だと!?」


「ヴィクター・グレイソンは、腐敗した役人です!」


エドガーが宣言した。


「彼は、スミス商会の持つ技術を奪うために、不正な襲撃を仕掛けたのです!」


「うそだ! うそだ!」


ヴィクターが叫んだ。


「そんな証拠は、偽造だ!」


「偽造ではありません!」


エドガーが反論した。


「私は、王国騎士として誓います!」


「この証拠は本物です!」


民衆の間に、怒りが広がり始めた。


「王国の役人が、賄賂を受け取っていたのか!」


「許せない!」


「これが、王国の実態だ!」


ヴィクターは、顔色を失った。


*しまった…*


*エドガーが裏切った*


*証拠まで公表された*


*俺は…終わりだ*


その時


遠くから、轟音が響いた。


地面が揺れる。


「な、何だ!?」


民衆が驚いた。


そして


王都の門から、巨大な行列が現れた。


先頭に立つのは


タイシだった。


---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ