第十四章:防具工房
次に、タイシは一同を防具工房へと案内した。
「シェーン、エリック、グリーン、ロバート」
タイシが呼ぶと、4体の職人型ヒューマノイドゴーレムが現れた。
「ファングリザードとアースドラゴンの解体をしてくれ」
「マスター、承りました」
シェーンが答え、4体のゴーレムは解体場へと向かった。
防具工房には、様々な防具が展示されていた。鎧、兜、小手、脛当て、ブーツその全てが、見たことのないような素材と品質だった。
鑑定持ちのヘレンとエイミーは、ブライアンとガイに防具毎に防御力の数値を説明する。
ヘレンが最初の胸鎧に手をかざした。
「鑑定」
光が胸鎧を包み、情報が浮かび上がる。
「アースドラゴンスケールメイル。防御力+420、魔法防御+250、耐久度600/600。特殊効果『竜王の加護:物理ダメージ35%軽減、状態異常耐性+60%』!?」
ヘレンの声が震えた。
「これは…国宝級どころじゃない…伝説級です!」
エイミーが小手を鑑定した。
「ドラゴンクロウガントレット。防御力+180、攻撃力+95、器用さ+30。特殊効果『竜爪撃:攻撃時に追加貫通ダメージ、クリティカル率+20%』。こんな高性能な小手、見たことありません!」
「これは国宝級の防具ばかりだぜ」
ブライアンが感嘆した。
「まったくでさぁ。鎧も気になるけど、小手やら脛あても特級品ばかりですぜ」
ガイも驚愕していた。
ヘレンが脛当てを鑑定する。
「ファングリザードグリーブ。防御力+210、敏捷性+40、移動速度+20%。特殊効果『疾風の如く:回避率+25%、足音消去』」
「回避率25%アップに足音消去!? これ、斥候の神装備じゃないですか!」
ガイが興奮した。
エイミーが兜を鑑定した。
「シルバードラゴンヘルム。防御力+200、精神力+50、魔法防御+180。特殊効果『竜の叡智:MP回復速度+50%、精神攻撃完全無効、魔法詠唱時間-30%』」
「MP回復速度50%アップ!? 詠唱時間短縮!? 魔導士の理想装備です!」
ヘレンが目を輝かせた。
レイチェルは必死にメモを取り続けていた。
「アースドラゴンスケールメイル×28着、ドラゴンクロウガントレット×52組、ファングリザードグリーブ×45組、シルバードラゴンヘルム×38個、ダークウルフブーツ×63足」
「タイシ様…これらは全て在庫なのですか?」
マイケルが震える声で尋ねた。
「はい。展示品は見本です。実際の在庫は倉庫に」
タイシが別の扉を開けると、巨大な倉庫の中に、防具が整然と並べられていた。数千着はあるだろう。
マイケルは呆然と呟いた。
「これは…1万人規模の軍隊を装備できる…しかも全て伝説級で…」
そこへ、シェーンが戻ってきた。
「マスター、ファングリザード20体とアースドラゴン2体の解体が完了しました」
「もう!?」
ブライアンが叫んだ。
「アースドラゴン1体の解体に丸一日かかるのに!?」
「約45分で完了しました。4体で分担作業を行いました」
シェーンが答えた。
一同は再び絶句した。
「それでは、次は武器工房へ」
タイシが促すと、一同は驚愕の表情のまま、ついていった。




