第十章:村の真実
「この度は危ない所を助けていただきましてありがとうございました」
マイケルが言った。
「ここは大変に堅牢で活気のある素晴らしいところですね。何という村なのですか?」
「タイシです。村ではありません」
「それでは…?」
「ここには私が一人で住んでいます」
「えっ? この方々は?」
「ここにいるのは私以外、全部ゴーレムです」
全員が驚く。
「えーっ!!」
「このメイドさん方もゴーレムなのですか?」
マーガレットが尋ねた。
「ゴーレムをテイムしたということですか?」
ブライアンが尋ねた。
「テイムゴーレムではありません」
タイシは説明した。
「ここには私が土魔法で作った様々な種類のゴーレムがいます」
「このメイドたちはヒューマノイドゴーレムと言って、人に近い種類です」
「櫓にいたゴーレムは斥候ゴーレム、門にいたゴーレムは歩哨型です」
「ドラゴンを解体するゴーレムは職人型のヒューマノイドゴーレムです」
「その他にも機械型や農業型、運輸型などがいます」
「ちょっと待ってください」
ブライアンが割って入った。
「ゴーレムは自律思考ができないのでは?」
「そんなことはありません」
タイシは首を振った。
「私の作るゴーレムは全部自律思考します」
「これは偉業ですよ!」
ブライアンが興奮した。
「王国の歴史や人類の歴史がひっくり返ります」
「それは何故です?」
「大至急、王都へ報告しないと」
「なんで?」
「何でって、大金持ちになれますよ! それどころか貴族にだって…」




