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「ポーン 目的地に到着しました。」
ここが…オベリスクか。
エントランスの前のロボットによって玄関は厳重に警備されている。侵入を試そうものならおそらくそのマシンガンで蜂の巣だろう。
「エレベーターの操作許可を出します。少々お待ちください。」
ピンポーン 1階です。
エレベーターが開く。
エレベーターからこの街の景色を見ていると何処か新鮮で、何処か懐かしい不思議な感覚になる。
「執務室は46階です。到着まで残り40秒です。」
エレベーターにある階数を表示する液晶には同時に高度も記載されている。今は高度300メートルちょいだ。
「ピンポーン 46階です。」
再びエレベーターのドアが開く。
「廊下左奥のドアの先が執務室です。」
「わかった。ラプター、ナビゲートありがとう。」
執務室の鍵が開く。
カチャ…
扉の先にあったのは簡素で少し寂しいオフィスだった。あるのはデスクトップPCが乗ったデスク、右の壁に大きな壁掛けテレビ、左の壁にはエアフォートの地図が描かれた液晶パネルとホワイトボードがある。奥の壁はほぼ一面ガラスだ。
「デスクの上をご確認ください。そちらのタブレット端末があなたの秘書を搭載したタブレット『パピルス』です。」
デスクの上のタブレットを見る。堅牢かつ重厚なフォルムの比較的大型なPC型タブレット。右側に電源ボタンが付いている。
電源を入れると「ピーッ」というチープな機械音が聞こえ、つぎにパスワードの入力画面が表示される。ふと頭に思い浮かんだワードを打つ。
「WORDPEACE IS NEVER FALL」
「ポポポッ パスワード認識成功。ユーザー確認。」
そのような音声が聞こえたかと思うと荒廃した空港のターミナルの廃墟の様な背景が表示される。背景の空は青く深い。画面左側あたりの椅子に座った青いワンピースの少女が目の前の机に伏せて寝ている。すると俺は、無意識のうちにその少女を突いていた。
「んん…くすぐった…ムニャ…」
もう一度突く。
すると少女は目を覚ます。
「ふわぁあ…よう寝た… あ、おはんが先生じゃしか?おぉー!我々はずっとあたを待っちょったじゃ!」
俺はその少女の話し方に驚いた。所謂「薩摩方言」だ。
「自己紹介が遅れもした。あたいは「SOFIA」じゃ。きゅからあたん秘書としてきばっ!よろしゅうたのみあげもす!」
見た目とのギャップについていけない。こんなに見た目は可愛らしいのに話し方はゴリッゴリの方言だ。SOFIAということは…アメリカとドイツが共同開発しボーイング747SPに積んだ望遠鏡だろうか?
「さっそくじゃっどんここでんお仕事にちてん説明じゃ!ここはピンチになっちょっ学園や学園内ん部活に救援を行う場所、つまりエアフォートん心臓じゃ!ここで先生はお仕事を行いながら連邦生徒議会んサポートも同時に行う!連絡や依頼などは基本PCに行っがそこからパピルス経由であたいがお仕事内容をお伝えすっ!」
かなりの大役を引き受けた。少なくともそれだけは心得た。
「さて、きゅはお仕事初日じゃっどん先生は自由に過ごしちょったもんせ!こんオフィスも好っなごつ模様替えしてんOKじゃ!」
それなら一旦今日は家具屋に行こう。あと本屋とホームセンター、近くのアニメグッズ店も回っとこう。
このことをSOFIAに伝える。
「分かりもした!では最初に今指定されたお店ん中でいっばん遠くにあっアニメグッズ店へん案内を開始すっ!」
そう言われ一旦オベリスクを出る。ここが「都市平和」という長いすごろくの振り出しだ。




