1-2
「りょーかーい」
「了解した!」
「ダー。対戦車は任せてくださいね。」
こうして始まった俺の「エアフォート」での生活、それは銃撃戦で始まった。
まずCR.42が工事現場の足場を駆使しトリッキーに前進する。さすがに忠実の機体も旋回性能が高いだけあり機敏だ。次にFw190が愛銃を天に向けて乱射する。これで相手の気を引く作戦だ。
そしてIl-2、俺の背後で丁寧にリロードを行なっている。どうやら今日に限って点検の直後で本当に撃てるか微妙らしい。だがこれでいい。切り札はやはり最後でなくては。
「恐れず進めー!」
敵軍の士気も高い。だがFw190の苛烈な戦闘スタイルとCR.42のトリッキーさには敵わないらしく一方的に叩かれている。
「みんな伏せ…うわぁあっ!?」
「副隊長ーッ!ぐはっ!」
「オラオラァ!ンなもんか!それでよくオベリスク周辺叩こうと思えたなぁ!アアン!?」
「エッフェちゃんは怒りすぎだよー⭐︎ビィちゃんやゼーロちゃんを見習おー♪」
「うるさい!」
このような余裕がある。やはり忠実の名機、戦闘力は伊達ではないらしい。
ドオオオオオオンッ!
ここで早速IS-2、大将のお出ましだ。主砲をぶっ放すもそれも虚しくFw190たちに回避される。
結論から言う。Fw190のSMGやCR.42のリボルバーでは歯が立たない。いくらなんでも使用弾に対し相手の装甲が分厚すぎる。そこのゲームチェンジャーがIl-2。唯一「フラグメンテーション弾」という弾薬を装備してきている上これでグリルや通気口を破壊してやれば終わる。Il-2の分析曰く「この車体は経年車両でエンジン周りが穴だらけのために脆弱」とのことだ。しかしこっちは生身。主砲だけでなく対空砲も致命傷になりかねないらしく耐えれる人材もほんのひとつまみとか。まぁ俺の場合どっちにしろ即死だろうが。
「Fw190!CR.42!隠れろ!」
ここで一旦IS-2を通す。そこから後方側面を見せてしまったIS-2のエンジンルームにIl-2が弾薬を連続で大量に打ち込み内部から崩壊させると言う算段だ。
ガラララララララ…
「装填完了!」
「今だ!」
「さぁ、お仕置きの時間でござるよー。フヒヒッ!」
シュゥゥゥン…
「ありゃ?どうしたんだよ…」
これはまずいかもしれない。弾丸が出てこない。これは終わったかもしれない…
と思っていた。
「なーんちゃって!」
ギャララララララララララララララララララララララララッ!
その心配はこの煽るような声と銃声にかき消された。
すざましい勢いで小口径の機関砲から乱射された銃弾はIS-2のエンジングリル、それと砲塔と車体の繋ぎ目にバランス良く、かつ容赦なく撃ち込まれる。
メラメラメラメラ…
エンジンから出火する。
ドガァァァン!
エンジンの点検ハッチが吹き飛び、砲塔が傾く。
ズガッシャァァン!ゴオオオオオオッ
砲塔が地面に落下し残された車体は火を吹いた。
「敵性反応を示すオブジェクト、全無力化完了。お疲れ様でした。」
ラプターから無線で告げられる。こうして俺の初仕事は見事成功を収めた。
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「いやぁ先生、色々と世話になった。フリューゲルに土産話として持ち帰るよ。という訳で俺は一旦フリューゲルへ戻る。」
「気にしないでくれ。何かあったら連絡を入れてくれ。」
「悪りィな。サンキュ!ほんじゃ!フィール・グリュック!」
そう言うとFw190は通りの奥に去っていった。
「じゃあ私もルネッサンスに帰るねー。ドゥエチェントゥーちゃんのお叱りは避けられないだろーなー。こんどはマカロンでも食べて一緒にお話ししましょー」
「もちろんだ。じゃあ道中気をつけてくれ。」
「はいはーい。またあおーねー。どーせすぐに会えるだろーけどー」
そういうとタクシーを拾い乗り込み走り去る。
「今回の戦略はロジックに基づいた合理的な判断でした。ですが一部ロジックを無視した指示などもありましたがとても素晴らしい指示でした。本日はおせわになりました。」
「いや、いいんだよ。困ったときはいつでも言ってくれ。」
「はい、ありがとうございました。では拙者もネヴェシュニーフロートに戻ります。幸運を。シシシッ!」
そう言うと地下鉄の駅に入って行き姿が見えなくなった。
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「では、次の目的地と任務内容です。次の目的地は『オベリスクタワー』、任務内容は『あなたの使用デバイスの受け取り』です。」
「ラプター…じゃないんだよな?」
「私はあくまで市長代理です。あなたの秘書とは全くの別物です。ルート案内を開始します。」
地図の目的地のあたりには、近代的なツインタワーが見えた。タワーの間はスカイブリッジで繋がっておりそこにエレベーターと思わしき構造物が突き刺さってガラスの三角形が構造されていた。
俺のエアフォートでの生活は始まったばかりのようだ。この学園都市で平和を作る。それが俺の使命だ。




