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歴史バトルロワイヤル

ディキンソン×宮沢賢治×ゴーギャン×ゴッホ〜時代が私に追いつくまで~

作者:あすか
「生前、その魂の叫びが時代に届かなかった天才たちが、もし、時空を超えて一堂に会したなら…?」

物語の声を聞く案内人あすかと、不思議なタブレット「クロノス」によって、架空のスタジオに4人の魂が召喚される。あまりに純粋すぎた情熱の画家フィンセント・ファン・ゴッホ。強烈なエゴイズムを持つ孤高の野獣ポール・ゴーギャン。利他的な理想に殉じた童話作家宮沢賢治。そして、自室という宇宙で永遠を紡いだ謎の詩人エミリー・ディキンソン。

中でも、かつて南フランスの「黄色い家」で共同生活を送り、破局したゴッホとゴーギャンの再会は、番組開始と同時に一触即発の緊張感を生み出す。

最初のテーマ「なぜ世界は、私を理解しなかったのか?」では、それぞれの孤独と不遇が告白される。「狂気」と呼ばれたゴッホの苦悩、「偽善」と切り捨てられる賢治の理想、「孤独」を「王国」と語るディキンソンの哲学がぶつかり合う。

続くラウンド「魂の最高傑作」では、ゴッホの『星月夜』、ゴーギャンの『我々は何処から来たのか~』、賢治の『銀河鉄道の夜』などがスタジオに具現化。芸術観を巡るゴッホとゴーギャンの対立は、アルルでの因縁を再現するかのごとく激化。「感情の垂れ流しだ!」「君の絵は冷たい!」と、互いの魂をかけた激論が交わされる。

物語は、現代テクノロジーという新たな鏡を彼らに突きつける。「もし“現代”に生まれていたら?」というテーマでは、SNSの「いいね!」に一喜一憂し、誹謗中傷に深く傷つくゴッホ、X(旧Twitter)での論戦やNFTでの一攫千金を企むゴーギャンなど、現代社会の光と影に翻弄される魂の姿が赤裸々に描かれる。

そして、全ての議論の果てに投げかけられる、最後の問い。「あなたの人生は、果たして“不幸”だったのでしょうか?」。ゴーギャン、賢治、ディキンソンが力強く自らの人生を肯定する中、最後まで苦悩し続けたゴッホが、涙の果てにたどり着いた衝撃の、そしてあまりにも美しい「結論」とは…?

これは、単なる歴史トークではない。評価という名の鎖に縛られ、承認に渇き、孤独に苛まれる、すべての現代人へ贈る、時を超えた魂の救済の物語である。
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