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孤独の人  作者: 神の恵み
現代編
3/113

第3話 資産運用

書きためたものは多いので、内容を再確認しながら投稿しています。

自分用のメモみたいな感じでしょうか…

実は『鈴蘭の剣』というゲームを始めてから、執筆が止まっています。

本当は、戦闘シーンの参考にでもなれば…と思って始めたのに…

5年生になると林間学校やらの学校行事が増えて来た。

だが、僕は全て不参加。

座禅は山寺で嫌と言うほど経験をしている。

もういいだろう。



4年生で5年用の参考書をやり終えた僕は、今6年用の参考書に取り組んでいる。

昔から家で1人の時間が多く、勉強か本を読んでいれば、周囲は優しかった。

今では勉強は趣味みたいなもので、好きな事をしていると思えば、それほど苦にはならない。


資産形成講座では、保険のしくみ、投資信託、株と債券、商品市場について学んでいるが、本ではなく、インターネット動画で、別にPDFテキストもある。


気持ちは大人。でも、英語由来の単語には弱い。

講座でコモディティー商品が金や原油、穀物の事やその先物取引だと知った。


ま~長期の講座なので、猿でも理解はできるのだろう。


「いや、貯金は貯金、保険は保険。餅は餅屋って言うでしょ?」


「確かに、そう言われれば満期返礼金はいらないわね…」


資産形成講座のおかげで、貯蓄型生命保険の矛盾を祖母に説き、携帯ゲームに課金する同級生には経済合理性を説明する小学5年生になった。


「人間のためになり、人間を幸せに出来る消費。そういう消費じゃないとダメだよね?」


「えっ? う、うん、でも少しだけだから…」


テストも運動もできているのだが、なぜかクラスの女子には引かれている。

ケチは女子受けが悪いらしい。



夏休みには、念願だった合気道道場に入会する事になった。

気持ちと頭が先行したが、やっと体も鍛える事ができる。

実際には、少年部コースの会員になり、頑張っている。


合気道では慣れるまですじが硬く痛かったが、力を抜く事を覚えた。

組み手では、相手を投げ、相手に投げられる。

それを繰り返しながら、受け身などの基本動作を覚えている。


やはり武術は楽しい。



学校の成績通知表を見て、父の態度が明らかに変わって来た。

祖母とふたりで、どこの私立中学が良いのか情報を集めているらしい。


希望を聞かれたので『歩いて行ける所しか行かない』と答えておいた。

はっきり言って、東京は電車がめちゃ混みなのだ。

山寺にいた僕にとって、徒歩1時間の通学時間なんて楽勝だ。


父との話し合いで、俺も父のように海外留学は経験したいが、官僚や会社員は目指さず、実業家になりたいと話した。


最初、驚いていた父だったが


「それで資産形成の講座だったのか…」


一人で納得し、笑顔の父。


とりあえず、父の名義でネット証券の口座を開設して、毎日、空想の株取引を始めた。

銀行口座から証券口座にお金を振り替えても、一応、利息は付くので不利益はない。


未成年者の証券口座の開設には、親権者の同意が必要だし、父の銀行口座からの現金振替を原則としている。

証券取引の勉強のため、というのが建前で、父からもらった金額は100万円。


長期に投資できる金額ではないので、月曜から買い始めて金曜までには売り、土日は現金に替えておく短期投資。


先物は経験年数がないと取引はできないから、現物取引の買いから始める一手。


まずは値上がり株を一覧で見て少し買い、午後には売る事にした。

1日で売買した場合には手数料が特別に安いからだ。


30万円の売り買いで週に5万円ほど稼ぎ、夏休みが終わる頃、携帯を買ってもらった。

買った時点で、売り金額を入力し、自動的に売る事ができる。

だが手動だと、学校が終わる頃には証券取引所は閉まっているからだ。



そして4時半には道場に向けて30分の徒歩移動。

稽古が終わる6時は既にラッシュ時間だが、歩きの俺には関係がない。


秋に入り、注目していた値上がり期待の鉱山株が逆に暴落した。

2500円付近だった株価は1700円付近まで落ち、衝撃を受けた。

もしも買っていたら大損をしていたところだ。


株価が落ち着いた所で30万円ほど買った。

だが、翌週に更に株価は落ち、600円まで落ちた。


冷静に、冷静に…


自分に言い聞かせながら、追加で30万円分購入。

単価が落ちたので株数はたくさん買える。

これで平均単価は1700円から887円に。

だから900円まで値が戻れば、元金は戻る。


しかし、株価は更に320円まで落ちて来た。

資金はあと40万。

ここまで落ちて来たならと、追加30万円分購入。


平均単価は557円まで下がった。

ま~ 自分のお金ではなかったとは言え、気持ちは大きく落ち込んだ。


「もう少し待っていれば…」


そんな後悔だけが、いつまでも続く。

だが、さすがに1000円台には値が戻るだろうという気持ちもある。


気晴らしに、駅前商店街を歩いていると、ゲームセンターに例の3人組を発見した。

負ける気はしないが、今はリコーダーを持っていない。


さっさと歩を進めて、ドンキホーテに逃げ込んだ。

入口付近を注目していると、やはり3人組が入って来た。


エスカレーターに乗って上の階に誘導する。

派手な追いかけっこになると店員に怒られるが、俺が小学生で相手が中学生なのだから、こちらが有利か?


3階から階段スペースに回り込んで、待機。

一人に見つかって


「いたぞ~」


と視線を逸らし、大声を張り上げる男の子を足蹴りにしてから、近くまで来ていた一人を引き付けながら、階段を降りる。

この階段は2人分の幅しかなく、かなり狭い。


階段の4段を一気に飛び降り、壁に手を付き、その反動で更に下り階段を折り返す。

後ろに迫る男の子を引き付け、更に飛び降りた。


そして今度は、壁に手を付き、折り返さずに振り向き、俺の真似をして階段を飛び降りてきた男の子を迎え撃つ。


壁にもたれて彼の着地を待つ。

まるでスローモーションのように、彼の着地と同時に俺の足が彼の胸を蹴り、彼は階段に尻と背中を強打して、立てなくなった。


階段の上で見ていた3人目の男の子は、そこで見ていて、降りて来なかった。


「おまえら、警察に補導されたいのか」


「………」


彼らには俺の言葉は通じなかったのかも知れない。

だが、それはどうでもいいことだ。

戦う際には容赦はしない。

それが礼儀だと思うからだ。


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