話題にならない密かなる増税 ~国民から毟り取る悪夢の政権~
質問者:世間では消費税などの増税が見送られているんですけど、他にも増税が行われているのですか?
筆者:行われていますね。これまで控除対象だったものが対象ではなくなったり、
2024年からの増税も含めると結構な数になります。
一つ一つどういうところで“お題目“として増税されているのかも含めて見ていこうと思います。
質問者:そもそも税金や社会保障費が何かの目的税として使われていると言うことはあるのですか?
筆者:名目上は色々言われていると思うのですが、実情は目的税として〇〇費に使われていると言うことはありません。
例えば消費税法1条2項には「毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。」とあります。
しかしながら、消費税の5%からの増収分は14兆円あるのに、社会保障の充実に4兆円しか使われていないんです。
実情としては、誰がどう詭弁を言おうが「消費税は他の税と同じように一般財源として、全ての歳出予算に充てられている」と言うのが事実なんですね。
ですから、今から挙げていくものは全て色々な意味で“増税“だと思ってもらって構いません。
正直なところ、メディアで言われているような“増税”は“国民の声を聞いて増税を回避したと見せかける”といった役割でしか無いように思えます。
質問者:なるほど……やっているように見せかけることに関しては政治家の方々は得意ですからね……。
筆者:では見ていきましょう。
まずは、介護保険料の比率が、令和5年4月から 1.64⇒1.82 と上昇しました。
若い方にも年金受給者にもあまり馴染みがないかもしれませんが、介護保険の被保険者である40歳以上の住民が保険者である市区町村に対して支払うお金で2000年から法制度化されました。
次に雇用保険の比率が段階的に上昇しました。 9.5⇒13.5⇒15.5 となりましたね。
元の金額が小さいですし、業種によっても違うので話題にもなっていませんが密かに1.5倍ぐらいになっています。
企業と従業員とで折半されるのでこの金額をそのまま負担するというわけではありませんが、こういう金額が積み重なると企業が非常に重荷となり、「正社員では無くフリーランス契約にしよう」と言った発想に繋がっていくので注意が必要です。
質問者:確かに保険料と言うのは気が付けば上昇しているというイメージがありますよね。
筆者:主に4月や10月に雇用保険や健康保険は改訂されることがあります。
雇用保険に関しましてはコロナに関する“雇用調整助成金の特例措置”が無くなったことが複数回の上昇に影響しています。
次なる“実質増税“はインボイス制度導入です。これは今年10月からですが、まぁ間違いなく行われるでしょう。
質問者:インボイス制度って一体どうして始まったのですか?
筆者:物凄く簡単に言うのなら、消費税を品目ごとによって差をつけやすくするための制度です。
それなら、同時に生活必需品などの消費税を無くせと思いますけどね……。
しかしながら、世間では免税業者が享受している“益税を納税させるために存在している”と勘違いさせがちです。
しかも消費税は、商品・サービスの対価の一部であり、事業者が消費者から預かった税金ではありませんので完全にミスリードとなっています。
制度が複雑でパッと聞いただけではよく分からないので全てを把握している人が少ないのも問題でしょう。
このインボイス制度により約2,480億円程度の増収が見込まれています。
しかも、1000万円以下の売り上げの方から搾り取るのでこれは思った以上に国民にとってマイナス効果があると僕は考えています。
質問者:確かに、そもそも制度の意味が分からなくては反対される可能性も低そうですよね……。
筆者:4つ目は2023年度から住宅ローン減税を「1.0%」から「0.7%」に引き下げです。
住宅を購入することによって確定申告や年末調整において控除される割合が減少することになった上に、改正前には最大600万円であった新築認定住宅の控除上限額が455万円と約3割減となりました。
今年の新規借り入れと年末調整から大きく影響が出ると思うので、今までの方はあまり影響はないと思いますけど、所得の高い方が新規に消費するという額が減ることが考えられます。
質問者:影響の出る方は少ないかもしれませんが、確かに消費が減ることで日本経済には多少悪い影響が出そうですね……。
筆者:次に見ていこうと思うのは森林保全を目的とした「森林環境税」を2024年度から導入です。
住民税に上乗せする形で、国民1人あたり年間1000円を徴収してきます。これは住民税非課税でもない限り密かに国民全員に影響します。
質問者:月に100円以下の増税ですから気づかない間に……と言う形になりそうですね。
筆者:次に課税範囲の拡大について見ていこうと思います。
2023年からは相続税・贈与税の生前贈与の課税期間を、死亡前の「3年間」から「7年間」に延長されました。
相続税の課税対象となると税率が全く変わってきますので、生前贈与を徐々に行っていたケースも多かったと思うのですが、
生前7年前となると死期を悟られていない場合も多いと思いますので、孫の方が出来たらすぐに贈与を始めたほうが良いように思います。
そもそもここまで搾り取った後の残った財産を相続税として課税すること自体が2重や3重課税にもなりかねないという話もあるようですが、国はそんなこともお構いなしと言う感じですね。
質問者:自分でためたお金は自分で使っていった方が良いのでしょうね。
筆者:まぁ、人によって価値観が異なるので何とも言えませんが、ご自分が後悔しない形でお金は使った方が良いと思いますね。人生は一度きりですからね。
次に、いつになるかは分かりませんが延期されている税金として炭素税(カーボンプライシングの導入)があります。
これは、「二酸化炭素の排出量に応じた税」ということで2023年度から導入を予定されていましたが、コロナなどのこともあり延期されました。
これも密かにあらゆる物品に上乗せされそうで物価高に追い打ちをかけそうな感じがしますね。
質問者:色々な増税が密かに国民にのしかかってくるのですね……。
筆者:よく、「北欧の国々は日本よりも重税国家だ」と言う話がこういう時にされるのですが、北欧の国々は高福祉でもありますので納得して皆さん税金を支払っているのです。
しかしながら、日本の場合は政治に対する不信感がある上に、高齢者の方々に対して高福祉であるとも言い難いです。
財務省とその天下り機関に勤めている以外誰も笑顔になれない「悪夢のような国」とも言えるわけなんですね。
緊縮財政論や、外圧(日米合同委員会・中国からお金を貰っている議員)、など様々な問題がこの国民を苦しめる密かなる増税に繋がっています。
これもちょっとずつやっているので、本当に気づかないという状況なんです。
これがいきなり2割だの3割だの上がったらすぐに気が付くと思うんですけどね。
本来であれば、国債を発行すれば解決することがほとんどですが利益者集団を潤すために税金を集めているというわけなんです。
※過去の政治経済エッセイをご覧ください
この問題を少しでも皆さんに広げて頂ければと思います。今回もお読みくださりありがとうございました。