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007 捜索する者。

こんにちは、ボンバイエです。

色々と他の方の小説を読むのですが、何でだろう?って思う事が多いです。

なぜ、こんなに素敵な言葉を紡ぐ事が出来るのか?

僕には詩的な綺麗な言葉は出てこないようです。

とても残念ですが、仕方がありません。

下手な横好きというヤツなのでしょう。_| ̄|○



いくら一般ピーポーの前世の記憶があるとはいえ、僕にも王族としてのプライドは少なからずありますよ。

ええ、ありますとも。


「美味い。」


「本当に美味しいですね。」


『空腹は最高のスパイスだ!』とか聞いた記憶がある。

僕とアーニャは洞窟の中に入ってビックリした。

ちょっと洞窟内に入った先に鉄の扉があり、『あれ?』と思って開けてみるとそこには見た事のある食料が並んでいたのだ。

それも生で食べる事が出来る果実があったのだ。

そしてこの状況である。


『プライドはあっても飯は食えぬ。』いや『プライドでは飯は食えぬ。』だったか?

その言葉通り、空腹の僕達の前ではプライドは脆くも崩れ去ったのだ。

ナイフで皮を剥いて食べる果実は林檎。

この世界ではちょっと違う名前で呼ばれているが関係ない。

ただ、色がその赤とか青とかではなく金色なのが気になる所だが美味しいので問題ない。

林檎の甘酸っぱさが口を占領しているのだ。

理性がこれに抵抗することなど無理というモノだ。


・・・僕とアーニャはそれぞれ一個ずつ完食した所でお互いに顔を見合わせる。

やってしまったとお互いの顔に書いてある。


「あははは。」


「うふふふ。」


「ちょっと、あれだったな。」


「ちょっと、あれでしたね。」


少し気まずさがあるものの、同罪の僕達はお互い誤魔化し笑いをしてやりすごすことにした。

話し合った訳では無い。


ともかく、お腹が落ち着いた所で我に返り辺りを良く見渡す。

扉があった事から部屋となっている事は想像していたのだが、どうも洞窟内の部屋というには様子がおかしい。

壁には窓が付いており赤い陽射しがさしている。


「外?」


「はい?」


情けない主従の会話の様だが、あまりにも異質な空間だと感じて窓の外を二人して見てしまう。

そして入ってきた扉を見て再度驚く。

その扉は鉄ではなく複雑な紋様が描かれた木の扉だったのだ。


「どういう事だ?」


突然の出来事。

予想していなかった事態。

頭の中は『はぁ?!』である。


「おかしいですね。」


僕が凄く慌てているからか、逆にアーニャは落ち着いている。

本当に煙草が喫いたい。

少しは落ち着くのではないだろうか?

とにかく、落ち着け。

そして一刻も早くこの場所から出るべきだ。


「アーニャ。この場から直ぐに退避するぞ!」


「はい!」


僕はこの倉庫の様な場所を見渡し、鞄と林檎と水筒と剣に衣服を見つけてさっと持ち、手持ちの金貨10枚を置いて、アーニャの腕を引っ張る様にして入ってきた木の扉に手をかけた。

だが木の扉はびくともせず開かなかった。


「やばい!開かない?!」


「嘘?!」


アーニャは手で口に押え狼狽える。

仕方がなく、もう一つの扉へ向かう。

扉の向こうには気配が無いのは分かっているので、普通に扉を開ける。

こちらは問題なく開いた。

ここはダイニングキッチンの様で、システムキッチンの様な感じになっており中央には大きなテーブルが置かれていた。

僕はシステムキッチン側の扉では無く逆側の扉へ向かい扉を開ける。

そこは廊下になっており玄関らしき所へ繋がっていた。

その玄関らしき方へ向かい扉を開けて外へ出る。

太陽の陽射しは既に後少しで無くなる様な状態で、夜の帳がもうすぐ閉まるだろう。


辺りを見渡すと森の中にポツンと建てられた家である事が分かった。ただ、森の間に道が敷かれており、ここに住んでいる人が外の世界と繋がりを持っているのだという事が分かる。

厩舎があるも馬は見当たらないので、出かけているだけなのだろう。

僕はアーニャの腕を引っ張り、森の方へと入って行く。

家と道が見える木の陰に来てようやく息をつく。


「ふぅ。」


それを横で見ていたアーニャは不安そうな顔で僕を見ている。

『どうした?』と聞くと、気まずそうに下を向いた。

そして拳を握ると顔を上げた。


「デ、ジャン様。やはり今取ってきた物を返しませんか?今なら居ませんし。」


「だが、僕達は・・・。」


「そうです。ですが、やはり人のモノを勝手に持ち出すのはダメだと思うんです。」


正論だ。

日本にいた頃なら当たり前の事だ。

僕は言い返す言葉も無く下を向いていた。

確かに僕達は問題を抱えている。

その問題は大きく、出来る限り知られたくはない。

だが、人間としてしてはならない事がある。

お金は置いて来たが、盗みである事に違いは無い。


「そうだな。アーニャの言う通りだ。どうかしていたな。返そう。」


「はい!」


僕とアーニャは急いで家に戻ると玄関から『失礼します。』と言いながら入って倉庫部屋を目指す。

廊下を通りダイニングキッチンへ入る。

そして、そのまま倉庫部屋へ入ると元あった場所へ服や剣に鞄に水筒に林檎を戻した。

金貨を回収しようか迷ったが、林檎を食べてしまった事を思い出し、そのまま置いておく事にして倉庫部屋から出た。


「あれ?戻しに来たのかい?忘れ物でも取りに帰ってきたのかと思ったが・・・。」


ビクッとした。

そして身体が硬直したのが分かる。

極度の緊張。

一瞬にして起こった。

僕の頭の中は『どうして?』『やばい!』『なぜ?!』幾つもの疑問符やマズいという感情が渦を巻く嵐の様に荒れ狂う。


「あぁ。ごめんね。」


スーッとダイニングキッチンの中央にある机に人が現れた。


「驚かすつもりは無かった。ただ珍しいなと思ってね。」


僕は直ぐに土下座した。


「すみませんでした!僕は、盗もうとしました。本当にごめんなさい。」


僕は床に頭をこすりつけて謝罪した。

頭は真っ白だ。

こうする以外に無いと思ったのだ。


「うん。良いよ。怒ってないし、私も悪い所があるから。顔を上げてくれないか?」


「いや、でも悪いのは僕です。」


「君は王族だろ?連れのメイドの子が君の行動にビックリして固まっているよ?」


「えっ?!」


僕はがばっと体を起こしアーニャが居るハズの隣を見た。

確かに言われた通りアーニャは僕の方を見て固まっていた。

アーニャはワナワナと震えており僕を見下ろしている。


「アーニャ。何をそんなに・・・とにかくアーニャも謝罪しろ。」


『はっ?!そうでした。』とアーニャは口にして家主らしき人の方を向いて頭が床に着くのではという勢いで下げた。

僕も同じく頭を下げ直した。


「「本当に申し訳ありません。」」


「いやいや。本当に怒ってないから頭を上げてくれ。謝罪は受け取るから。」


家主らしき人は改めてそう言って立ち上がり僕達の前まで来た。

『とにかく話をしよう。』という提案をしてくれ、僕とアーニャに椅子に座る様にと言ってくれた。

そこで、ようやく僕は落ち着きを取り戻した。

家主はお茶を用意してくれ、僕達の前に『どうぞ。』と言ってコップを置いた。

コップからは湯気が立ち昇り良い香りがする。


「ありがとうございます。先程は本当にすみませんでした。僕はジャン。いえ、ジャック・バウエンと申します。そして彼女は僕の専属メイドのアーニャです。」


「アーニャです。よろしくお願いします。」


「はい。よろしく。私はザバルティです。先程は驚かせる様な事になってごめんね。」


ペコリと再度頭を下げる。

ここでようやく落ち着いてザバルティさんを見る事が出来た。

白銀の髪に澄んだ瞳。

神々しささえも携えたその容姿は地球のアニメなどで目にした天使を連想させた。

ザバルティさんは僕と視線が合うと優しく微笑んだ。


「あの、ザバルティさんはずっとここにいらしたのですか?」


「うん?まぁ、そうだね。だから君達がしている事も分かっていたし、止めるつもりは無かったんだよ。」


「えっ?それはどうして?」


僕の質問を笑って受け止めたザバルティさんは、少し困った様な感じになり苦笑する。

僕は不思議に思った。

自分の家に勝手に来た人間に好きな様にさせるだけでなく、持って出る事も許せるという答えに疑問を持っても普通のはずだ。


「そうだね。君達がここに来た?来る事が出来た。いう事が答えだね。」


「「はい?!」」


僕とアーニャは意味が分からず、変な声が出た。

ザバルティさんはアハハハと笑ったのだった。



ちなみに、僕が詩的なモノを書こうとすると意味が分からないモノになってしまいます。

何故でしょう?

それは僕にセンスが無いからでしょうね。

読むのは好きなんですけどね・・・。

『妹のいる生活』の『むい』様はセンスがあるのだと思います。

どんどん、詩的な素敵な文章になっていっています。

エルフと幻想的な世界観を味わえます。

是非とも、一読してみてください。( ̄ー ̄)ニヤリ。

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