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006 調べる者。

どうも、ボンバイエです。

そろそろ成人式が全国各地で開催されますね。

遥か昔に参加した成人式が懐かしいです。

コロナの影響が大きく出ない事を祈るばかりです。

やっぱ、国を挙げて新たな大人の仲間を祝う日ですからね。


あれから小一時間位経っただろうか?

僕は精霊にお願いして囲って貰ったモノを解いて貰った。


「大丈夫ですかね?」


「どうだろうな。だが、僕達の時間も限られている。」


事実、水分補給は現地調達の上に持ち運び不可だ。

そして食料問題も知識が足りない所為で満足に取る事は無理だ。

能力的な問題もあり狩りも考えられない。

正直詰んでいる状況だが、こうして精霊の協力を得る事が唯一の生存手段だ。

いや、待てよ。


「そうだよ。精霊の協力を得れば食事は何とかなるか。」


「えっ???」


抜け落ちていた。

森の精霊達に協力してもらって食べる事が出来る物を教えて貰えば良い。

早速お願いしてみる。


「・・・駄目か。」


森の精霊達は人間が食べる事が出来る物なのかが分からない様子だ。

つまり具体的に『これ』と言えば用意してくれるみたいだ。

その事をアーニャと共有して一緒に肩を落とす。


そして、念の為に先ほどの集団の通った場所を確認する。

大きな生物が通った跡と集団が通った跡が伺える。

大きな生物が通った跡というのは幅二メートル以上の道が出来ていたのだ。

木が倒されている訳では無いが、軒並み進行方向へと倒れている。


「大きいな。何が通ったのだろう?」


「何ですかね?」


二人して首を捻る。

知識が乏しいが為にこれ以上の詮索は難しい。

それ以外に足跡が沢山あるのが集団だと思うモノ達の後だろう。


気持ちを切り替えて移動を再開する。

周囲に注意を配り最初の目的のとおり崖を目指していく事にした。


崖を登る手段があるのか?というと今の所は無い。

無いが崖を登る事が出来ると少し安心出来る。

崖の上も森が続いているのだが、この死竜の渓谷内にある森の部分より幾分も魔物が少なくなるからだ。


そもそもこの世界において魔物とは何か?という疑念は解決されていない。

諸説ある現状なのだ。

魔神が創造した魔物という存在が有り、面々と繋がれてきた系譜を持つ存在。

魔素が堪り生まれる存在。

元々は動物であったモノが魔素の影響によって魔物になるという存在。

これは学術的に調べられている事であるが、解決できてない事だ。


そもそも魔物とは何か?という問題がある。

魔物とは人族が勝手に呼んでいる総称である。

少なくとも、『魔物とは体内に魔石を宿すモノである。』と定義されている。

つまりそれほど分類を必要としないとも言えるのかもしれない。


色んな事を考えながら森を進んで行く。

小一時間を要したのだが、ようやく目の前が開けて崖肌が見える所へ来た。


「着きましたね。」


「そうだな。」


太陽の光は赤くなっており、もうすぐ日が沈む事が伺える。

本来なら直ぐにでも動きだしたい所だが、どうするべきか悩ましい。

非戦闘員である二人が明るい場所で見晴しが良いのに動くのはいかがなものか?という考えだからだ。


「このまま森に体を潜ませながら上流を目指そう。」


「はい。」


集団が去っていた下流には行きたくなかった。

『出来る限り想像できる危機は避けたい。』と思ったからだ。

森から出ない程度に崖の様子を見ながら上流へと進んだ。

少し進んだ所でポッカリと口を広げた場所が崖にあるのを見つけた。


「あれは。」


「洞窟ですかね?」


僕とアーニャは顔を見合せ慎重に洞窟の中が見える場所へと進む。

特に見張りみたいなのが居る様子は無い。

また集団が通った様子や大きな生物が這い出た様子も見当たらない。

先ほどの集団には人らしき者が二名程居た訳だから関係ないとも言い切れない。

だが、人が居た場所なら何かしらの生活用品がある可能性もある。

リスクは極力取りたくないが、何かしら手に入る可能性があるならば、手を出したい所だ。

腹が減った事を主張する自分のお腹を見やりどうするか考える。


「入ってみませんか?」


「はぁ?危険かもしれないんだぞ?」


「そうですけど、その時はデんじゃなくってジャン様が助けてくれますよね?」


「いやいやいや。そんな過剰な期待は困る。」


「ですけど、お腹すきました。何日でこの森から出る事が出来るのか分からないのですから、少しは危険を冒してみましょうよ。」


たしかに一理ある。

目の前の洞窟にも精霊達は居る。


「わかった。だが少し待て。」


「はい。」


そう言って、僕は風の精霊達に協力を仰ぐ。


『洞窟内に何か居ないか見て来てくれ。』


風の精霊達は了解と言うつもりなのか、僕とアーニャの身体をふわりとした風が一周した後、洞窟の方へと風の精霊達が向かってくれた。


精霊達との会話は基本的に声では無い。

強いイメージでやり取りするという感じだ。

もしかすると念話なら会話が成立するのかもしれないが、今はその手段を取る事が出来ないので、強いイメージで精霊達に協力してもらうという感じだ。


この世界には精霊魔法というモノが存在するらしいし、実際に精霊使いも居るという。

ただ、僕の身近には居なかったのだ。

僕が居るアーダム大陸は先の大戦が起こる前までは、魔力が殆ど無いと言われる大陸だったらしい。

それなのに多くの魔物が存在していた。

魔物は魔素を浴びた生物が魔物になるという説を否定する内容だが、事実多く存在していたらしいのだ。

それも荒ぶる魔物が多く居たと言われている。

人間社会は魔力を上手く使えない事から科学技術を発展させたという。

何処までのモノかは知る事が出来なかったが、それはクリーマン皇国では無い国に居た事が大きい。

ただ、僕が居たバウエン公国は元クリーマン皇国の公爵家であったので、その一端を垣間見る事が出来た。

純粋な化学というよりも魔法化学と呼んだ方が元地球人の僕からしたらしっくりくる。

化学製品という化石燃料の発展というよりも魔法を如何に効率よく利用するのか?という点を重点的に研究したモノの様で、魔石を燃料とした機械製品があった。

バウエン公国には鉄製のドラゴンが存在していた。

生きているドラゴンでは無くドラゴンを模した鉄製の飛空艇と呼ぶ方が良いかも知れない。

そして戦車が数台あった。

鉄の塊であり陸上を動くあの戦車である。

どちらも魔石を利用して稼働させるモノだ。

戦場での活躍が想像に難くない。

では何故クリーマン皇国は先の大戦で負けた上に国が縮小する程の反乱を許してしまったのか?

それは人である。

どちらも大きな戦力ではあるが占領には適していないただの火力でしかないのだ。

武力は大きな抑止にはなるし、実際破壊行動には有効だ。

しかし、占領となると話は違う。

火力が大きいだけでは統治する事は出来ない。

統治するには恐怖政治が一番手っ取り早いと言われるが、それをクリーマン皇国は各国占領地でおこなったのだ。

戦争に勝っている時は問題ない。

しかし、ひとたび負けだすと・・・である。


そして、その負けの発端にはいくつかの謎があるとされている。

一つにこの世界の平和を求める組織が存在していたのではないか?と言う事である。

クリーマン皇国が大陸の覇者となるべく行動していた時と同時にアーダム大陸の西に位置するロードスト大陸においてカーリアン帝国が版図を広げるべく行動を開始したのだが、それがたかが小国に敗れたとされているのだ。

それも謎の敗走であり未だに解明されていない。

知っているのは当時の生き残りと神のみなのだが、生き残りたちは全員口を閉ざすか、死刑になっており記録に残っていない。


そしてクリーマン皇国も大敗をしているのだが、それが何処に負けたのかという話になるのだが、世界の調停者を名乗るハイエルフ達に負けたというのだ。

数では圧倒的にクリーマン皇国側が有利であったはずなのに、鉄のドラゴンに鉄の戦車も負けてしまっただと歴史には残されているのだが、詳細は乗っていない。


そのどちらも曖昧な記録しか残されていないのである。


そして数年後に魔王が誕生したのである。

それもクリーマン皇国の直ぐ近くの大島であり魔物(モンスター)楽園(パラダイス)ナザと呼ばれる場所である。

その魔王の侵攻によりクリーマン皇国は大打撃を受ける事になるのだ。

そのあたりから、クリーマン皇国内で反乱が相次ぎ今の形になった。

とは言え、魔王の侵攻から領地を回復したクリーマン皇国はそれでもアーダム大陸の三分の一を領地としているのだから、流石である。

単純に打撃を強く受けた為に迂闊に侵略に力を割けないとの見方も出来る。

いまだに魔物(モンスター)楽園(パラダイス)ナザは解体された訳では無く勢力が存在しているのだから、迂闊には行動できないのだろう。

そのおかげなのか、現在は他の大陸同様に魔素が存在しており魔術系統の発展も少しずつしている。

が、未だに精霊魔法を使用する存在はこのアーダム大陸では希少らしい。


そんな事を考えながら待っていると僕とアーニャの周りにふわりと風が舞う。

どうやら、生物の痕跡はあるが現在は危険となりそうなモノは居ないようだ。


「よし。入ってみよう。」


「はい。」


僕とアーニャは洞窟へと歩を進めたのだった。



チョット説明ばかりになってしまいました。

僕は小説を書いているつもりですが、歴史書みたいになってしまいます。

ほどほどになる様に気をつけます。

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