027 狩り又は食事?
こんにちは。ボンバイエです。
体調を崩して熱を出してしまいました・・・。
コロナ?インフルエンザ?とやきもきしてましたが、結果ただの風邪でした。
安心しましたが、出費がかさみガックリです_| ̄|○。
「そっち行ったぞ?!」
「了解!」
僕はロングソード【アリダー】を上段に構えて首を目掛けて切り下げ『スパン。』という感じで目の前に来たオークの首に入ったのを確認した後に通り過ぎる。
もちろんオークの首が斬り落とされて切り口から血が噴き出す。
今日も良い感じだ。
「すげぇな。」
「ひいきめ無しに言ってかなりやるわね。」
「うん。やる。」
最後のサミュさんの発言は端折り過ぎてオカシイ感じだが、まぁ概ね皆さん同じ感想みたいだ。
平均的な冒険者がどれ程なのか知らないから何処まで動けば良いのか分からないけど、ある程度抑えて動いている。
この三人【灰色髪】はA級の力があるとされているC級冒険者らしいから、浮く事は無いだろうと判断した。
目立ちすぎるのは良い方でも悪い方でも同じだ。
前世で理解していた事は何事もバランスが必要だと言う事だ。
バランスを何処に持っていくのかが難しいのだが、それには経験と感覚に情報力が必要になる。
今回は情報力が足りない中での事なので、難しいと思っていたが、まぁ無難な所で落ち着いたのではないかと思う。
まぁ只のオークだからな。
実際、彼等【灰色髪】の動きはとても良い。
まだ連係プレイは見ていないけど個々の力はたしかにC級ではないだろう。
肩慣らしにもならない相手なのか、悠々と対処している。
Dランクに分類されるオークが相手なのでそんなモノかと思うが。
既にここまでにいくつかの魔物を狩っており今回のオーク五匹を入れてもそこそこの数になっている。
オークも一般人では脅威の存在だ。
一匹二匹ならまだ対処できるだろうが、数が増えていくほどその脅威度は増していく。
数が増えると上位種と呼ばれるモノ達が産まれてしまうからだ。
ある意味人間と一緒だが、人間と違うのは上位種は格段にレベルが違うと言う事だ。
生まれながらにしてレベルや能力が段違いに高いのだ。
そこが面白い所だ。
現在はそのメカニズムがある程度研究されており、先に能力の高い上位種が産まれたから繫栄しているという考え方と繁栄しているから上位種が産まれやすくなるという考え方がある。
そのどちらも結局は確率論に落ち着いている。
つまり、どちらの可能性もあり得ると言うのだ。
「この近くに集落でも出来たのかな?」
「どうだろう?まぁ調べてみるのはありかもな知れないけど、今回は無しだな。」
「同意。」
基本的な行動は【灰色髪】三人の会話で決まっていく。
今回の臨時パーティーを結成する話が出た時から、僕がお願いしていた事だ。
「さて、どうする?申し少し奥に行くか?」
仕留めた魔物をマジックバックに入れながら、アルベロさんが聞いている。
「う~ん。どうかな?ジャック君は大丈夫?」
「僕は大丈夫ですけど、奥に行き過ぎても明日が大変じゃないですか?」
「そうなのよね~。それを考えるとここら辺がギリギリかな?」
納品時間に期限がある依頼なので、帰りの時間を気にしながら動かなければならない。
このダルワートの森から王都ダマスのギルド内まで余裕をみて三時間。
つまりこのダルワートの森の入口には9時には着いておく必要がる。
そう考えると、深く入り過ぎては戻れない。
「夜通しするにしても、少しは休憩したいよね~。」という事で一致して拠点を用意する事にした。
拠点は何処でも良い訳では無い。
安全性が確保しやすい所に造るのが普通だ。
なので、大きな岩が置かれた少し開けた場所に拠点を用意した。
簡易的な拠点は中心に焚火が出来る様に転がっている石を集めて囲いを作りその中に燃える物を入れる。
後はその近くに燃やす木を集めて置いておく。
そして大きな岩の端から端までを半円状に木の柵を設置していく。
柵の中で動き安くなるように中が広くなる様に設置する。
慣れた手つきでマジックバックから柵用の木を取り出して設置するもちろん出入口になる場所は開いている。
黙々と設置する僕等は一時間とかけずに完成させた。
「よし。こんなもんだろ?」
マジックバックを持っているからこそ出来る事だろうが、三人が三人共持っているというのが凄いな。
それほど安い代物では無い筈だけどな。
他にもテントも用意しているみたいで岩と焚火との間に一つ出していた。
最後に僕が水の入った樽を一つマジックバックから出して岩の近くに置く。
これで、簡易的ではあるが拠点が出来た。
う~ん・・・本当に簡易的かこれ?まぁ深くは考えないでおこう。
凄いと言えば、この三人は時計を持っている同じデザインの懐中時計だ。
懐中時計はこの世界ではかなり高価な商品のハズだ。
まだまだそんなに普及している訳では無い。
ちなみに時計は存在する。
12進法を利用した時計だ。
正確に刻む時間は電気式ではなく魔力式の様だ。
ゼンマイ式もあるらしいが、より高い商品だ。
「じゃあ、ジャック君はアルベロと一緒で後休憩ね。」
「わかりました。」
「じゃあ、早いけどお昼にしちゃう?」
「そうだな。そうしようぜ。」
「期待。」
という事でちょっと早めのお昼にする事になった。
食事は僕が用意する事になっている。
テーブルとイス四脚を取り出して置く。
テーブルにはテーブルクロスを引いて、それぞれの前に弁当箱と水筒を出した。
座ってくださいという前に自分の席を決めて全員が座っているのを見て苦笑しつつ『どうぞ。』と勧めた。
「「「おぉ~。」」」と三人同時に声が上がった。
嬉しい反応だ。
今回用意したのは海苔弁当だ。
海苔ダンダンというモノで、ライス・おかか・海苔・醤油があれば作れるモノだ。
海苔弁当に付き物なのは、ちくわの天ぷらに魚フライ。
さらにハンバーグだと勝手にだが僕は思っていたのでそれらを用意した。
正確には、ザバルティさんから頂いたモノばかりだが、そのおかげで今回はこの様に海苔弁当が作れた。
ちなみに、日本食は結構普及している。
どうやらシャルマン商会が世界に展開すると間もなく広まったようで関係があるのではないかと噂されている。
僕みたいな転生者や異世界人がいるらしいのでその人達が広めたのだろう。
「これは、ノリベンか?!」
「うそぉ?!」
「美味!」
一人だけ感想の意味が違う。
気にしたら負けだと思う。
かなりの食いしん坊キャラだとは思ってなかったけど。
「和食は世界一。」
「いや、わかるけどフライングだろ?!」
「そうよ。だめよサミュ!」
僕は笑うしかなかった。
しかし、海苔弁当が分かるとは、やっぱ金持ちは違うな。
まだまだ平民には遠い食べ物だ。
加工食品もあるとは言え、流通はまだまだ発展してない。
そうなると珍しい食べ物は高くなる。
それに食事に金を掛けれるのは一定以上の水準の生活ができる人達だけだ。
色々訳アリだとは想像してだが、どうもかなりの訳ありなのかもしれない。
まぁそれを口にするのはルール違反だと聞いているから想像だけにとどめておく。
「そんな事より、僕らも食べましょう。じゃないとサミュさんに取られてしまいますよ?」
「「えっ?」」
アルベロさんとエミリさんが驚きサミュさんをみるとフォークが伸びてきていた。
「ちょっと?!」
「待ってくれ?!」
アルベロさんとエミリさんはすかさず弁当箱を持ち上げ避難させている。
「ちっ!」っとサミュさんは舌打ちした後、また自分の弁当に戻って黙々と食べ始める。
「たく、油断ならないぜ。」
「本当よ。」
「まぁまぁ。どうしてもならおにぎりで良ければありますから。」とおにぎりを五つ出しておく。
すかさずサミュさんが手を出し三つとった。
『ぐぬぬぬ。」とアルベロさんとエミリさんが一個ずつとる。
「ちょと!サミュ!!」
「欲張りすぎだぞ!」
「早い者勝ち。」
ニヤリとサミュさんが笑い、早速おにぎり一個を口に運ぶ。
アルベロさんとエミリさんの二人は悔しがる。
それを見ている僕は苦笑い。
騒々しい。
狩りに来ているんだけどね?
まぁ楽しいから良いか。
僕は諫めたりするのを諦めて海苔だんだんを口に運ぶ。
やっぱうまい。
醤油とおかかと海苔とお米のハーモニーがたまらん!
「うまい!」
僕の声を聴いた三人は僕の方へと顔を向ける。
僕が笑っていたからか三人とも笑いだす。
僕たち四人の笑い声がダルワートの森に響き渡るのだった。
それは束の間の優しい時間だった。
やっぱ、食事って凄いと思うんですよ。
特に現代日本の食事はかなり高水準ではないでしょうか?
和食文化もそうですが、世界の食文化さえも日本の食事にしてしまう。
日本人って世界でもトップクラスの食に煩い人種ではないでしょうか?
口が肥えているって言いますかね?
食品会社の提供する食べ物や調味料も半端ないほど高水準ではないですかね?
ぜひ、今後も高レベルを維持して頂き、より良いものを期待しております。
そして高レベルな食品や調味料をありがとうございます!!<m(__)m>




