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024 やっぱり、そうですよね。

こんにちわ。ボンバイエです。

気が付くと、一ヶ月はあっという間に終わります。

どうも、学生から社会人になった後ぐらいから、時間が早く過ぎている様な気がします。

やる事が多くてそれが終わると寝る時間になっていたりしますよね?

いや~、早いっすわ~( ̄▽ ̄)

あの日は散々だった。


あの後もデートと言う名の【お財布係】をさせられた。


ただ、楽しい時間を過ごせたのは事実で、気晴らしにはなったかな?


たぶん。




ただねぇ。


やっぱりと言うか、何と言うか。


クラスメイトの視線が痛い。


そして、よそよそしい態度が痛い。




まぁ、入学初日に教頭が迎えに来るという呼び出し。


茶道部のシャナ先輩が迎えに来て学校中を腕組んで引きずり回される。


キリヴェル風紀委員による出頭命令。


傍から見て良いイメージは全く無いね。


どう考えてもこうなるわ。


はぁ~。




クラス中に響き渡る先生の声。


教科書を読んでいるのだろうけど、僕の頭には入って来ない。


普通の生活からドンドン遠くなる僕の生活。


はぁ~。




唯一の救いが隣の王子様キャラのこのジョージア君だけだ。


「どうしたんだい?」とジョージア君が僕の視線に気がついて聞いてくる。


「何でもないよ。」と返して前を向く。


まぁ、もうこうなったら大人しくしていても仕方が無いか?


けど【人の噂も75日】って言うから三ケ月大人しくしておけば・・・無理かな?


この学園、毎月イベントあるもんな。




やるしかないか。


目立たない様にと思ってたんだけどな。




「ジャック君。やる気が漲っているようだね。この問題を解きなさい。」




「えっ?はい。」




僕は先生の言葉に従い教壇に立ち、黒板を見る。


今は数学の時間か。


とは言え、さほど難しい問題ではない。


地球の現代日本に比べたら、ね。




数学と言えば、本来は算数と違う。


算数が日常生活で必要な数の計算であり正しい数を求める学問。


数学は日常生活では目にしない抽象的なモノを使って何故なのかを理解して表す学問。


この違いは大きい。




ただ、それは地球での話だ。


この世界におけるこの国の数学はその両方を指している。


そして、僕は一年生だ。


だから当然、数学も小学生の算数と同じだ。


足し算・引き算・掛け算・割り算のこの四つが基本となる。


だから、簡単だよね。


一度、完全に大学まで出ている僕の記憶があれば。


結果、スラスラと解く事になるわけだ。




「正解だ。この調子で頑張る様に。」




「はい。」




『あんまりよそ見しているなよ。他の生徒に悪影響を及ぼす。』小声で先生は僕に注意をしてくる。


『はい。気をつけます。』と僕が返事をすると満足した顔になって頷く先生。


赤い髪が特徴的で、大人の色気がある先生はとてもスタイルが良い。


出る所と引っ込む所がキッチリしていている上に、セクシー系の服を着ている。


自分のスタイルに自信があるのだろう事が分かるというモノだ。


その上で他の先生方とは違い、全教科を教えるという才女なのだ。




「オリヴィア先生!」と手を上げている生徒が居る。




「どうした?」




「俺にも、このターナー・バルバーロに問題を解かせてください!」




それを聞いたオリヴィア先生はニコリと笑うと「良いだろう。」と問題を書きだした。


僕はその手を上げた生徒に視線を向けると忌々しいという感じで睨まれる。


はて?


僕は何かしたか?


僕は先生の指示に従い自分の席に戻った。




「なぁ、何か凄い睨まれてるのだが?」




「ジャック君。彼はバルバーロ伯爵家の跡取りだよ。目立つ君が気に入らないのかもしれないね。」




「そんなもんかね?」




「うん?まぁ貴族はそんなもんかもね。情けない事に(ぼそ)。」




ふ~ん。


そうかもな。


よく思い出して考えてみると、10歳までの王城暮らしの中でも貴族の連中の行動はあんまりいい気がした事は無かった。


もしかすると、僕が廃嫡予定の王子だったからかもしれないけど。


面倒だな。


まぁ、睨まれている以外は特に問題は無いから良いけど。








◇◇◇◆◇◇◇








「流石、ターナー・バルバーロ様です!」と言う声が聞えて来た。


気にしていなかったけど、ターナー君の周りにはいつも人がいる。


取り巻きと呼ばれる人達かな?


まぁ、この国の伯爵家と言えば、結構な金もあるだろうし力もあるから、それに縋りたいと思う人は結構いるのかもな。




ツカツカツカっと、僕の前に人が来る。




「おい平民。ターナー・バルバーロ様がお呼びだ。ついて来い。」




と、ツカツカツカっと歩いてターナー君の所へ戻っていく。


それ聞く必要あるか?


それに目立たないというのは止めたから、聞こえなかった事にしよう。


どう考えても面倒になる。


聞えているのかも返事も待たずに帰ったのだから、問題無いだろう。


僕はそっと席を立ち部屋を出る。




さっさと去ろう。


僕は少し足早に廊下を歩き去った。


遠くの方で、大きな声が聞えたが、気の所為だろう。




「良いの?呼んでた気がするけど?」




「えっ。そうですか?聞えませんけど。」




教室がある建物を出ると、そこには例の如くシャナ先輩が立っていた。


今日は茶道部の部活がある日なのだ。




「そう?まぁジャック君が良いのなら問題無いけど。本当に大丈夫なの?彼はたしかバルバーロ伯爵家の子じゃなかったっけ?」




「シャナ先輩は知ってるんですか?」




「もちろんよ。これでも子爵家の娘ですから。」と言ってスカートを摘み貴族らしい挨拶の仕草をするシャナ先輩。




「マジですか?」




「マジよ。」と言ってふふふと笑う。


知らなかった・・・けど、まぁ貴族だとは思ってた。


そして笑いながら歩き続ける。


ドンドンと大声が近く聞こえてくる。


諦め悪いね~。




「クソ平民が!無視するとはどういう事だ!」




この声は、先ほど僕の所に来た奴かな?


ドンドン声が大きくなり、僕の肩を掴もうと彼が腕を伸ばしてきた所で避ける。


もちろん、掴もうとした勢いのまま、その彼はよろけてしまう。


そして運が悪い事にシャナ先輩の足に引っ掛かる。




「痛い。」とはシャナ先輩の声。


彼はと言うと顔から地面にダイブする形になる。


痛そう。




「シャナ先輩。大丈夫ですか?」と僕はシャナ先輩の方へ声をかける。


「足が痛いわ。歩けないかも。」とウインクしながら舌を出す。


うわぁ。


ワザとだこれ。




「これは歩けそうにないわ。ジャック君。」とニコリと笑う。




「はい。」




「抱っこ。」と言いながら両手を僕の肩に伸ばした。


これは仕方が無いのか?


「バシン!」と、シャナ先輩の手を払いのけた奴がいる。


「おい!平民!」とそいつは僕の肩を再度掴もうとするので避けて急に立ち上がった。


もちろん、僕の肩にそいつの顔面がめり込む。


「ふぎゃ!」とい音共に奴は横に倒れた。


痛そう。




僕はそいつを無視して再度シャナ先輩の方へ屈むとシャナ先輩は待ってましたとばかりに両手を出してくる。


はいはい。


そうですよね~。


それが目当てですよね~。


仕方が無いので、僕はシャナ先輩をお姫様抱っこした。


「おい!貴様!」と奴も立ち上がった様だ。


結構、頑張るね。


はぁ~。


僕は顔だけそいつの方へ向けた。




「貴様って僕の事ですか?」




「他に誰が居る!!」




「そうですか。何ですか?」




「さっきも言っただろう!ターナー・バルバーロ様がお前をお呼びだ!」




「そうですか。僕には用事は無いので。じゃ。」




「貴様!ターナー様を無視するとは、どういう了見だ!」




激昂ですね。


だが、そういう失礼な奴を相手にするつもりは無い。




「どういう了見も何も、同じクラスメイトってだけの人に呼ばれたからって行かなきゃいけない理由は無いですね。僕、こう見えても暇じゃないので。」




「おい!待て!」




シツコイな。


この学園において出生は関係ないだろ?って建前あるだろうよ。


そんなに大声で「平民!」とか怒鳴って大丈夫なのかよ?




「そんなに大声で叫んで大丈夫?ここの風紀委員は厳しいみたいだけど?」




「何?!」




ほら、あのグリーンカラーのワッペンをつけたおっかない人達が集まってきてるけど?


ガシッと彼の肩に二本の太い腕が置かれた。




「おい。貴様。私を誰だと思っている!私はターナー・バルバーロ伯爵子息様の付き人をしているロメイン・レタス男爵子息だぞ!」




「ほぉ。我らを見てもそう啖呵を切るとは、なかなか見上げた根性じゃないか?」




「あぁ、そうだな。」




二人の腕太の風紀委員さんはニタリと口角を上げた。




「ロメイン・レタス男爵子息様は、この学園の風紀委員を知らないのかな?」




一人の腕太の風紀委員がグリーンカラーのワッペンを見せつける。


それを見て先ほど迄の啖呵は鳴りを潜め、静かになっていくロメイン。




「ねぇ。たしか貴方はベン風紀委員よね?」




「これは、ファフナー子爵令嬢様。」




「その、子爵令嬢というのは、学園では止めてって言ってるよね?」




「はい。失礼しました。」




「ところで、この学園って平民・貴族とかって出自についての差別は無かったハズよね?」




「はい。もちろんです。」




「そこの子。さっきから、このジャック君に平民。平民ってうるさいのよね。貴方(ベン風紀委員)も聞こえてたわよね?」




「ええ。もちろんです。」とニタリと笑うベン風紀委員。




「よし。ロメインだったか?お前は風紀委員会が取り締まる。ついて来い!」




ロメイン君は顔を真っ青にして口をパクパクしている。


が、腕太の風紀委員達は容赦なく、担ぎ上げると連れ去って行った。




「シャナ先輩。あれ、ヤバいんじゃない?」




「だって、面白うそうだったから。つい。」とテヘペロするシャナ先輩。


「貸一つね。」とニャハハと笑いだす。


地が出てきました。




「それより、足大丈夫なんですよね?歩いてくださいよ?」




「痛いわ。こんな乙女が痛がっているのに降ろすの?」




「いや。はぁ~。わかりましたよ。茶道部までですよ?」




「ふふふ。ありがとう。よろしくね~。」とシャナ先輩は笑うのだった。


貸一つって高くつきそうだなぁ~。




僕は諦めてシャナ先輩をお姫様抱っこしたまま茶道部の部室へと足早に進むのだった。

いかがでしたでしょうか?

テンプレっぽいと言えばポイ気がしているのは私だけですかね?

「平民!」と怒鳴る貴族ってカッコ悪いっすね~。

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