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022 風紀委員会ってどこ?

こんにちわ。ボンバイエです。

恵方巻を食べる習慣は無かったのですが、いつの間にかスーパーなどのイベント販売に乗って買ってしまう近年。

今年も買ってしまいました。

ちなみに、ケーキ屋さんも恵方巻では無いけど、売り出しイベントをしてましたよ。

こうやって、文化になっていくのでしょうか?

トボトボと歩き、ふと思う。


で、風紀委員会って何処にあるのか?


という問題が浮上した。




「困ったな。」と僕は頭を掻く。


こういう時はインフォメーションセンターに行くのが良いのだが・・・。


とりあえず、案内図がある所に行こう。


その場所は知ってる。


一度、学舎を出て学園の案内図が載っている案内看板へと向かう。




パルメア学園は広い敷地面積を誇るので看板もデカい。


看板の上部には敷地全体図と建物名が載っており、看板の下部には建物内の施設名が入っている。




僕は、先ず下部の施設名から風紀委員会が設置されている建物を探す事にした。


風紀委員会、風紀委員会・・・あった。大体育館の横の建物か。


とりあえず、大体育館を目指せば良いのか。




「あの、すみません。」




これは、僕かな?


周囲を見渡しても僕ぐらいしか居ない。




「はい。なんでしょう?」




「貴方はジャック・マカロッサさんですよね?」




「はい?そうですけど?」




ほっとしたのか、その人は安堵した顔になる。


よく見ると、綺麗な顔立ちをした女性で大きなメガネが印象的だな。


小さめの身長だけど、大きな胸はかなり主張していて灰色の制服はきつそうだ。


あまり失礼にならない様に視線が一点に集中しない様に気をつけた。




「よかった。では出頭命令は御存じですか?」




うん?


正にそれの所為で今、動いている訳だが・・・。




「はい。」と頷くと目の前の女性は腕に巻いている落ち着いたブラウンカラーのワッペンを強調するように僕の前に見せつける。


そこには、「弁護委員」と文字が書かれていた。




「弁護委員?」




「はい。私は弁護委員のピアーノ・フォルトと言います。貴方の弁護を任せて貰えませんか?」




何それ?


弁護って普通は裁判の時に必要なモノじゃなかったっけ?




「えっ?裁判になったりするんですか?」




「いいえ。そうとは決まってません。これから行かれる出頭命令に付き添いますし同席するという事です。」




それは心強い。


そんな事も弁護士はするのかな?


弁護委員だったっけ?




「わかりました。よろしくお願いします。」




「はい。承りました。・・・これでお姉様達に怒られなくて済む。(ぼそ)」




「えっと?何かおっしゃいました?」




ビクッと肩を震わせたピアーノさんは「いいえ。なんでもありません。早速行きましょう。」と言って僕の肩を押して歩き出した。


僕も押されるがまま、歩を進める事にした。








◇◇◇◆◇◇◇








扉をノックする音が部屋に響く。


「どうぞ。」と部屋主の声がした後、扉が開かれ男が入って来る。


畏まった感じで男は頭を下げる。




「ピアーノが接触に成功したようです。」




男の報告に「そう。」と素っ気無い返事。


男は少し苦い顔になると部屋主の女性へと顔を向ける。




「本当によろしかったのでしょうか?」




「あら、貴方は反対?」と女性は男性へと視線を移すと目を細めた。




「いえ。ただ、間違いなく風紀委員会は快く思わないのでは?と思いまして。」




徐々に男の声は聞こえにくくなる。


それと同時に女性の目は険しさを増す。




「貴方の言いたい事はもっともだわ。」と笑顔を作ると頷く。




「だけど、私は彼等(風紀委員会)に気を遣わねばいけないのかしらね?」




目は細めたまま、口角を上げて笑顔となる女性のその言葉を聞いて男は肩を震わす。


「いえ。申し訳ありません。」と頭を下げる男は土下座をする勢いだ。


それを見て女は目を元に戻す。




「ジーン。良いのよ。貴方(ジーン)がいつも苦労してくている事は分かっているわ。」




妖艶な笑顔と言うべきか、その美しい顔に妖しさを纏った笑顔。


ジーンは女のその笑顔を見て頬を赤く上気させる。




「はっ!このジーン、エイリーン様の為、この身を捧げる覚悟でございます。」




「ふふふ。期待してるわ。今日は疲れたでしょ?ゆっくり休むと良いわ。




エイリーンは笑顔でそう答えるとジーンを部屋から下げさせた。


そのジーンは部屋から出るのを躊躇う感じであったが、素直にエイリーンの言葉に従った。


エイリーンはジーンが部屋から出るのを見送ると、鈴を鳴らした。


ほどなくして、二人の女性が入って来るとエイリーンは笑顔で出迎えた。




「やっぱり、男の子はダメね。」




「エイリーン様。それは仕方が無いかと。」




「あら?なんで?」と不思議がるエイリーン。




「男の子は馬鹿ですもの。それに。」




「それに?」ふふふと笑いながらエイリーンは先を促す。




「エイリーン様の魅力に憑りつかれない人間はおりません。」




「あら、嬉しい事を言ってくれるのね。ありがと。」エイリーンはそう言って笑う。


先ほどの怪しい笑顔とは違う、屈託のない笑顔である。


その笑顔を見て二人の女性もエイリーンと同じ様に屈託のない笑顔になる。


しばらくの間、三人の女性の笑い声が部屋を占領していたのだった。








◇◇◇◆◇◇◇








よくわからぬままに、風紀委員会の本部がある建物へと足を踏み入れていた。


建物の前には二人の風紀委員が立っていた。




「ジャック・マカロッサです。出頭命令につき出頭してきました。」と告げると「入れ。」と言われたのでそのまま入って来た訳だ。




「おいお前ら!気合いが足らん!!」という声がしたと思ったら、バシンと言う音と共に「ありがとうございます!」という声が聞えたりしている。




これ昭和の奴や~。


体育会系のノリと言いますか、愛ある体ば・・・じゃなくて愛ある指導というやつだな。


まぁ、日常茶飯事の出来事だったな。


あの時は。


隣でピアーノさんがビクビクしているが仕方が無いだろう。


見るからに文科系だもねこの人。




慣れると、「やってるねぇ~。」って思うだけなんだよね。


体罰はイカンとか、色々世間は煩いけれど、全てが悪って訳じゃないと思うけどね。


実際、それだけ厳しいからこそ結果を出す人も居たわけだし、イジメも少なかったのはそういう事も関係してるんじゃないかな?


今は、先生と生徒の関係がなぁなぁでさ、どっちが良かったのかね?


ただ、何でもかんでも体罰をすれば良いと思っていた馬鹿な奴は居たのは事実だけどな。


逆にゆとり教育が弊害になったしな。


どっちにしてもバランスが必要なんだよ。


偏ると碌な事にならない。




受付という文字を見つけてそこへ向かう。


役所みたいな感じに机が並んでいる。


そこには教室で見たグリーンのワッペンをした人達が机の前に座って黙々と作業をしている。


事務所って感じだろうか?




「すみません。出頭命令が出たんで出頭してきたんですけど。」




「はいは~い。」と奥からではなく横からやって来た人が対応してくれるみたいだ。




「お名前は?」と聞かれたので「ジャック・マカロッサです。」と答えるとニマニマとした顔になる受付係さん。


よく見ると、兎の耳の様な耳が付いている。


兎人だろうか?




「あなたが噂のジャック・マカロッサ君ですか~。」




「なんの噂か知りませんけど、そうです。」




ニマニマが深くなる兎人の受付係さん。


「じゃあ、こちらです。」と案内してくれるようで、ぴょんという感じでカウンターを飛び越えて来た。


「キリヴェル先輩だから、第二取調室だね。」とブツブツ言いながら兎人の受付係さんはどんどん歩いていくので、僕とピアーノさんは黙ってついて行く。




ちなみに兎人さんは灰色の制服を着ていた。


尻尾も兎の様な尻尾が生えている。




ここって風紀委員の専用の建物なのかな?


入ってきた入口の方へ進んで行く兎人の受付係さんは入口の両サイドにある階段を登っていく。


エントランスになっているので二階の部屋の入口が見える。


グルっと回る感じに上がると細い廊下があってそこを通って二階の踊り場へと行くと、いくつかの部屋がある事が分かる。


そして、第二取調室と書かれた名札がある部屋の前に着く。


よく見るとその名札の下にもう一つ小さい名札がついていてそこにはキリヴェル・ミルメアと書かれた名札があった。


もしかして使用者の名前の入った札も付けている感じだろうか?




「間違いないね。ここだね。」と言って兎人の受付係さんは扉をノックする。


返事は無いので、兎人の受付係さんは扉をそっと開けた。




「じゃあ、この中に入って、椅子に座っててくれるかな?呼んでくるから。」




僕は、ピアーノさんの顔を伺うとコクりと頷かれたので、「はい。」と言って中に入り用意されていた木の椅子に座る。


同じ様に横に用意されていた木の椅子にピアーノさんが座った。




「じゃあ、呼んでくるね。」と兎人の受付係さんは部屋を出て行った。


僕は「ふぅ~。」と息を吐き少し落ち着く。




「本当に、ついて来てもらって良かったのですか?」




「も、も、もちろんです。」




「大丈夫ですか?」




「ひゃい!しょっと、きんちゅうしているだけでぇす!」




何か話せば話す程、緊張が増している気がするんだけど本当に大丈夫か?


そのおかげなのか、それとも懐かしい匂いがする場所に来たからなのか、僕の緊張は無くなっていく。


「バン!」と勢い良く扉が開けられた。




「ほぉ、女連れで来るとはいい度胸だな。ジャック・マカロッサ。」




そこに現れたのは、あの教室に来ていたキリヴェル風紀委員だった。




「いや、別に女連れという訳じゃないですけど?」




「なに?!」




咄嗟に答えるとグワッという感じで僕へと寄ってくるキリヴェル風紀委員。


そこへ僕とキリヴェル風紀委員の間に入る様にピアーノさんが割り込んだ。




「そうです。偶々私が女であるだけです。私は弁護委員のピアーノ・フォルトです。今回のジャック・マカロッサ君の取調べに同席します。」




先ほど迄のビクビクした様子からは想像できないほど、キリっとした様子でピアーノさんは宣言したのだった。

学生時代に、委員会とか児童会とか生徒会とか、どうでも良くって気にしてなかったんですが、色々調べると国の縮図がそこにあったりしてビックリしました。

まずは、風紀委員と弁護委員の登場です。

弁護委員って何だ?って思いますよね?

僕もそう思いますが、必要なので登場させました。( ̄▽ ̄)

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