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020 茶道部

こんにちわ。ボンバイエです。

昨日紹介した江口先生の【とんでもスキルで異世界放浪メシ】なんですけど、めっちゃ気になるのが勇者召喚された他のメンバーなんですよね。

基本的に、異世界で飯食べるという内容なんですけどそれがまた本当に美味しそうなんですよね。

皆さんも是非一度読んでみて下さい。

ハマりますよ~( *´艸`)

賑やかで凄かった。


花火祭りを思い起こす程にごった返してた。


三学年の全てを集めると一万人くらいになるし、それに関係する人も沢山いる訳で、小さな市位の規模になる訳ですよ。


マンモス校な訳ですから当たり前ではあるね。




「ジャック君。元気だった?」




えっと、誰だろ?


とてもフランクに話しかけてくるけど、上級生に友達は居ないんだが。


灰色(グレイ)の制服を着た狐目の美しいお姉さん・・・狐目?


そうだ。


思い出した!




「美人局?!」




「つつもたせ?何それ?」




首を傾げて不思議そうな顔をする目の前の女性。


正確には美人局じゃないと分かっているいるけど、色香を使って騙そうとしたのは事実だよね。


色香って言っても前世の記憶によって子供で綺麗な女性としか感じないけど。


まぁそれは置いといて。




「何でもないです。それより酷いじゃないですか?飲むだけって言ってませんでした?」




「にゃははは。そんな細かい事気にするなんて女の子にもてないぞ?!」




「細かい事?あれが?」




イラっとして両手に力が入る。


そしてこの間と同じ様にピタリと僕の腕に腕を絡ませて寄り添う様に横に立つ女性は笑っている。




「まぁまぁ、そう怒らないでよ。実際、これから一緒に飲むじゃない?」




「はぁ?たしかに、約束なので行きますけど。」




「でしょでしょ。」と言いながら笑顔になるとギュギュっと身体を押し付けてくる。


はぁ。


口では敵わない気がしてきた。




にしても、授業もある筈なのに、なんでこの人は、僕の授業が終わるタイミングで教室の外で待ってるんだ?


「ニシシシシ。」と笑う女性は僕の顔の前に顔を覗かせると、「私はシャナって言うの。よろしくね。ジャック君。」と「にゃははは」笑う。


色々な笑い方をする人だなぁ。


シャナさんは僕を引っ張って「こっちこっち。」と連れて行かれる。


この流れは前回と一緒じゃん。




巻き込まれ感が半端ないのはなんだろうか?


こそこそ周りにいる人が何か言っている気がする。


自意識過剰だろうか?


違うな。


灰色の制服を着た美女が新入生の腕をホールドしているこの状況だからだろうな。


諦めろ俺。




「さぁさぁ、こっちこっち。」と言ってずんずん進んで行くシャナさんに引きずられる様に僕は歩いてはいない。


実際に引きずられている気がするが気の所為か?


たしかに足は勝手に動いてはいるけど、自分の力で歩いている感じがしない。


どんだけパワーあるの?




クスクスという笑い声が周囲から聞こえる。


それと同時に、男子からの視線が痛い。


これは誤解されているのではないだろうか?


いや、誤解されるような状況だな。


シャナさんはお世辞抜きで美しい女性だ。


グラマナスな体型は学校中の男子から視線を集めている事だろう。


狐目はその美しい容姿に愛嬌を与えている。


それがシャナさんの性格によるものなのかもしれないな。


とか、ちょっと現実逃避を試みるがそれで解決する訳じゃないしね。




「あの。シャナ先輩は獣人なんですか?」




「うん?私?」と言ってシャナ先輩が立ち止まる。


自然と僕も動きが止まる。




「はい。」と僕が答えると、シャナさんが僕の方へ振り返り目の前に立ちふさがる様に立ち僕の眼を覗き込む。


『近い』とは思いつつも口に出さずにシャナさんの金色の狐目を見返すとシャナさんはニコッと笑った。




「私は、獣人とエルフのハーフよ。ちなみに狐族の獣人ね。それがどうかしたの?」




「いや。その尻尾が気になって。」




「あぁ。これ?」とシャナさんは自分の尻尾を僕とシャナさんの間に動かす。


自分の意志で動かせるのかな?




「良いでしょう。結構便利なんだよね。」




「へぇ。」と僕はシャナさんの尻尾をマジマジと見る。


やっぱ狐の尻尾だよな。


全体的に金色で先だけ白い尻尾。


写真だけでしか見た事は無いけれど、狐の尻尾の特徴だよな?


狐にも色々種類があったはずだし、種類によっては特徴も違う様な気もするけど。




「ちょっと。ジャック君。女の子の尻尾をそんなにマジマジと見るのはどうなの?」




「あっ!すみません。」僕は失礼だったかもしれないと謝罪しつつ尻尾を触りそうな手をどけた。


その様子を見て、僕の行動が可笑しかったのかシャナさんは「くっくっく。」と笑う。


そして「もうすぐ着くよ。」と言うと先ほど迄と同じ様に僕を引きずりながら歩き出した。








◇◇◇◆◇◇◇








「へぇ。珍しい事もあるモノね。」




「そうですわね。」




ジャックがシャナに引きずられている様子を見て物珍しい様子で見る学生は多い。


ここにも、物珍しい目でジャックとシャナを見て話している二人の女性が居る。


いかにもお嬢様という感じの二人組の美女。


共に白い制服を着ている事からして三年生であろう事がわかる。




「キュア。あのシャナが連れている男の子は新入生よね?」




「黒い制服を着ていますからね。ヴィヴィの言う通りじゃないかしら?」




「そうよね。」とヴィヴィと呼ばれた女性は自身の赤いロングヘアーを手でふわりと浮かせるとニコリと笑う。


それに合わせたかのように青いロングヘアーをクルクルっと指に絡ませたキュアと呼ばれた女性もニコリと笑う。




「誰か人をやって調べさせましょう。」




「ふふふ。ヴィヴィったらそういう事が本当に好きなんだから。」




「そう言うキュアだって、興味津々じゃない。キュアは嫌なの?」




「もう。ヴィヴィ。分かっているでしょ?」




二人は見つめ合い「ふふふ。」笑い合う。




「じゃあ。決まりね。」




「ええ。楽しみだわ。」




優雅な所作で机に置かれたコップを持ち口に運ぶヴィヴィとキュア。


二人は意味深な目を交わし笑い合う。




いつも二人はこの場所でティータイムを楽しむ。


そしてその二人を守るかのようにその周囲には人が立っている。


その内の一人が頭を下げるとスッと動き出した。


何も無かったかのように、他の者は動かない。


ただ二人の令嬢の「ふふふ。」という上品な笑い声が聞こえるだけだ。








◇◇◇◆◇◇◇








結局、入部してしまった。


何故こうなった?


いや、はなからこうなると思っていなかったか?


連れ出された時には、そうなる気がしていたのは事実だな。


はぁ~。




シャナさんは茶道部の部室へ着くなり、ドアをド~ンと開け放ち中へ僕を引きずり入る。


その茶道部の部屋の中は和室部屋だったのだ。


そしてその部屋の中央にはカリアーナさんが着物姿で立っていた。




そこからは奥の茶室へと両腕を引っ張られながら連れて行かれて抹茶の様なモノを出されて飲まされて、足が痺れて動けなくなった所であのガチムチの二人が入部届けを持ってきた。


今回は逃げる事は出来ず、書かざるを得ない状況にされてしまった。


正座で我慢が出来ないとは、元日本人として恥ずかしいし、我ながら情けない。




「はぁ。」と僕は溜息をつきつつ茶道部の部室から出る。


「くっくっく。作戦勝ちだね。」とシャナさんは笑う。




「強制じゃないですか?あれは。」




「まぁまぁ。ジャック君。そんな事言って、断ろうと思えば断れたでしょ?」




意味ありげな顔で僕の顔を覗き込むシャナさん。


この人は悪い事をしたと思っていないのでは?




「普通は無理でしょ?」と恨めしい顔でシャナさんに言うと、シャナさんは笑った。




「普通はね。でも君なら何とか出来たでしょ?」と後ろから言われた。




「カリアーナ部長。それ、どういう意味ですか?」




「ふふふ。」と笑うだけでカリアーナ部長は何も答えなかった。


この人は何を考えているんだろう?




「ジャック君。この美しいシャナ様と一緒に青春の一ページを飾ろうじゃないか?」




「はぁ。」と再度、僕は溜息をつく。


色々と諦めきれないのだが、仕方が無いと思うほか無いのだろうか?




「とにかく、週三日だけなんですね?」




「ええ。週初めから一日おきに計三日。授業が終わってから来てくれてら良いわ。」




「わかりました。じゃあ、来週から決ます。」




「じゃあ、来週からも私が迎えに行ってやるよ。」




「いや。目立つので結構です。」




「そんな事言うなよ。私達の仲じゃないか~。」




「どんな仲ですか?」




『ふふふ~ん。』という感じで胸を張るシャナさんはニコリと笑う。




「腕を組んで学校中を歩き回って皆に見られた仲だろ。」




勝ち誇るかのようにシャナさんはド~ンという感じで僕を見る。


「今頃、ジャック君は有名人だろうね。」と笑うシャナさん。


その横に立ち「ほほほ。」と笑うカリアーナ部長は言う。




「茶道部にようこそ。ジャック君。」




目立つ事も一つの企みだったのではないだろうか?


かなり目立つこの二人が茶道部なのは有名なのかもしれない。


権力者の一人であれば、他の部が遠慮してしまうのでは?


僕は改めて「はぁ。」と溜息をついた。


誰だったか「溜め息つくと幸せが逃げるよ。」と言ってた人がいたが、僕の幸せは今日だけでかなり逃げてしまったのではないだろうか?




部室に入る前までは白く明るかった部室周辺は赤くなっている。


僕は顔をあげる。


眩しさのあまり手で影を作る。


赤く輝く夕焼けが僕達を包んでいた。

茶道部って皆さんはどういうイメージですか?

僕のイメージはやっぱ茶室なんですよね~。

それに王都のマンモス校なんで、ありかなっと( ̄▽ ̄)

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