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017 入学式の日。

こんにちは。ボンバイエです。

ちょっと最近面白い小説を見つけました。

この『小説家になろう』で書かれている小説で、女性向けであろうと思われるものです。


【転生しました、サラナ・キンジェです。ごきげんよう。】作者:まゆらん

https://ncode.syosetu.com/n3822hw/


というものです。

書籍化も進んでいるようです。

話はざまぁをしそうな環境に置かれる伯爵令嬢(転生者)の話です。

子気味良いテンポでストーリーが進み、爽快感あるストーリーです。

長編モノにしたいとおっしゃっているし更新は時間が掛かるともおっしゃっておられるので完結までにおは時間が掛かると思われますが、男性が見てもガッツリ楽しめる作品だと思います。

気になる方はぜひ探して読んでみてください。

面白いですよ~。

・・・自分の作品がロクに評価されていない人間が言うのもなんですけど・・・。

「ひゅ~。」と言う音の後に続いて「どん!」と腹に響く音が聞こえる。


「打ち上げ花火かぁ。」と独り言を呟く。


今日は入学日だ。


黒いつめ入りと呼ばれる学生服に身を包んで寮から出る。




「おぉ~。」




つい言葉が出てしまった。


寮から出て各寮から繋がっている大きな道にはズラリと屋台が校舎の方まで並んでいる。


これが噂の入学祭か。




ダルドメア王国が誇るパルメア学園は一年を通して毎月学園行事が行われる。






=====




学園イベント年間スケジュール




4月:入学祭


5月:体育祭


6月:音楽祭


7月:夏祭


8月:部活祭


9月:討伐祭


10月:学術祭


11月:文化祭


12月:武術祭


翌1月:魔術祭


翌2月:総合競技祭


翌3月:卒業祭




=====






毎月何かしらのイベントがある。


ちょっとわからないというイベントや、被ってるのでは?というイベントもある。


そして今月は入学祭という訳だ。




「どんだけ祭り好きなんだよ?」と心の中で言ってしまう程に【祭】と最後には付く。


とはいえ、この世界に娯楽は少ない環境だから、学園という国によって運営されている機関には娯楽を提供するという義務があるのかもしれない。


毎月何かしらのイベントを提供するという行為によって学園への理解を得るという事に繋がっていくのかもしれない。




僕は、屋台を遠目に見ながら道を歩いていく。


普通はここで声を掛けられるのだろうが、声を掛けてくる人は居ない。


決して僕が相手にされていないとかではない・・・と思う。


何故だろう?


まぁ邪魔されても困るタイミングなので良いのだが、一人も声を掛けてくれないのも寂しい気がする。




誰にも声を掛けられる事なく学舎まで来ると、『新入生はこちら』と矢印が描かれた看板が目に付く。


その矢印の方向に、僕と同じ黒いつめ入りの制服を着た人間が進んでいる。


つまり新入生という僕と同じ立場の人達だ。


僕はその流れに身を任せて一緒に進んで行くととても大きな建物が目の前に現れる。


大講堂と書かれた看板がある事から、ここが入学式が開催される場所で間違いない事が分かる。




そのまま受付列に並び受付を済ませ、一枚の紙を渡された。


そこには座席番号が書かれており、五階席へと歩いて向かう。


収容人数は最大で約三万人と聞いていたが、国内最高サイズなのは納得だ。


この建物の建築にはヘパイーストという名の世界的な伝説建築家とそれをサポートしたとされるダンバル一家という世界的な建築家集団が関わっているという。


ちなみに、ダンバル一家は現存している集団でありその技術は現在でも世界一位と言われている世界で活躍する世界的な建築家集団なのだ。




慣れない場所で圧倒される規模の建物の中に入ると、やはり厳かな気分になるモノだ。


中には興奮しすぎて倒れる者もいるみたいだ。


僕等は案内に従って進み席に着く。




会場内は壇上を中心に扇状になっている。


前世で記憶があるのは大学の講義室と呼ばれる物やコンサート会場とかで見た景色だ。


それぞれの階層も階段状になっている。


ここまではよく見た感じなのだが、違うのが席の設置が一席ずつになっており両サイドが通路である点だ。




席に着席すると今度は簡易的な机が横についている事に気が付く。


それも新幹線に乗った時に見るような造りの机だ。


なにこれ?建築レベルが現代日本レベルなんだけど?


それを見て鼻血を出している奴がいる。


あれ?さっき倒れてた奴じゃないか?




人間ウオッチングをするほど余裕はあるけど、それは別として驚きは常にある。


建築に対する知識は薄いけど、かなり凄い事なのでは?と思わされる。


この世界の技術レベルがわからん。


そう言えば、シャルマン商会の竜車列車もオカシイか。




「ちょっと良いかな?」




隣から声を掛けられた。


そこには綺麗に輝く黄金の髪に透き通る美しさを持つ蒼い目に整った顔立ち。


女性向けゲームの攻略対象に成り得るその容姿。


美少年キャラがそこには居た。




「やぁ。初めまして。僕はジョージア・タスティ。君は?」




「僕?僕はジャック・バ、マカロッサです。」




「ジャック君かぁ。これから三年間よろしくね。」




「よろしくお願いします。」




なに?この爽やかイケメン?


その上、この落ち着きようは?


前世の記憶持ちである僕でもここまで落ち着いている自覚は無いぞ?


何か慣れを感じるなぁ。




『バチン。』という音と共に全体照明が切られた。


『バン!』という音と共に壇上の一部にスポットライトがあてられた。


そこには白髪ロングひげを生やしたハ〇ー〇ッ〇ーに出てきていた魔法学校の校長では?と思うような容姿をしたお爺さんが立っていた。


もちろんの様にロングコートを羽織っており銀色に輝いている。




「未来ある若者たちよ。未来のダルドメア王国を担う者達よ。パルメア学園によく来た。私は由緒あるパルメア学園の学園長をしておるナルバート・パルメアじゃ。これから君達はこの学園で最高峰の智識と技術を学び、優秀な友を得る楽しい学園生活がまっておる。」




ナルバート学園長は時間をかけて両手を広げると僕たち入学生を見渡した。




「ただし、有意義な時間となるのか?はたまた、無意義な時間となるか?」




気が付くと、ゆっくりとした口調・大振りな動きのナルバート校長の言動に、ざわつきのあった会場は静かになっていた。




「それは全て、君達自身の行動によって決まる。」




どこからか、『ゴクリ』とノドが鳴る音が聞こえる。


何か、こう緊張感が張り詰めるというか、ピリッとなるというか。


この大きな講堂は静寂によって支配される。




「このパルメア学園での三年間が、君達にとって有意義な時間となる事を切に願っておる。」




ナルバート学園長が会場内の新入生の僕達を改めて一人一人見るかのようにゆっくりと見渡す。




「新入生諸君。改めて歓迎しよう。ようこそ由緒あるパルメア学園へ。」




その言葉が合図だったのか、壇上の奥のカーテンがサーっと開く。


そこには楽器を持った人々が指揮者の方へと向いて座っていtあ。




「それでは、パルメア学園の入学祭のスタートじゃ!」




指揮者によって指揮棒が踊り始めと同時に音楽が鳴り始める。


厳かな、それでいて歓迎されている事が伝わってくる優しいメロディー。


そこから歓迎されている事が伝わってくる音楽会の始まりだった。






◇◇◆◇◇






「ナルバート学園長。いかがでしたか?」




紫色のローブを着込んだ神経質そうな年配の男が、壇上から降りてきたナルバート学園長に近づくなり質問を浴びせた。


ナルバート学園長はニヤリとした顔を見せると一度頷く。




「ふむ。今年は豊作のようじゃな。期待できるぞい。」




「おぉ。左様ですか?それは頼もしいですな。では早速クラス決めを始めましょう。」




「そ、そうじゃな。」と肩を落としたナルバート学園長をしり目に近くに立ち待っていた教師陣に指示を始める神経質そうな男。




この入学祭の開会式後にクラス決めが始まるのが、このパルメア学園の通常運転である。


なぜなのか?それはこのガッカリと肩を落としたパルメア学園の学園長であるナルバート・パルメアの能力に由来する。


ナルバート・パルメアはこのパルメア学園の創始者であるパルメア一族の中でも傍流の出自であり、正統的な血筋から遠い。


血筋的には、それこそ継承順で言えば50位を軽く超える順位であった。


しかし、先代の学園長である遠い親戚にあたる叔父により、ナルバートの持つ能力に目を付けられ半強制的に後継ぎとして決められたのである。


その能力とは、鑑定と暗記という二つのスキルである。


「なんだ。そんな事か。」と思うかもしれない。


たしかにそれぞれのスキルはこの世界においてそんなに珍しいスキルではない。


しかし、同時にこの二つのスキルを持ち得る存在は希少なのである。


さらに、稀代の大魔術師としても名を馳せてもいる。


それもこの二つのスキルによる恩恵である。


鑑定のスキルを使い自分の能力を把握して得意不得意を伸ばし、暗記スキルを使い魔術という名がつく全ての魔術の術式を記憶して使用する事が出来るのである。


これ以上ないほどに、スキルを活用して自身を鍛えたのである。


稀代の魔術師というだけでも、学園長にと押されるであろう。


そこに、鑑定と暗記スキルが加われば、指導者としての素質があると想像がつくだろう。




そしてもう一つ。


その能力を一番発揮するのが、この入学祭におけるクラス分けなのだ。


鑑定スキルを使って素質を調べ暗記スキルでそれを暗記してしまうのだ。


ただ、欠点は学生の数が半端ないので、ナルバート学園長の負担が非常に大きいということだ。




「さぁ。ナルバート学園長。行きましょう。会議室の方は準備万端です。」




「わかった。わかった。そう急かすな。」




口では急かすなと言いつつも、時間が少ない事は分かっているナルバート学園長はため息交じりに動き出す。




「おぉ。そうじゃった。」と不意に立ち止まり後ろを歩く神経質そうな年配の男に顔を向ける。




「ドリアス教頭。二人、気になる者がおってな。」




「ほぉ。珍しいですな。」




「鑑定できなかった者がおったのじゃ。悪いがその者達を明日にでも学園長室に案内して連れてきてくれんかのぉ?」




ドリアス教頭は驚きのあまり声を失ったかのように立ち止まった。




「なぁに、初めてのことではないからの。そんなに驚く事はない。完璧なものなぞ、この世にそんざいせぬわ。まぁ例外がないとは言わぬがの。」




「そ、そうかもしれませんが、私が知る限り、ナルバート学園長がそのような事を申されたのは初めてなので驚きますよ。」




「ほっほっほ。そうじゃったかの?まぁ、とにかく、気になるのじゃ。時間を作ってくれ。」




「わかりました。準備いたしましょう。」




「すまぬな。」と詫びを口にしたナルバート学園長はその気になる者達の名前をドリアス教頭に伝えるとそそくさと会議室へと入っていったのだった。

いかがでしたでしょうか?

これぐらい、入学式などでは校長の話が短いと助かると思いませんか?

同意だと思われる方は下の☆に色を付けてやってください( *´艸`)


まぁ、先達がこれからの若人を見ると色々と言いたくなるのは、今の私には分かりますが、当時には一切そんな事関係なかったですからね。

馬耳東風ってやつでしたよ。

あっ違うかな?

馬の耳に念仏でしょうか?


まぁ、若いうちには他に気になる事が一杯ありますからね。

例えば異性とか流行とかね。


社会人になって思うのが、聞く体制をとらせる事が重要だと認識しましたけどね。

そういう意味では、私が遭遇した校長たちはそれが出来てなかったのかもしれませんね。

それは言い訳ですかね?

あははは(*'ω'*)

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