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011 思い返す者。 

こんにちはボンバイエです。

今年もお餅が大量に残ってしまいました。

「どうやって食べる?」と聞かれて、返答に困る日々の始まりです。


その後、僕に待っていたのは訓練と勉強の日々だった。

城に居た時より厳しい訓練と勉強の日々はとても充実した日々だった。


この世界には多種多様な魔法が存在する。

大きくは属性魔法と召喚魔法に分けられる。


属性魔法とは、その名の通り属性による現象を起こす魔法である。

火・水・土・風・雷・光(陽)・闇(陰)・空の八大属性が属性魔法の中での大きな分け方だが、その中には炎・氷・金・嵐・電気・聖・邪・時などの枝わかれがある。

また二つ以上の属性を混合させる混合魔法もある。

混合魔法は組み合わせにより属性分けもあり纏めて混合魔法と言っているが、研究所などでは闇火魔法とか光火魔法とか枝分かれしている。



また、それらとは分けて生活魔法という分野もある。

こちらは属性的分かれを示すモノでは無く、生活に使用する為に特化した魔術が中心になるものだ。

魔法と魔術の違いは術式があるか無いかという違いがある。

術式とは、その現象を起こさせる為に術を用いるという事である。

魔術は術式を組み込む事で同じ現象を起こさせる技術の事でもある。

どちらが優れているのかという点においてはいくつもの説がある。

魔術は基本的に術式を組む必要があるが、術式さえ組めば誰でも同じ現象を起こす事が出来る。

魔力の大きさはそこに関係しない。

一方、魔法は術式が無い。

個人の才覚によって現象を引き起こすというモノである。

万人に使える訳では無く、その個人が生み出すモノである。

またその現象も魔力量によって変化が有り、特性が合えば同じ火の魔法でも現象の大きさが違ったり魔力量の使用量が違ったりする。


共に一長一短がありどちらが上という訳では無いのだ。

ただ、始まりは魔法からである。

魔法による現象を発現させた者が、後世に伝える為に編み出したのが魔術なのである。

魔法というモノを技術の介入が出来るモノにしたこの世界は進化していると言えるだろう。


さらに魔術を中心にしたサポートに特化した魔法が付与魔法と呼ばれるものだ。

付与魔法は魔術の発展とともに進化している魔法だと言える。

逆に魔術という術式が確立されないと使うことが非常に難しい魔法の一つだ。

簡単に言うと、感覚で使用する魔法では効果にバラつきが出てしまい危険が伴いやすいモノなのだ。

そしてもう一つ、武器や防具や道具に対する付与の質を高める事に繋がっている。

術式があるからこそ、半永続的な魔法の交換を道具に付与できる様になったのだ。

魔術という術式の発展の一番の貢献はこれかもしれない。


そして召喚魔法である。

召喚魔法には呼び出し力を借りる相手によっての分類がある。

精霊を呼び出し精霊に力を借りる魔法が精霊召喚。

悪魔を呼び出し悪魔に力を借りる魔法が悪魔召喚。

魔物を呼び出し魔物に力を借りる魔法が魔物召喚。

神仏を呼び出し神仏に力を借りる魔法が神仏召喚。

とは言え、神仏と悪魔については現場は理論的なモノであるらしい。

悪魔召喚は成功した例はあるが、神仏召喚は今の所無いと言われているらしい。

本当かどうかはわからないけど。


そして、精霊魔法というモノが精霊召喚に含まれる。

精霊魔法は召喚とは違い、周囲に存在する精霊を使役して現象を起こす魔法だ。

僕がここまで来る間に使用した魔法がそうである。



僕は全ての魔法を教えられた。

教えられても出来る訳では無い。

だが、基本原理や成り立ちは理解できる。

精霊魔法は生まれつき出来ていた。

今後の課題として精霊契約と精霊召喚だ。


その二つ精霊魔法の先生はブリエンド・セリエンデスという名のダークエルフの人だった。

褐色の肌に(シルバー)(ヘアー)が前世のギャルを思い出させた。

僕が高校生ぐらいの時に全盛を誇ったギャル達はその後ガングロという少し趣向の変わった姿へ変貌していったが、肌黒ギャルが思い出される。

とはいえ、こちらは地なので透明感のある褐色肌であり、エルフ族特有らしい彫刻のような顔立ちの自然な美しさを持った人だったが。


『君ほど精霊から好かれる人間は珍しい。頑張って魔力を上げる事だ。』と褒められた上で精進を促された。


魔力が高いほど高位の精霊と契約できる可能性が高まるらしい。

精霊は魔力を測りその者の力の目安にするという。

だからこそ魔力量が必要なのだと説明された。


ちなみに魔力の質も重要らしいが、僕が精霊に好かれている要素がその魔力の質に関係していると言われた。

つまり僕の魔力は精霊好みであり、質については精霊使いとして最上級だそうだ。

まぁ、今の僕には理解はしていても認識はまだだ。


また、僕は火属性に対する適性が高い。

適性ランクはSで次に高いのが光属性と空属性でA。

水と風の適正はB。

土と雷属性はCで闇属性がD。

最低ランクはFというから、そこそこ良いのではと思ったら、Sが一つでもあれば優秀なのだとか。

あくまでも適正ランクなので、実際の能力には関係しないので調子に乗らないようにと魔法の先生であるアルファ先生に釘をさされた。


アルファ先生は人間族で僕と一緒だ。

白髪と白い長い髭が特徴でこれぞまさしく魔法の先生という感じがする人だ。

元々は貴族の出だそうで、どこぞの国で宮廷魔術師をしていたそうだ。

アルファ先生は魔術を得意とする魔法使いで、賢者の称号を得ている人だという。

これは、ミーリアさんに聞いた話だから間違いないだろう。


余談だが、今の家族の中でザバルティさん以上にミーリアさんを僕は信頼している。

【パーフェクトウーマン】という称号があれば、間違いなくミーリアさんは持っているはずだ。

ミーリアさんがミスをした所を僕は一度も目にしていない。


まぁ魔法はそこそこ使えていた事もありどちらかと言えば優秀かもしれない。

だが、武術は・・・全般的に苦手としている。


それはどうも僕が転生者である事が関係している様な気がする。

人を刺す、突く、切る、叩く、殴る、蹴るという行為に忌避観があるようだからだ。

全て実践的な訓練が中心なので、いざ相手を目の前にすると躊躇してしまうのだ。


練習では問題なくても、相手を見た瞬間に武術による攻撃を繰り出したら、こうなってしまうのではという想像が働いてしまい、動きに精彩を欠いてしまうのだ。


もちろん城でも武術は嗜みとして習っていた。

基礎的な事はわかっているのだが、どうしてもしてを見ると想像が先に立ってしまう。

特別素質が低い訳ではない様で最低でもBランクであり、SランクがないだけでAランクの適性が多い。


実能力でも城で習っていた剣術はCランクまで上がっている。

Aランクの素質の剣術がそれなので、他も軒並み実能力はほとんどがDになっている。

国の騎士レベルにはなっているらしいのだが、『実践においては、死は免れないだろう。』とギンチヨさんに言われた。

武術においては覚悟を決めなければ、実践では使えないだろう。


それはギンチヨさんだけではなく剣術の先生であるトールス先生にも言われた。

さらにトールス先生から『もったいないが、仕方がない。覚悟ない者には武術は極められないからな。』と諦めの言葉を頂いてしまった。


トールス先生は人間族であり若い。

20代ではないだろうか?

『こう見えて苦労しているんだぜ?』と言って遠い目をするのが常だった。

背も180センチ位はあるし、顔も良く爽やかな装いなので異性にもてるだろう。

それが苦労に繋がっているのではないかと邪推してしまう。

硬派ではないのであながち間違ってない気がする。


前世の記憶は成長にも影響を及ぼした。

やる気と理解力が違うのだ。

もしかするとそもそものスペックが違うのもあるのだろう。

とにかくたった二年間ではあったが、濃い二年間だったのは間違いがない。

若い時にどれだけ集中して物事にあたる事が出来るのかでこんなにも違うものかと感じた。

前世の僕に言いたい。


『若い今のうちにしたい事をしっかりやって、できる事は何でもやって、何でも吸収しとけ。それが将来の自分の財産になる。』


前世の学生だった当時の先生や先達からもらったアドバイスはこの世界にきて改めて実感し、感謝の念が沸き上がってくる。

あの時は『うぜぇな。』としか思わなかったんだけどな。


「準備が出来たよ。」


下の階からザバルティさんの声がした。


「わかりました。今降ります。」


僕は椅子から立ち上がり部屋を後にした。





基礎訓練の日々は飛ばしてしまいました。

地道に訓練しているエピソードはまたの機会にしようと思います。

要望があれば・・・ですが。( *´艸`)

多分、ないでしょう。

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