幸せな人、辛い人
『孤独』
それは入学式の日。
桜の香りと共に、心地よい風が流れていた。
何処かぎこちなく話す人、元気よく挨拶する人、その場には色々な人種が集まっていた。
当然、僕は誰とも話さなかった。
会話するのが面倒で、一人の方がずっと楽だったからだ。
家に帰ると、母親がこう聞いて来た。
「友達できた?」
心配かけたくないし、今までもそうして来たから、軽く誤魔化す。
「入学式初日なんだから、出来るわけないでしょ。でも、気が合いそうな人は居たから」
母親はニッコリと笑った。
『集団』
それは入学式の日。
花びらの舞う中、堅苦しい空気が流れていた。
隣の人に、ぎこちなく話しかける。すると彼は、元気に答えてくれた。
当然、話は続かなかった。
会話をするのが苦手で、いつも周りの話を聞いているだけだったからだ。
帰り際、別の高校に行った友人達を見かけた。
「あ!皆ん…」
話しかけようとした瞬間、彼女らのこんな会話が聞こえる。
「そう言えばさ、いっつも私達について来るだけのあいつ、どうなったのかな?」
「さあね。それより…」
彼女達はケタケタと笑った。
孤独だからこそ自由で気楽に生きる、猫の様な人っていますよね。羨ましい…
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