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関西弁女の子と年下クール少女の『進路』

作者: ◆smf.0Bn91U

 前回書く上で設定してたものを晒しながら、日常会話のようなことが出来ないものかと練習を兼ねて書いたものです。

 相変わらず今の個人的なブーム全開です。ご注意を。


前:https://ncode.syosetu.com/n6162fm/

「そう言えば先輩、勉強は大丈夫なんですか?」


 訊ねたその瞬間に、先輩の顔色がサーッと青くなった。

 さっきまで何故か嬉しそうにしていただけに、少し申し訳ないことをしてしまった気がする。


「いや当たり前やん。今日も予備校の帰りやし」

「先輩の予備校って、夜ですよね?」

「……そういう説もあったなぁ……」

「いや説とかではなくて」


 さっき告白についての話をされてからの続き。

 相変わらず二人並んで駅に向かいながらの会話である。


「先輩、今年大学行く気あります?」

「いやあるに決まってるやん!」

「本当ですか~?」


 疑惑の瞳を向けてしまう。

 正直言って、先輩には今年ちゃんと、私と同じ大学に入ってほしい。


 そしたら年齢は違うながらも同級生だ。

 それを理由に、今は出来ない名前の呼び捨てとかが出来るかもしれない。


 そしてそのまま距離が近づいて付き合うとか……いやこれは高望みか! いやでも案外そういう感じでいけたりとか──


「本当やで! 厳密にはたった今本気にならなって改めて自覚したんやけどっ!」

「──って今っ!?」


 なんで今!? 何かキッカケあった!?


「せやで。まあ大丈夫やから安心してって。ウチは約束は守る女やから」

「……う~ん……?」

「そこを疑問に思われるのは心外やなぁ……」

「いえでも先輩、よく待ち合わせに遅刻するような……」

「それは……ごめんやで」


 反論の余地なく先輩に非があるので、素直に謝られてしまった。


「う~ん……遅刻な~……本当は破りた無いんやで? あんさんとの約束やし」

「じゃあどうしてなんですか?」


 サラりと、私との約束だから破りたく無いと言われたことが嬉しかったが、あまりのもナチュラルだったため遅れて理解が来てしまった。

 ここで素直に反応できたらもうちょっと仲が進展できそうなんだけど……。


「どうして言われてもなぁ……いや、でももう言っても大丈夫か……」

「もう? なにか時効みたいなことですか?」

「時効言うか……ん~……まあ良いか。恥ずかしいけど」


 恥ずかしい?


「いや実はな、慣れへんお洒落に気を遣ってたっていうか……まあそんな感じなんよ」

「お洒落……?」

「なんていうかウチ、自分が可愛い服着たりとか化粧したりとか、そういうの、あんさんとよく会うようになるまで気にしたこと無かったんよ」


 言われてみれば確かに、あの頃の先輩は化粧っ気も無く、髪も「ただ面倒くさいから短くしてるだけ」って感じがしていたように思う。

 ……あの頃は特に何も思わなかったけど、改めて思い出してみるとあの先輩も十二分に可愛いなぁ……。


「でもやっぱな、あんさんが相手やから可愛く見られたくなったっていうかな。

 それでまあ、服選んだり、髪整えたり、そういう慣れへんことやってたら、つい遅くなってしもうて……」

「それは……なんで──」


 私が相手だとそう思っちゃったんですか?

 ……って訊いたところで、私が周りに変に思われないようにとか、そういう理由なんだろう。

 私にトキメイてもらいたいとかだったら嬉しいんだけど、そうそういい結果なんて出てこない。


「いや分かるよ!? そんな理由で遅れるぐらいやったら、事前に連絡するとか、もっと早く起きるとか、対策色々あるやんって言いたいんやろ!?」

「いやそんな……」

「せやな……まあ言い訳やな、ただの。

 結局はウチ自身に遅刻グセがあるってことやろうしな」

「……まあ、先輩がキレイになるための努力だったって言うんなら、何も悪くないと思いますよ?

 むしろ私としては嬉しいですし」

「ほんま~? ありがとうな」


 ……私としては結構勇気を振り絞ったつもりだったのにこの感じ……。


「…………はぁ~……」

「えっ、ため息!?」

「いえ良いんです。私が悪いですから

 それよりも、ですよ。

 話を逸れに逸れてる気がするので戻しますけど、勉強は大丈夫なんですよね?」

「ちっ」

「ちっ!?」


 この人……ワザとやってたのか!?


「先輩酷いっ! 私のトキメキを返せっ!!」

「いやそんな大げさなことじゃないやろっ!?」

「さっきの私のためにキレイになってて遅刻していたって言葉、嬉しかったのに!」

「そこは事実やから! 誤魔化すためのウソとかじゃないからっ!」

「じゃあ私のこと好きですかっ?」

「当たり前やん! 大好きやでっ!」

「っしゃあ! 言質取ったぁっ!」

「ウチ何回か言うてないっ!?」


 ……………………なんか、話の流れの持って行き方を間違えている気がしてきたぞ……?


「先輩、ここは一旦落ち着きましょう」

「急に大声上げだしたあんさんが言うのは何か間違えてる気ぃするけど……分かった。納得したろ」

「つまりですね、私は先輩と同じ大学に通いたいんですよ」

「それはウチも同じ気持ちやで」

「だから、勉強はちゃんとしてるんですか? って話なんですよ」

「だからしてるって。

 ただまあ……うん。

 一つ、嘘を吐いてたことは謝るわ」

「嘘?」

「実はウチな、予備校行って無いねん」

「えっ!?」


 それは……えっ?


「じゃあ先輩は、ずっと予備校通ってるフリしてたってこと?」

「まあ、そうなるな」

「それは……なんでまた。

 親でもない私を相手に……」

「いや親相手にするほうがタチ悪いやろ」


 まあ学費をくすねていることになるのだから、それはそうなんだけど……。


「まあでも、今日の話で何となく分かったわ。

 あんさん、結構ニブいもんな~……」

「は?」


 まさか、こちらの告白に気づいてくれない先輩にそんなこと言われるとは……。


「全部言わな分かってくれへんってことやろ? 良いよ。

 これからはちゃんと、全部言うようにするわ」

「……それで、なんで予備校通ってるって嘘を、私に吐いてたんですか?」

「だってそうしな、ここまで来られへんやん」


 まるでその言葉を発するタイミングを狙っていたかのように、私達は目的地に辿り着いた。


「あんさんが通学に使うこの駅までのちょっとでも、ウチはあんさんと話したいんよ。

 だからこの後、電車使って予備校通ってるってことにしてた。

 それだけや」

 本当は前回で「下校」って単語を使ってなかったら、ちゃっかり「スクールラブ」のタグを外して「オフィスラブ」にしてやろうかと考えたりもしましたが、無理だったので普通に書きました。

 次書く機会があれば、また第一話の感じに戻したいなと思っている感じです。

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