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お隣さんが俺の姉?!  作者: 恋夢
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出会い

 四月――入学式


 山神九十九は高校生になった。

「ここが、白鳥高校か……」

 校門の前に立ち学校全体を眺める。

これから始まるであろう高校生活に胸の高鳴りが押さえ切れない。

 学校に一歩踏み込む俺は今日から高校生だ。


「えー、であるからに――」

 校長の長ったらしい話しなんて当然聞いてなどいなく、これから始まる高校生活をどうやって送ろうか考えていた。

「以上を持ちまして入学式を終了します。 新入生は1組から順番に退場してください」

 やっと教室に入れるのか。 これからどんな学校生活が始まるのか楽しみだ。


「ただいま〜」

 誰も居ない家に俺は独りでに呟く。

そうだ、俺は一人暮らしを始めたんだ。

一週間前から始めたのにもかかわらず未だに家にに帰ると自分以外誰も居ない事に違和感を感じる。

俺はわざわざ家から離れた高校を選んで受験したんだ。

 一人でやって行かなくちゃ行けないのに部屋はまだ、段ボールがいくつも積まれている。

「よし、片づけるかぁ……。 いつまでもこのままじゃだめ出しな」

 一人で暮らす分には広すぎるせいか、孤独感というか虚無感に覆われてしまう。

一通り片付けを終わらせ休憩する。

 結構片付けたような気がする。気がするだけで実際はまだ、残っている。

「うわ……。 これ、味付けミスったな」

 作り方を見ながら見よう見真似で作った焼飯が思ってた以上に辛かった。

夕食の片付けを済ませ、風呂に入り俺は明日に備えて早めに寝た。


 朝、やたらと大きく設定してしまった目覚ましに叩き起され、眠い目を擦りながら朝食を作った。

 作ったと言っても簡単な物ばかりで誰でも作れる程度のクオリティだ。

「行って来ます」

 つい、癖で言ってしまった。

こないだまでは言うのが当たり前だったから仕方無いのかもしれない。

癖というのは簡単に抜けないからなぁ……。

そんな心底どうでも良いようなことを考えながら駅に向かう。

相変わらず広いなぁ……。 ここまで広いと流石に迷ってしまいそうだ。

実際何度も迷ってしまってるから迷わない何て保証はない。

駅のホームで電車が来るのを待っていると辺りをキョロキョロとしている女性がいる。

ふと、視界に入ってしまったのだ。

身長は俺より低く小柄な感じで、赤髪で髪がかなり長い俺と同じ白鳥高校の制服を着た女性だった。

何かに慌てた様子で歩いている。

何か無くしたりでもしたのか?と聞きたくなってしまうほどの慌てようだった。

当然俺にはそんな勇気はなくただただ女性の姿を見ているだけしか出来ないでいた。

 ずっと見ているなんてただの変人にしか思えないじゃないか。 そろそろ電車も来るし、気にするのは辞めにしよう。

そう思ったものの、ちらちらと気になってしまっていた。

そして、いつの間にかその女性は俺の目の前に立っていた。

「あのー、白鳥高校の生徒ですよね?」

「あ、はい。 そうです」

「電車ってこのホームで合ってるんでしょうか?」

「は?」

 思わず声が漏れてしまう。


 俺の他にも多くの白鳥の生徒がいるホームで間違ってるかどうかの確認?

いやいや、流石にネタでしょ。


女性の方を見れば彼女はきょとんとした様子で俺の事を見ている。

そして、何故か慌て始める。

「あわわ……。 こんなに沢山の生徒が居たんですね。 変なことを聞いてすいませんでした」

あぁ、今気付いたのね。

てことは、本気で不安がっていたのか。 大丈夫かこいつ、この先通って行けるのかよ。


 朝からよくわからないのに絡まれたせいなのかクラスに入るのに不安になってしまった。

あんな人ばかりだったらどうしよう。なんて、つまらない事を考え教室の前に立ちすくんでしまう。

「ちょっと、いつまでそこに立ってるの。 邪魔なんだけど」

「あ、ごめん……」

 今の子にめっちゃ睨まれた。 超怖かった。

てか、ここに入って行ったってことはクラスメイトって事だよな。

あんまり関わることなさそうだから良いけど、絡まれない様にだけ気をつけておこう。

恐る恐る教室に入ると、なんだか賑わっていた。

やっぱり、同じ中学から一緒に来ているやつとかも沢山居るんだろうな。

果たして、俺は彼らの輪の中に入れるのだろうか。

 黒板に貼ってある座席表を確認し、席に座る。

一番後ろなせいか周りがよく見える。

 不意に前に座っていた男が後ろを向き話しかけてくる。

「君が俺の後ろの……山……山神きゅ……きゅうじゅうきゅう!」

「つくもだ。やまがみつくも」

「おっけー、九十九ね。 俺は八代鋼だ。 鋼でいいよ。 よろしくな」

「よ、よろしく」

 何か仲良くなった? これは、最先良いんじゃないかな。

話しかけてもらえてちょっと嬉しかった。


「お前ら席付け。 私は、このクラスの担任を務める中谷麗香だ。 さて、急ぎで悪いが、体育館に今から行く。 新入生歓迎会があるのでな」

 担任言われるがままに着いて行き、体育館に案内される。

外でクラスごとに待機していると、中から「新入生が入場します」なんて聞こえてくる。

前から順に続々と体育館に入っていく。

拍手の音が聞こえる。 歓迎されているってのは気持ちが良いな。


「新入生の皆さんご入学おめでとうございます――」

 あ、あの人。 駅であった人じゃん。

先輩だったのかよ。 同級生だと思ってた。

一年間どうやって通ったのかものすごく気になる。 機会があったら聞きたいくらいだ。

「――在校生代表、神崎優衣」

なんか色々考えてたせいで気がついたら終わってた。

全然話聞いて無かったけど、大丈夫だよな。

一通りの話しが終わり、教室に戻ると自己紹介が始まった。


「改めて、このクラスの担任をする中谷麗香だ。 担当教科は英語。 よろしく」

 何というか、怖そうな先生だな。 怒らせたら何されるかわかったもんじゃない。

「それじゃ、出席番号一番から順に前に立って自己紹介してくれ、終われば今日はそれで解散だ」

 先生の自己紹介が終わり順番に自己紹介が進む。


「柊美琴。 よろしく」

 あ、朝俺に話しかけて来た人だ。 なんだか素っ気ないな。


「八代鋼。 鋼って呼んでくれ俺も皆のことを名前で呼びたいから早めに覚えるよう頑張ります。 よろしく」


「や、山神九十九。 大阪からきました。 よろしくお願いします」

 あー、緊張した。人前に立って話すのはやっぱり苦手だなぁ……。

このクラスで一年間やっていけるのか不安だな。 頑張ろう。


「九十九〜! お前、家どっち方面?」

「え、こっちだけど」

「お前、千葉から通ってんのか。 俺と逆方向だな。 じゃ、また明日」

なんかやっぱり勢いが強いよなぁ……。

電車が来るのを待ちながらスマホを弄る。

「はうっ」

 俺に何かがぶつかったと同時に軽い悲鳴が聞こえる。

この人、朝の人じゃん。 名前なんて言ったっけ。

あぁ、そうだ。 神崎優衣先輩だ。

「大丈夫ですか?神崎先輩」

「だ、大丈夫です……。 え、今先輩って言いました?」

「はい、言いました」

「なんて、言い響きなんだ。 もう一回言って後輩君」

「俺、後輩君じゃなくて、山神九十九って名前があるんですけど先輩」

「ふむふむ。 じゃあ、九十九君ね。 私、神崎優衣」

 さっき名前呼んで声かけたんだけどな……。

「よろしくお願いします。 神崎先輩」

 ただ、よろしくとだけ言ったのになんかものすごくドやられてる。

ここは、敢て触れないでおこう。

まさか、最寄り駅まで一緒だったとは思わなかった。

「先輩家どの辺りなんですか?」

「えっとね、あそこのマンションあるでしょ?そこの201号室」

「え?」

いや、それ俺の家の隣じゃん。

「え?ってどうかした?」

「あぁ、すみません。 家が隣だったもので」

「え、えぇ?!」

いや、驚き過ぎだろ。 俺もめっちゃ驚いたけどさ。

お互い家に着くまでの間無言が続いた。 今日知り合ったばかりなのに衝撃が凄かったのかもしれない。

なんというか、若干気まずい雰囲気だった。

明日から一体どうなるのか不安で仕方が無い。

はい、皆さんお久しぶりです!

現在連載中の作品を楽しみしてくださっていた方もいらっしゃるかと思いますが、しばらくの間はこちらの作品に力を入れさせて頂きます。

というのも理由がありまして、ここで言って良いのかわからないためはっきりと言えませんがこの度私恋夢は夢の第一歩をこの作品と共に踏み出したいと考えております。

意見、感想等是非是非書いてくださいね!

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