12フレーム目 『アサーティブ・コミュニケーション』
「自分の意思も、相手の意思も大事にする、って意味らしいよ」
シイナは、覚えたての知識を僕に投げてきた。
なお、僕らは今、赤い龍と戦っている
「初めて聞いた」
龍は咆哮し、体をひねってシイナにしっぽで攻撃を仕掛けた。
しかし、シイナは素早く飛び上がり、しっぽを回避する。
「都で新しいカフェができたって聞いたの!行きたい」
僕は龍の死角をキープしつつ走りながら、応える。
「本当は西の町に予定があるけど、キミの予定に合わせる」
「それ!そういうのがアサーティブとは逆だって!」
「そうなの?カフェに行きたいんだろ?」
「行きたいけど!」
「ちょっとまて!こっちに来る!」
赤い龍が二足歩行でどすどすと迫ってきた。彼女に応えてる暇はない。
「くっ!」
僕は切っ先を、迫る龍の額に向けた。
「これで、終わりだ!」
次の瞬間、赤い龍が、まばゆく光りだし、動きが鈍る!
「!」
「今よ」
僕は素早く飛び上がり、剣を龍の額に突き立てた!
一瞬、龍は悶絶してそのまま、ドオッと倒れ伏す。
シイナの魔法で動きを止めて僕の剣でトドメ。必勝パターンだ。
「ふう」
剣をしまうと、シイナが駆け寄ってきた。
「片付いたね」
「こうしよう」
?とシイナの表情。
「この龍の肝を西の町に売る、そして、そのお金で都のカフェで食事、どうかな?」
するとシイナは、
「うん!それがいいね!」
合ってたのかな?