序章
黒い雨が降っている。
いや、血の雨に近いのか。
……そんなことどうだっていいや……こんな世界滅べばいいんだから。
俺は外で一人雨に打たれながらいた。
空を見上げるが、雨は止みそうにない。
ボロボロの服に雨水が浸透する。
雨水に混じって赤い何かが滴る。
——————血だ。
自分の血……ではなく、他人の血、それも一人や二人ではなく多人数の人の血。
俺の周囲には死体がいくつも転がっていた。
目をえぐられた死体、上半身と下半身が別になった死体、首が明後日の方向を向いている死体、全身が潰れている死体——————など。
俺の手には血で汚れたネックレスの指輪が握られていた。
「……この世界は壊れてる。理不尽で残酷で暴虐で腐敗しきってる……。……殺す……殺す……俺から全部奪ったあいつら全員殺してやる!!!」
西暦四千五百二十三年、今世界は第五次世界大戦の真っ只中だ。十二の国同士で国土をめぐる戦争をしている。
この戦争は従来の銃や戦車、威力がすごいもので核兵器が導入されていた時代の戦い方はもう古い。
何を戦争に用いているかというと、『特殊能力』だ。
特殊能力には銃や戦車を遥かに上回る力があり、中には一つの都市を丸ごと吹き飛ばすことができる核兵器をも凌駕する力を有する能力もある。
能力には破壊するものばかりがあるわけではなく、傷を癒す能力や敵を索敵する能力も存在するため、能力によって配属される部隊が異なり、殺傷能力が高い能力は主戦力となる。
能力を有している者を『能力者』——————『レイド』と言い、権力が高い者ほど能力による支配力が高く、国の最高指導者たちは一つの都市を一人で殲滅するほどの力を持っている。
逆に能力を有さない者たち『無能力者』——————『クリム』も存在し、彼らは家畜以下の存在として能力者たちに扱われ、
奴隷、戦争の捨て駒、実験体、虐殺——————どれも非人道的な所業だ。
とても自分が自分でいられるような世界ではない。
前回の第四次世界大戦の人間同士が兵器を用いて争っていた頃の方がまだマシだったと言えるだろう。
マシと言っても戦争には変わりないが。
レイドとクリムの格差は日に日に悪化している。
特に、クリムは隔離された郊外で貧困生活を強いられ、一生をレイドのために送ることが生まれた時からの定め。
クリムの誰もがレイドには力でも権力でも勝ることは敵わない。
——————永遠に。
戦争が激化するとともにクリムが戦場に駆り出される頻度も多くなり、クリムの人口は減少しつつある。それに対してレイドの人口は増すばかりで、あと数年もすればおそらくクリムの存在自体が無くなり、世界はレイドだけの世界に変わることになると言われている。
これを危惧してクリムの中には革命を起こすべきだと主張する者が現れるが、レイドに反感を抱くことは死罪であり、以前に反旗を翻そうとした者の居住地は地図から姿を消した。
それにより、レイドには逆らわず言うことを聞いて出来るだけ長生きすることを望む者が増え、結局革命思想は消え失せたと
誰もがそう思っていたのだが——————。
読んでいただきありがとうございます。
小説を書くのは今回が初めてで、難しいなと思いました。
なので、読者の皆様からのご意見、ご感想が聞けたらいいなと思っていますのでよろしくお願いします。
次からはいよいよ本題に入る予定ですので読んでいただけたら有り難いです。




