表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メガネの探偵、二階堂  作者: 大隅スミヲ
猫鳴トンネルの怪
16/75

猫鳴トンネルの怪(6)

 トンネルから出てきた二階堂の姿を見たタクシー運転手は、ほっとした表情を浮かべた。

「終わったんですか?」

 後部座席のドアを開け、中へと入ってきた二階堂へ運転手が問いかける。

「ああ。最初からこのトンネルで事件なんてなかったのさ」

「良かった。これで観光客も戻ってきますよね」

「そうだな……」

 二階堂がそう答えると、タクシーはトンネルの前でUターンをして来た道を戻ろうとする。

「そういえば、麓に温泉があるそうだな」

「ええ、美肌の湯って言われていて、若い女性とかがよく来ていますよ」

「そうか。じゃあ、そこへ向かってくれ」

 二階堂はそう運転手に告げると、隣に座るヒナコのことを見た。

 疲れてしまったのか、ヒナコは二階堂の肩に頭をもたれかけるようにして眠ってしまっている。

 その顔は少女のようであり、とても優しい顔だった。

「ありがとう、ヒナコ」

 二階堂は微笑みながら呟いたが、タクシーの運転手からは後部座席のシートにひとりで座る二階堂の姿しか見えていなかった。


 猫鳴トンネルの怪 了

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ