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【番外編終了】前世で冤罪をかけられた令嬢は期待しない  作者: 福音希望
第三章 元悪役令嬢は幸せのために策謀を巡らす
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番外編4-2 ライバル令嬢はいろいろと手に入れる


 10年後、いろいろあったが結果としてロータス嬢が婚約者に選ばれた。

 私やリリー嬢も婚約者候補として残っていたが、アレク様の気持ちは完全に彼女に向いていた。

 そうなってしまえば、いくら彼女でも逃げることはできなかったようだ。

 しかし、気になる点があった。


「どうしてアレク様は貴女を選ばなかったのかしら?」


 私は目の前の令嬢──リリー嬢に問いかける。

 相変わらず羨ましいほど美しい。

 だが、以前ほど彼女に嫉妬することはなかった。


「お姉様の行動のせいね」

「ロータス嬢の?」


 よくわからない答えが返ってきた。

 彼女は何を言っているのだろうか?


「かつてのお姉様はアレク様の婚約者になることに固執していたわ。つまり、アレク様に好かれようとしていた」

「それの何が悪いの?」

「別に悪いことではないけど、お姉様はそれが過剰だったの。その気持ちにアレク様は辟易していたの」

「・・・・・・なるほどね」


 言っていることは理解できた。

 私は知らなかったが、ロータス嬢はアレク様のことをよっぽど愛していたのだろう。

 だからこそ、前世では過剰に他者を排除しようとした。

 その結果、自らが裁かれることになった。

 だが、今回の彼女はアレク様から逃げようとした。

 それが逆にアレク様からの興味を引いたのだろう。

 皮肉な話である。


「それよりも私は貴女の変わりようが驚きね」

「どういうことよ」

「かつての貴女だったら、どうやってもアレク様の気を引こうとしていたわよね」

「前も最後は諦めていたわ。ロータス嬢には勝てないとわかったからね」


 自分より優秀な相手がいれば、諦めるのは得策である。

 前世の記憶を思い出し、勝ち目のない戦いだとわかったのだ。

 すぐに諦める選択を取った。


「その結果、素晴らしい婚約者を得たものね」

「うらやましいでしょう?」


 私は不適に笑みを浮かべる。

 たしかに私は幸せ者である。

 とても素晴らしい婚約者を得たのだから──


「まさかクレイと婚約するとは思わなかったわ。そこそこ年齢が離れているし」

「彼はそんなことを気にしていないわ。年上の私のことをお姫様扱いしてくれるもの」

「それ、嬉しいの?」

「恥ずかしさもあるけど、愛されていることはわかるわ」

「それ、外で話さないでね。お互いの家の恥になるから」

「恥、ってなによ。まあ、そういうのは二人だけの時にするように言ってるわ」


 流石に恥ずかしい内容であるのはわかっている。

 けど、愛されていることに喜びがあるのだ。

 今までの私は公爵家のために、ふさわしくなるように努力をしてきたのだ。

 その結果、私を評価する際、公爵令嬢として評価されることが多かった。

 だが、クレイは私自身を見てくれた。

 彼が幼い頃に出会ったおかげか、いろんなしがらみなど関係なく私と交流してくれた。

 そのおかげで私も素直に彼と話すことができ、仲を深めることができた。

 私はオラシオン公爵家に嫁ぐことになった。


「そういえば、お姉様と呼んだ方が良い?」

「それは止めて。同い年だし」


 冗談めいて提案してみると拒否された。

 まあ、私も呼びたかったわけじゃない。


「で、貴女はこれからどうするの?」


 気になることを質問する。

 前世の彼女はロータス嬢の後釜として王太子妃となった。

 だが、今回はロータス嬢が王太子妃のままだった。

 しかも、オラシオン公爵家は次期当主がクレイとなっているので、リリー嬢は自由に過ごせるわけだ。

 だがら、今後はどうするのか気になったのだ。







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