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【番外編終了】前世で冤罪をかけられた令嬢は期待しない  作者: 福音希望
第三章 元悪役令嬢は幸せのために策謀を巡らす
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番外編1-1 クールな公爵家のメイドはお嬢様の幸せを願う 1

完結ブーストが凄かったので、番外編を書くことにしました。

予想以上に読んでいただいて、驚きました。


 ある朝、突然お嬢様の様子が変わった。


 元々、自分に厳しく、努力を惜しまない方だった。

 公爵令嬢であることを鼻にかけず、ふさわしくあるべく行動していた。

 第一王子殿下と婚約し、いずれは王妃となることを目標に様々な勉強を始めていた。

 まだ早いのでは──そんな風に心配していたぐらいだ。


 そんなお嬢様が突然努力をするのを辞めた。

 正確に言うと、努力の方向性が変わった、というべきか?

 今まで公爵令嬢としてあるべき姿になろうとしていたのに、今ではその真逆の行動をしていた。


 父親である公爵様に認めてもらうんだ、とお嬢様は言っていた。

 だが、今は素直に公爵様に甘えるようになっていた。

 だが、それが良かったのか、親子仲はそんなに悪くないように見えた。


 リリー様とクレア様が公爵家にやってきたとき、彼女たちが公爵家に馴染めるように行動していたのには驚いた。

 お嬢様は努力を惜しまない人ではあったが、どこか独りよがりなところがあった。

 彼女たちが自分の役に立たないと思えば、虐めたりすることはなくとも無視はしていただろう。

 そんなことになれば、公爵家の空気は良くないものになっていたはずだ。

 しかし、お嬢様は二人を迎え入れた。

 クレア様に対して、母親代わりに甘えたいと言っていた。

 実の母親を亡くした子供らしい反応ではあるが、お嬢様が言ったことに私は驚きを隠せなかった。


 リリー様については他と対応が異なっていた。

 もちろん、嫌がらせなどはまったくしていない。

 むしろ、リリー様が公爵令嬢として立派に振る舞えるように教育している様子だった。

 それだけならば、お嬢様は素晴らしい姉だとなっただろう。

 だが、これには事情があった。

 後で知ったのだが、お嬢様はリリー様を自分の代わりにしようとしていたらしい。

 自分は公爵令嬢にふさわしくない──何を思ったのか、そんな考えに至ったお嬢様はリリー様が立派な公爵令嬢になれると思ったようだ。

 立派な公爵令嬢として教育できるなら、お嬢様自身も立派な公爵令嬢だと私は考えていたが、お嬢様はその考えには至らなかった。

 どこか抜けているところもある、それもお嬢様の魅力だった。


 お嬢様の努力の結果、リリー様は立派な公爵令嬢になった。

 だけど、お嬢様の思うようにはならなかった。

 平民出身のリリー様をあそこまで立派にしたことを評価され、お嬢様の方がより素晴らしい公爵令嬢だと言われるようになった。

 しかも、その評価はお嬢様が直接聞くことはなかった。

 リリー様が聞かせないように注意を払っていたのだ。

 もし、そんな噂を聞いたら、お嬢様がなにをするかわかったものではないからである


 第一王子の誕生日パーティーに参加するとき、お嬢様はリリー様を婚約者にしようと画策していた。

 なぜか、その日に婚約者が決まると思っているようだった。

 何を根拠にと思ったが、おかしい話でもなかった。

 第一王子の婚約者──つまり、未来の王妃になるわけだから、それ相応の勉強をしないといけない。

 そのためにある程度幼い頃から王妃教育を受ける必要があり、ちょうど良いタイミングだったわけだ。

 だからこそ、リリー様を婚約者に推そうとしていたわけだが、結果は芳しくはなかったようだ。

 リリー様も選ばれたが、お嬢様自身も婚約者候補に選ばれてしまったようだ。

 しかも、いろいろと条件をつけられた状態で。

 どうにか逃げようと画策している様子だったが、成功する予感がまったくしなかった。

 お嬢様の幸せを願っていたが、難しいのではと思ってしまった。







作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。

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