3-13 元悪役令嬢は再び冤罪のパーティーに参加する
数日後、学院を卒業する日がやってきた。
卒業式は問題なく行われた。
この国で一番大きく、権威のある学院なので盛大な卒業式だった。
その後、卒業生を祝うためにさらに派手なパーティーが行われる。
前世の私はここで冤罪をかけられた。
衆人環視の中で逃げられないようにされ、私一人の発言ではひっくり返せない状況であった。
だが、今世の私は違う。
前世でかけられた冤罪のような行動は一切していない。
その代わりに別の行動を取っていた。
「ロータス=オラシオン公爵令嬢、出てきなさい」
パーティー会場の中心で私を呼ぶ声が聞こえた。
視線を向けると、そこには予想通りアレク様がいた。
いきなりの出来事に周囲がざわめく。
「いきなり呼び出して、どういうつもりでしょうか?」
人混みが割れて、私は前に出る。
そして、偉そうな雰囲気で問いかけた。
あたかも本物の悪役令嬢のように──
「呼び出される理由に心当たりがあるのでは?」
「いえ、一つもありませんわ」
アレク様の問いかけに私はあっさり否定する。
あまりの不敬な態度に周囲はざわめいている。
悪役令嬢としては上出来だろう。
「ロータス嬢がデイジーを虐めているという噂、流れているのは知っているだろう」
「ええ、もちろんですわ」
嘘をつく必要はないので、私ははっきりと答える。
そもそも私が流した噂である。
「認めるんだな?」
アレク様はさらに問いかけてくる。
私が虐めをした、という事実が欲しいのだろう。
だからこそ、私ははっきりと答える。
「いいえ、認めないわ」
私の答えに周囲はさらにざわめいた。
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