1-4 元悪役令嬢は新しい家族の情報を得る
「一つ、伝えないといけないことがある」
「なんでしょうか?」
朝食の後、父が真剣な表情で口を開いた。
いきなりの発言に思わず聞き返してしまった。
「新しい家族が二人増える」
「・・・・・・」
しかし、次の言葉で私は状況を理解した。
そういえば、この時期だった。
私の人生が狂い始めたのは──
「何も言わないのか?」
私の反応を見て、父は怪訝そうに聞いてくる。
まったく反応を示さなかったのはおかしかっただろうか?
「新しい家族とは?」
取り繕うように質問をする。
もちろん、誰が家族になるのかを私は知っている。
しかし、知っている方がおかしいので、知らない体で話を進める。
「母親と娘が増える。便宜上、私の妻と娘──公爵夫人と公爵令嬢となるな」
「後妻とその娘、というわけですね」
「ああ、そういうことだ」
私の言葉を父は肯定する。
やはり前世と一緒である。
この運命からは逃れられないようだ。
「お父様と二人はどういう関係なのですか?」
少し気になったので、質問をしてみた。
前世の私は自分を高めることに集中していたため、二人のことをまったく気に懸けなかった。
むしろ、公爵家に擦り寄る悪い人間だと思っていた。
だが、過去に戻ったのだから、違う情報を得てみようと思ったのだ。
「クレア──母親の方は私の兄の妻だった女性だ」
「はい?」
予想外の説明に思わず呆けた声をもらしてしまった。
まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかった。
1日で10bm・20ptを超えるとは予想外でした。
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