2-18 元悪役令嬢は苦しくなる
「ロータスちゃんは国を良くする意見を出せば良いの。それが使えるものかどうか判断するのはみんなでやれば良いの」
「意見もみんなで出せば良いのでは?」
笑顔の王妃様に私は反論する。
そんな責任のある仕事なんてしたくない。
どうにかして逃げたいのだけど──
「もちろん、意見を出す人が多いに越したことはないわ。でも、ある程度は良い意見を出せる人を厳選しないと」
「それなら、私は排除され──」
「ないわね」
「・・・・・・」
あっさり否定され、私は何も言えない。
王妃様は笑顔のままだが、有無を言わせない雰囲気がある。
「それにロータスちゃんは異端であることを悪いことのように言っているけど、決して悪いことじゃないはずよ」
「どういうことですか?」
何を言いたいのかわからず、聞き返してしまう。
その反応に王妃様は嬉しそうに答える。
「みんな同じような考えだった場合、行き詰まったりしたら解決するのは難しいわ。そこに誰も思いつかない考えを入れれば、突破口になると思うの」
「理屈はわかりますが、それは良い考えだった場合でしょう。私にとって荷が重すぎます」
私は頑なに否定する。
前世で冤罪にかけられる程度の私にそんな考えを思いつけるはずがない。
だが、王妃様は一歩も引かない。
「現状ではロータスちゃんも自信はないわよね。だったら、やることは一つよ」
「え?」
「アレクの婚約者になって、王妃教育を受けましょう」
「はい?」
予想外の展開に呆けた声を漏らす。
どうやったら、そんな案が思いつくのだろうか。
「思いつけないのだったら、そうできるように努力をすれば良いのよ」
「いや、教育を受けたからといって、必ずできるわけじゃ・・・・・・」
「ロータスちゃんには十分に素質があると思うわ。だって、さっきもレイラちゃんを前向きにさせたじゃない」
「うぐ」
反論できず、言葉を詰まらせる。
自分の行動が首を絞めることになるとは予想外だった。
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