2-16 元悪役令嬢は王妃様から目をつけられる
敵対派閥って、めんどい存在ですよね。
「それにしても・・・・・・」
王妃様の視線がこちらに向く。
嫌な予感がしたので、こっそり立ち去ろうとする。
しかし──
(ガシッ)
「っ⁉」
腕を掴まれ、逃げられなかった。
振り向くと、そこにはリリーがいた。
意外に力が強く、振りほどくことができない。
王妃様の手前、激しく動くこともできないし──
「派閥が違う令嬢に対しても、しっかりとアドバイスができる。素晴らしいわね、ロータスちゃん」
最後まで言われてしまった。
やはり嫌な予感は当たっていた。
なぜか王妃様から好感を持たれてしまっている。
いや、それ自体は良いことなのだが、私の目的にとっては良いことではない。
とりあえず、否定しておこう。
「いえ、大したことはしていないですよ」
「そんなことはないわ。アドバイスはできたとしても、違う派閥──しかも、仲の良くない派閥を相手にそんなことできる人は少ないのよ」
王妃様がさらに否定してくる。
面倒なことになってきた。
「私は子供なので派閥なんてわからないです」
「まあ、そうかもしれないわね。でも、敵愾心むき出しの相手だってことはわかっていたでしょう?」
「・・・・・・はい」
流石に否定できなかった。
子供だという理由が使えると思ったが、王妃様も逃げ道を潰すのが上手い。
「全員が仲良くなるのは難しいけど、国を治める上で仲が良くなるにこしたことはないわ」
「たしかにそうですね」
私も否定しない。
一致団結できれば、国を治めるのも楽になるだろう。
それができないから、大変なわけだけど──
「というわけで、アレクの婚約者にならない?」
「・・・・・・すみませんが、お断りさせていただきます」
王妃様から爆弾発言が来たので、私は即座にお断りした。
周囲は二度驚愕した。
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