2-13 元悪役令嬢は敵対派閥の令嬢を慰める
「私のことを馬鹿にしているの?」
レイラ嬢がこちらを睨み付けてくる。
だが、まだまだ子供の彼女は全然怖くない。
むしろ可愛らしさすらある。
「馬鹿にしていないわ。純粋にそう思っているもの」
私は真剣な表情で答える。
リリーから鋭い視線が刺さるが、私は気にしない。
「嘘をつかないでっ!」
「はい?」
レイラ嬢が怒鳴ってくる。
理由がわからず、私は首を傾げる。
嘘はついていないのだけど──
「貴女たちが馬鹿にしていることぐらいわかっているわ」
「本当にそんなことないんだけど・・・・・・」
身に覚えのないことで批判されるのは困る。
今世でもまた冤罪をかけられるのか。
「可愛くて、金持ちで、なんでもできるから、私程度を褒める余裕があるんでしょ」
レイラ嬢が涙目になる。
ああ、なるほど。
彼女は自信がないのだろう。
だからこそ、自分にないものを持っている私たちが羨ましいのだろう。
「レイラ様、涙を拭いて」
彼女に優しく声をかける。
ハンカチを差し出し、涙を拭いてあげる。
「貴女の気持ち、よくわかるわ。私も義妹と比較され、情けなくなることがあるわ」
「貴女も?」
レイラ嬢が驚く。
まさか自分と同じ気持ちだと思ってなかったのだろう。
ちなみに、リリーから鋭い視線がずっと刺さっているが無視をしている。
「そういうときは自分が自信を持てることをすべきよ」
「自信を持てること?」
私の言葉にレイラ嬢が反応する。
興味を持ってくれたようだ。
「ええ、そうよ。今の貴女は私たちと比較することで自分へ嫌悪感があるのよ」
「でも、貴女たちにできているのに、私ができないのは・・・・・・」
「その考えが駄目よ。できることは人それぞれなんだから」
「人それぞれ?」
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