2-11 元悪役令嬢は義妹から文句を言われる
「お姉様、先ほどはなんですか?」
リリーに詰め寄られる。
挨拶も終わり、会場のどこに行こうか悩んでいると彼女に肩を掴まれる。
逃げる前に捕まえられた。
そのまま人のいない位置に連れて行かれる。
「何のこと?」
「なぜ、私のことを勧めたのですか?」
流石にあからさまだったのだろう。
怒られても仕方がないのかもしれない。
「せっかく王族と知り合いになれるんだから、仲良くなった方が良いでしょ?」
「だからといって、自分を下げる必要はないでしょう」
彼女が怒っているのは、私が自分を卑下していることのようだ。
どうにも彼女は私のことを過大評価しているようだ。
「別にいいじゃない」
「良くないです」
笑う私にリリーは真剣な表情で否定する。
なぜそこまでこだわるのだろうか?
正直、私は自分がそこまで評価される人間ではないと思っている。
前世であれだけ努力したのに、結局冤罪で投獄され、命を落としてしまう人生を送ったのだ。
その程度の人間が人並みに評価されるわけがない。
「お姉様がそんな考えだったら・・・・・・」
リリーの表情が変わる。
目が据わり、笑みを浮かべているが、どこか怖さを感じる。
何かまずい気がするのだが──
「あらあら、オラシオン公爵家の姉妹の仲が良いとは嘘だったのかしら?」
「ん?」
「はい?」
突然声をかけられたので、そちらを振り向いた。
そこにいたのは豪華絢爛なドレスを着た令嬢がいた。
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