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【番外編終了】前世で冤罪をかけられた令嬢は期待しない  作者: 福音希望
第二章 元悪役令嬢は冤罪の元凶に再会する
33/73

2-10 元悪役令嬢の計画は失敗する


「礼儀もしっかりしておるようだな」

「いえ、私などまだまだです」


 陛下の褒め言葉に私は謙遜する。

 高い評価はされたくないので、素直には受け取らない。

 前世と同じような未来にならないためにも──


「謙遜しなくとも良い。アレクに比べれば、格段に良い」

「お父様」


 アレク様が陛下を睨む。

 馬鹿にされるのは嫌なようだ。

 こういう性格は変わっていない様子である。


「私よりも義妹のリリーの方が優秀です。姉として恥ずかしい限りです」

「お姉様っ⁉」


 リリーが驚いて、こちらを向く。

 だが、私の目的のために無視をする。


「ほう、そうなのか?」

「はい。不出来な姉の私を注意できる優秀な妹です。公爵家内の評価ではありますが、かなり高いです」


 陛下が興味をもってくれた。

 さらに私はリリーを褒める。

 身内贔屓というデメリットを言いつつ、嘘は言っていないと思ってもらう。


「陛下、良いですか?」

「リリー嬢、どうした?」


 慌てた様子のリリーが陛下に話しかける。

 止めようと思ったが、王族の前で無礼なマネができなかった。


「たしかに私の方が評価されることは多いですが、それはあくまでお姉様が私を立ててくれているだけです」

「どういうことだ?」

「私は後妻の娘のため、外から入ってきた人間です。そんな私を周囲に認めさせるため、お姉様はわざと自分の評価を下げているのです」

「ふむ」


 リリーの言葉に陛下は顎に手を当てて考える。

 この展開はまずいかもしれない。


「それは誤解です。リリーが純粋に優秀なので、周囲が評価しているのです」

「お姉様は私のことを気にしてくれる優しい人なのです。だから、私のために」


 私に被せるようにリリーも発言する。

 思わず睨み付けてしまうが、リリーは笑みを浮かべる。


「はははっ、喧嘩するほど仲が良いみたいだな。良い娘が二人もいて羨ましいな、公爵」

「恐縮です」


 陛下が笑いながら、お父様に声をかける。

 どうやら陛下から私への評価を下げることはできなかったようだ。







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