2-8 元悪役令嬢は義妹を応援する
「国王陛下ならびに妃殿下、第一王子殿下の入場です」
会場に宣言が響き渡る。
参加者達は一斉に気を引き締める。
特に大人達である。
子供の方は半数ぐらいだろうか。
「今日は我が息子──アレクの誕生パーティーによく来てくれた。心から感謝するよ」
会場に一組の男女と一人の子供が入ってくる。
大人の男性──国王陛下が感謝の言葉を述べる。
その言葉に続いて、子供──アレク様が前に出てくる。
「今日は私のために集まっていただき、ありがとうございます。皆さんとお会いできること、とても楽しみにしていました」
人の良さそうな笑みを浮かべ、彼は感謝を述べる。
あいかわらずのイケメンである。
彼を見て、会場中の令嬢達が心を奪われている様子である。
前世の私も同じ反応だった。
今世は違うけれど・・・・・・
「あれが第一王子殿下ね」
リリーがアレク様を見て、何かを言っていた。
もしかすると、一目惚れでもしただろうか?
「リリー」
「お姉様、どうしたの?」
「もしかして、殿下に惚れちゃった?」
「はい?」
リリーが呆けた声を漏らす。
もしかして、まだ気付いていないのかもしれない。
「殿下、かっこいいわね。リリーが見惚れるのも理解できるわ」
「お姉様、何を言っているんですか?」
リリーが怪訝そうな表情を浮かべる。
やはり、まだ自分の気持ちに気付いていないのだろう。
ここは義姉として、一肌脱がなければ──
といっても、あまりやりすぎると上手くいかないだろうから、応援程度にしておこう。
「私、リリーのことを応援しているわ」
「・・・・・・ありがとうございます?」
まだ自分の気持ちに理解していないのか、彼女は首を傾げる。
普段は私が世話されているけど、これについては私が世話をしてあげよう。
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