2-6 元悪役令嬢は義妹に皮肉られる?
「はぁ・・・・・・」
大きくため息をつく。
現在、私は馬車に乗って、城に向かっていた。
第一王子の誕生パーティーに参加するためである。
しっかりと着飾っており、普段着に比べて体が重い気がする。
「お姉様、しっかりしてください」
だるそうな私を見て、リリーが注意してくる。
「リリー、可愛いわね」
そんな彼女の姿は怒っていても天使のようだった。
普段の装いも可愛らしいが、新しいドレスで着飾った姿もまた可愛らしい。
今日の主役を差し置いて、人気者になるのではないだろうか?
「お姉様も可愛いですよ。馬子にも衣装ですね」
「・・・・・・言うようになったわね。まあ、事実だけど」
リリーの皮肉に反論しようかと思ったけど、事実なので無理だった。
今の私はドレスに着られていると思う。
「冗談ですよ。そのドレスはお姉様にふさわしいです」
「はいはい、ありがとうね」
お世辞に対して適当に答える。
似合っていないのは私自身わかっている。
前世でも着飾っているときに裏で悪く言われていたのを知っている。
「本気ですからね」
「・・・・・・」
だが、そんな私をリリーは真剣な目で見てくる。
可愛らしい顔で真っ正面から見据えられ、視線を横に逸らしてしまう。
女性の私でもまっすぐ見られないのに、前世の男性陣はよく口説けたものである。
「ふふっ、仲が良いですね」
「ああ、そうだな」
そんな私たちを見て、公爵夫婦は嬉しそうだった。
どこをどう見て、そんな風に思ったのだろうか?
まあ、仲が悪くはないと思うけど──
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