2-4 元悪役令嬢は義妹の対応に悩む
「とりあえず、私たちは候補の中でも上位に位置しているんですね」
「ああ、そういうことだ」
リリーのまとめにお父様は頷く。
それ自体は前世と同じである。
といっても、前世の私は自分のことしか考えていなかったので、リリーがそこまで評価されていることを知らなかった。
「何か気をつけるべきことはありますか?」
入念な準備をするつもりなのだろうか。
私の妹ながら真面目である。
「いや、好きなように過ごしてくれ」
「良いんですか?」
お父様の予想外の答えにリリーは驚く。
肩透かしを食らったようだ。
そんな彼女にお父様は告げる。
「王子のことを気に入ったなら声をかけるも良し、気に食わないなら他の者と交流を深めれば良い」
「・・・・・・それで良いんですか?」
「ああ、もちろんだ。王家との繋がり程度で公爵家の立場など大して変わらない」
お父様は自信たっぷりに言う。
別に自信過剰でも何でもないのだ。
「お姉様はどうしますか?」
「え?」
いきなり私に話を振られた。
予想してなかった展開に私は驚いてしまう。
「お姉様は第一王子と交流したいですか?」
「絶対にしたくない・・・・・・あっ」
即座に答えてしまい、すぐに自分の失策に気付く。
「では、私も積極的には交流しないです」
「なんで? せっかく王子様と交流できるんだよ?」
リリーには幸せになってもらいたい、その上で私は冤罪にならないように振る舞う。
そのためにリリーと王子様が結ばれるようにしたかったのに──
「別に興味ないですし」
「えぇ~」
だが、今世のリリーは王子に好意がない様子だった。
前世の私が冤罪になるぐらい好意があると思っていたのに、どういうことだろうか?
もしかすると、まだ出会っていないからだろうか?
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