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【番外編終了】前世で冤罪をかけられた令嬢は期待しない  作者: 福音希望
第二章 元悪役令嬢は冤罪の元凶に再会する
26/73

2-3 元悪役令嬢は視線を逸らす


「お父様、第一王子殿下はどんな人なんですか?」


 リリーが質問をする。

 どうやら殿下に興味を持ったようだ。

 前世ではこういう風に集まったときに話はしなかったので、この時点で彼女がこれほどの興味を持っているとは知らなかった。

 だが、良い兆候である。


「見た目は整っているし、馬鹿ではない。わがままも子供なら当然か」


 思ったよりお父様からの評価が低い。

 事実かも知れないが、もう少しオブラートに包めないだろうか?


「旦那様。他に良いところはないのですか?」

「私だって、滅多にお会いしないのだ。まあ、会いたいという気持ちもないがな」

「・・・・・・不敬ですよ」


 お義母様は少し呆れた様子である。

 しかし、お父様が殿下に良い印象を持っていないのは意外だった。


「でも、王子様なんですよね?」

「ああ、そうだな」


 リリーの言葉にお父様は頷く。

 流石にそこは否定できないようだ。


「お姉様が選ばれるんじゃないですか?」

「はい?」


 急に話の矛先を向けられたので、変な声を漏らしてしまった。

 どうしてリリーはそんなことを言ったのだろう。


「お姉様はオラシオン公爵令嬢ですよ。筆頭候補でもおかしくはないと思います」


 しっかりとした理由を告げるリリー。

 勉強しているおかげか、貴族内の情勢も理解できている。

 成長していると思う反面、こういうときには嬉しくなかったりする。


「それだったら、リリーだって同じじゃない」

「私は元平民の公爵令嬢ですよ。お姉様と比べたら、評価が下がります」

「元平民だろうと、公爵令嬢である事実は変わりないわ。私と同じ評価になるべきよ」


 少しでも逃げ道ができるように私は反論する。

 そうしないと、前世と同じことになってしまう。


「ですが、私では周囲から認められないと思います」

「リリーで認められなかったら、私なんてもっと駄目よ。婚約者らしいことなんてできる気がしないわ」

「お姉様ならできると思うわ。でも、自覚があるならもう少し授業を熱心に受けた方が良いと思うわ」

「・・・・・・善処するわ」


 思わぬ反論を受け、私は目をそらした。

 周囲からの視線が痛い。







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