2-2 元悪役令嬢は手紙の意図を知っている
「王家から手紙が届いた」
「っ⁉」
お父様の言葉に私は警戒心を露わにする。
いずれは来ると思っていたが、もう、そんな時期だったのか。
「手紙、ですか? どういった内容なんですか?」
事情がわからないリリーは首を傾げる。
初めてのことなので、わからないのは当然だろう。
「第一王子殿下が8歳になる。パーティーを開くそうだ」
「おめでたいことですね」
説明を聞いて、リリーが素直な感想を漏らす。
たしかに言葉通りの意味だけなら、その反応で良いだろう。
「ですが、わざわざパーティーを開くなんて、何かあるのでは?」
リリーとは違い、お義母様は何かに感づいた様子だった。
流石に正確なことはわからないようだが──
「おそらく婚約者を選ぶつもりだろう」
「えっ⁉」
お父様の予想にリリーが驚く。
まったく想像していなかったのだろうか、それは少し甘い気がする。
「そろそろ婚約者を決め、王妃教育を受けさせたいのだろう。厳しい内容だからな」
「それは早すぎないかしら?」
お義母様は首を傾げる。
彼女の言い分もおかしなことではない。
王妃教育は確かに時間がかかるが、結婚するまでの時間なら十分に足りる。
あくまでも理由の一因なだけである。
「あとはできる限り、他の婚約が決まる前に選んでおきたいようだ」
「・・・・・・ああ、そういうことですか」
こちらの理由はお義母様も納得したようだ。
貴族間の婚約は早く決まることが多く、産まれてきたときからすでに決まっていることもある。
良い条件ほど早く決まるもので、できる限り良い条件の令嬢を選ぶためにこの時期にパーティーを開催するのだろう。
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