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【番外編終了】前世で冤罪をかけられた令嬢は期待しない  作者: 福音希望
第一章 元悪役令嬢は過去に戻る
20/73

1-19 元悪役令嬢は義母の馴れ初めを聞く


「そういえば、聞きたかったことがあるんです」

「何かしら?」


 私からの問いかけにお義母様は嬉しそうにする。

 少し不躾な質問になるが、これなら答えてくれそうだ。


「旦那さん──私の叔父とはどういう馴れ初めだったんですか?」

「へっ⁉」


 思わぬ内容だったのだろう、お義母様は驚きの声をあげる。

 そして、恥ずかしそうに顔を真っ赤にする。

 私も嫌がらせでこんな質問をしたわけではない。

 メイドだった彼女が公爵令息だった叔父と恋に落ち、結婚まで至った。

 前世のリリーのことも合わせて、何かの突破口になると思ったのだ。


「言い辛いことでした?」

「い、いえ、そんなことはないわ。ただ、ちょっと予想外だっただけよ」

「なら良かったです」


 不躾すぎたかと思ったが、そこまで酷くはなかったようだ。

 お義母様は気持ちを落ち着かせるように呼吸を整える。


「元々、私はオラシオン公爵家で雇われていたメイドの一人だったの。その当時は入ったばかりの新人で、毎日が新しいことの連続で仕事としてのやりがいはあったけど、流石に疲れることもあったの」

「まあ、当然ですよね」


 公爵家のメイドならば、当然その仕事も多いだろう。

 新人として慣れない状況なら、疲れていても仕方がない。


「そんなとき、私はここから見える庭園で休んでいたの」

「ああ、あそこですか」


 お義母様の指し示す場所を窓から眺める。

 そこにはオラシオン公爵家自慢の庭園があった。

 季節ごとに咲く花が変わり、どんな季節でも楽しめる場所である。

 といっても、前世の私に花を楽しむ余裕はなかったけど──


「そこで主人と出会ったの。彼もまた疲れていたわ」

「疲れていた?」

「次期公爵として、周囲から期待と羨望、嫉妬とかいろいろ感じていたみたい。それが彼にとってはしんどかったみたいよ」

「なるほど」


 叔父の気持ちはよくわかった。

 私も周囲から同じように色々思われていたはずだ。

 疲れたと思うことだって、一度や二度ではなかった。


「理由は違えど、同じように疲れていたから私たちは気が合ったの。時々、庭園で愚痴をこぼし合っていたわ」

「そういう出会いだったんですね」

「それから1ヶ月ぐらいかしら、専属メイドに指名されたの」

「なんでっ⁉」


 予想外の展開に思わず令嬢らしからぬ声が出てしまった。







40bm、140pt、10000pvを超えました。

読んでくださった方、ありがとうございます。


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