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【番外編終了】前世で冤罪をかけられた令嬢は期待しない  作者: 福音希望
第一章 元悪役令嬢は過去に戻る
14/73

1-13 元悪役令嬢は義妹にプレゼントする


「お姉ちゃんのお洋服、とってもかわいいね」


 私を見て、リリーが褒めてくれる。

 純粋に羨ましそうな表情だった。


「そうかしら?」

「うん、私の着ているのと全然違う」


 自分の服と見比べ、彼女は落ち込んでいた。

 たしかに彼女の服とは大きく違っている。

 私にとっては普段から着ている服ではあるが、平民の彼女からすれば質の良いお高い服である。


「公爵家の令嬢になったのだから、リリーも買ってもらえるわ」

「本当に? 私、平民だったんだよ?」


 リリーは不安気に聞いてくる。

 平民として生活していた彼女にとって、欲しいものを手に入れることは難しいことだったのだろう。

 だが、今の彼女は私と同じ公爵令嬢である。


「もちろんよ。貴女も公爵令嬢なんだから、しっかりと着飾らないと・・・・・・といっても、服を買わないといけないからすぐには難しいわね」

「・・・・・・そうだよね」


 すぐには着飾れないことを聞き、リリーは落ち込む。

 そんな姿に私は心が締め付けられる思いだった。

 思わず彼女の味方になりたくなった。


「安心しなさい。私のお洋服を貸して・・・・・・いいえ、あげるわ」

「え、良いの?」


 私の提案にリリーは驚く。

 まさかこんなことを言われるとは思わなかったのだろう。

 しかし、私にとってはおかしな提案ではなかった。


 前世の私はこんな提案をしなかった。

 それが直接的な原因ではなかったと思うが、【義妹を冷遇する悪役令嬢】というレッテルの一端にはなっていたと聞いた──牢屋で捕まっている時に。

 あんな未来にならないため、私は彼女の希望を叶えてあげようと思ったわけだ。


「もちろんよ。そもそも私も服が余っているから、あげるぐらいなんてことないわ」

「ありがとう、お姉ちゃんっ!」


 リリーが嬉しそうに感謝の言葉を言ってくれる。

 前世で彼女の味方になった者達の気持ちがわかった気がする。

 こんな可愛らしい顔で感謝されれば、ずっと味方になってあげたいと思う。

 かつての私はそんな笑顔を見たことはなかったけど──







30bm・90ptを超えていました。

読んでくださった方、ありがとうございました。


作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。

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