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清貧物語  作者: ロック
4/6

2023年

独身無職神奈川住みのスロ狂いが誕生した。

からくりサーカス、革命機ヴァルヴレイヴは、ひたすら俺の人生を狂わせた。俗に言うスマスロというやつだ。前頭葉の萎縮が著しく、3月になる頃には40万近く負けており、多くの貯金や株も売り苦境に立たされた。


3月9日、籾里すうから久しぶりに電話が来た。

籾里すうは、相変わらずの童顔で、涼海すうという高嶺のなでしこのメンバーによく似た顔をしている。

「どうした、すう?」

「あ、忙しかった?元気してた?」

4年ぶりの連絡、俺の心は意外にも躍ることはなかった。

清貧を貫き、孤独な27歳無職賭博依存者になった俺を救済する女神など、いないとさえ私は思っていたからだ。

「もみもみマン!」

「なにその変なあだ名笑なつ」

2018年、俺が彼女をそう呼んでいたのをふと思い出したのだ。


「もみもみさん、いや籾里すう」

「もうええよもみもみマンで」

「もみもみマン…」

「今週末、会える?」

「うん。」

「どこで?」

「うーん、渋谷のハチ公前に来てくれれば」

「わかった」


私はハチ公前の正式名称を忘れた。

だが、ハチ公と呼ばれる銅像の前であることはわかる。

俺はスマホアプリでストライカーズ1945をプレイした。久しぶりに総会に弾幕を避ける、やはり若い頃に培ったシューティングゲーム能力は衰えてはない。

20歳の時にクリアした雷電IIの感覚を今でも覚えてる。

突如、ストライカーズ1945のアプリを閉じ、Youtubeのアプリを開いた。

俺はRepeated Tragedyを聴きたいがために100円硬貨を何枚使ったことか、俺はRepeated tragedyに歌詞をつけていた。

そして、ハチ公前で久しぶりに歌ってしまった。


「ふんふん ふん ふんふんふん ふん

ふん ふふふふ

異星人による襲来 地球が危ない

俺たちのマークII 地球を救え

魂全開 フルスロットル

プラズマレーザー ホーミングミサイル

最後のボムで お前も終わりだ アーッ

愛がある限り

悲しみ乗りこえ 戦え

俺はパイロット

悲しみ 乗り越え さあいけ 戦え!

戦いの日々は終わらない

さあいけよ 雷電

戦いの日々は終わらない

行こうぜ 雷電

悲しみの日々は、繰り返す

とぼうぜ 雷電

喜びの日はもうすぐだ

戦え 戦えよ!いけ」とついついスマホに入ってるRepeated tragedyの歌詞を歌ってしまった。


「なぁに歌ってるのドアくん」

「す、すう!」

脳裏に可愛くてごめんが流れた。

やっぱり涼海すうに似てる、「さちほマン…もといもみもみマン…」

「さちほマンって誰や」

「俺がコンビニバイトで働いてた後輩の名前だ、そいつも…そのすうに似ててさ」

「私に似てる人いっぱいいるんや

そういえば彼女できた?」

「私は…清貧である、彼女などできていない!もとい法人営業?Saaaaaaaaaaaaaasってやつ?よくわからないがそこを解雇されスロットで50万近く負けた敗者である、失業手当で生活をしてるが、すうは元気してる?」

「うん。てか、お腹すいたどっか行こ」


俺はすうを渋谷でも天ぷらそばが美味しいお蕎麦屋さんに行った。

「美味しいねここの天ぷらそば」

「すうも思う?本当に美味しいんだよここの天ぷらそば」

サクサクの天ぷらそばのナスの天ぷらにマヨネーズをかけたい。

「なぁあのなぁ、彼と別れたんよ」

「うん」

「もっと上品に食べて」

「ごめん」

「でさ、久しぶりに、ドアくんのことを思い出しちゃって」

「ほへー!

俺みてえなクズでパチンカスで会社もクビになるようなクソ男覚えててくれてたんだ」

「自分のことそんなふうに言わない」

「わかったよすう」


ごめんな、すう、俺はこの期間に愛してた女もいたんだよな。瀧川ひなたという女神がまだ俺の脳内にいる。

すうのことは、かわいい。というかどんなスタンド使ってるんだ、15歳にしか見えねえ、きっと人生何度も職質されたんだろうなぁ、しかしエロいな見た目は15、年齢は俺の1歳歳上だから29になるわけか。


「やっぱり、私ドアくんのこと忘れられないよ。またあの時みたいにずっとそばにいてよ」

「フハハハハハハハハ、いいだろう!

だが私は無職だぞ!」

「無職はやだけど、一緒にそばにいて」

「すう、愛してる」

「私も愛してる」

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