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嫌だと言いながら許してる

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

回想(?)、台詞が恋愛+R15です。

苦手な方はご注意下さい。


ファミレスでする会話じゃありません。

口に入れたくない。舌の上に乗せたくない。という言葉を本当に駄目な食べ物に対してよく使うのだが、改めてかなり極めて重要な意味を持つのでは無いかと考え初めて来た。


ある時近場のファミレスに訪れて、静かに卓上を眺めていた。並べられたのはパスタとハンバーグ。何時もの食事風景からしてみたら、量が少し多い。というのも私の不注意から来る一種の憂さ晴らしである。有り体に言えば『ヤケ食い』と言って差し支えない。

クリーム明太スパゲティにスプーンとフォークを捩じ込んで掻き回す。ソースはチーズでも入っているかの如く、非常にもったりとしていた。掻き回す音も自ずと絡み付く様な音を立てる。そうしてフォークに巻き付けて、赤子の拳大のサイズにしてから口に運んだ。

生麺とソースがずっと口の中に転がり回る。匂いを嗅いだ通り、やはりとても濃厚。胃がもたれる程の濃密な味をを貴方に。というキャッチコピーが頭を巡る。そうして逃げ惑う舌の上を侵食し、自らの色に染めていく。

それでも口腔に収めても、胃の中に落とし込んでも、体が拒絶する事はなかった。それなりに私はこの食べ物の事を受け入れて、自分の身になる事を許しているようだった。

ふと、彼奴のことを思い出して、私は端的にチャットを送った。

――今ヒマ? 時間あるなら近くのファミレス来て欲しい。奢るから。

そうして彼奴は此処に来て、私と同じ様に明太クリームを掻き回していた。同じ様にとろみの着いたソースが粘着質な音を立てて、麺と絡まる。そうして口の中に入れて、静かに嚥下する。

「何か用?」

「物食いながら官能描写浮かべている時点で、私は既に末期なんだと実感しただけ」

「へぇ?」

物に触るよりも、口の中に入れる方が、感覚が過敏に反応する。それは体外よりも体内の方が自らの身に直接的に関与するからであろう。触れるだけなら平気なものでも体内摂取したら毒になるものを拒絶する様に。

「お前とのキスは何時も逃げ惑いたくなる程にねちっこい。でも嫌だと思いながらも受け入れるし、何だかんだ言いながら、唾液が混ざるのを拒絶しない。つまりそれだけお前に心を許しているのだと感じただけ」

嫌だと言いながらも項に針を立てないように。取り敢えずの及第点という評価を下してしまう程に。

「ファミレスでする会話じゃ無いわ。で、この料理の評価は?」

「もう要らないって思ってる。でも絶対また頼む。そんな味」

癖になってる。嫌だと言いながら、呼ぶ程に。

後書きの方が年齢指定ありな気がします。

表現が生々しいので、苦手な方は回れ右をお願いします。


脳内で浮かんだキャッチコピーが気に入ってます。

実在にあるファミレスのパスタです。

食べ終わる頃には『私には重いから、もうイイかな……』ですが、癖になって頼んでしまうような代物。


今回の裏事情は、

もったりした明太クリームが、『彼奴』とのキスと似ていた。

何処までもベッタリと巻き付くし、段々とくたびれて来るけど、絶対に嫌えないし、心の何処かで及第点出してる。

つまり嫌だと言いながらも、執拗いと思いながらも、癖になってる。

そんな話。


ファミレスで物食べながら連想する話じゃないですね。

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